プロ野球セリーグの打者の中で、いま最も注目すべきはヤクルトの岩村だろう。広いオープンスタンスで重心を落とし、上体のパワーで打球を叩く打法だ。上体のブレがなく体重移動も少ない。ヘッドアップは見られない。ちょうど見たテレビ画面には、読売の桑田からホームランを打ったシーンが流れていた。打球は一直線でライトスタンド上段に弾かれるように飛んでいった。パワーはワールドクラスまちがいない。 岩村の打法だと、変化球に泳ぐシーンがまず見られないと思う。打たれっぱなしのセリーグ投手陣はおそらく、内角球でのけぞらせたり、岩村の体に当ててくる可能性もあるが、ケガをせずフォームを崩さなければ、岩村の活躍は続くだろう。 岩村の目標はトリプル3(3割、30HR、30盗塁)だという、足も速いのだろう。おそらく、田口、両松井に次いで、日本人野手大リーガーとなる可能性の高い選手だ。 岩村の弱点は守備だ。きのうの試合では、平凡な(やや強めの打球だったが)三塁ゴロをトンネルした。守備が安定すれば、大リーグの2番もしくは6〜8番を打てる。 岩村に比べれば、読売の4番コレクションなど、まったく魅力がない。外国人のローズ、ペタジーニは、大リーグ復帰はまず不可能。江藤、清原、小久保はスピード感がない。彼らは日本人としてはパワーがあるが、ワールドクラスとは言えない。高橋由のミートは非凡だとは思うが、大リーグで通用するレベルではない。 もし私が読売ほどの財力があり、日本プロ野球界の中から優秀な選手を集める権限を持つことができるならば、リストのナンバーワンは岩村をおいてない。さらに新庄(日ハム)、前田(広島)と続く。前田は残念ながらケガが多く、ピークを過ぎた選手だが、彼の絶頂期のスイングの速さは非凡だった。前田の完全復活はないだろうけれど、好きな打者であることに変わりない。阪神の金本もいい選手だが、前田同様、ピークを過ぎた。日ハムの小笠原、ダイエーの川崎、井口、松中も捨てがたい。捕手では城島(ダイエー)か阿部(読売)だろうか。 読売も峠を過ぎた4番打者コレクションを止め、浮いた予算でスカウト、コーチ、スコアラーなどのスタッフを充実すべきだ。スカウトはアメリカのメジャー、3Aに限定することなく、南米・中米・アジアに目を向けるべきだ。読売で育った打者をメジャーに売るくらいの心意気がほしい。国内でも大学、社会人などの有名選手だけでなく、地方にも情報網を張り巡らし、読売のマイナーで時間をかけて育ててみたらどうなのか。 日本球界はもっとトレードを活発化し、人材の流動化を図る方向にしたらいい。球団を増やし、できるだけ多くの選手が試合に出られる機会を増やすべきだ。思わぬ名選手が出てくるかもしれない。もっと、球界全体を活性化する努力をしてほしい。
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