| 2004年03月27日(土) |
オーバーエイジ(OA) |
サッカー五輪代表チームは、基本的には23歳以下という年齢制限があるが、本番では3人のOA選手が認められる。このOA枠をいかに使うかは、ただ単に、チームに助っ人を加えるというほど簡単なことではない。OA枠の活用とは、五輪代表チームを土台にしてW杯出場チームをつくっていくのか、あるいは、あくまでも現状のフル代表が土台なのか――という代表のあり方の戦略的選択を意味していると言える。 なぜ五輪代表がフル代表の母体になり得るのか。このことは、ただただ、モチベーションの問題なのだ。五輪という目標を達成した選手は、次はW杯出場という、極めてリニアな目標をもっている。前にも書いたように、一度、W杯に出た選手と、それを目標にする選手とでは、モチベーションに大きな差がある。もちろん、それを目標にしている選手の方が戦闘意欲が高いに決まっている。この高いモチベーションを利用しない手はない。 さて、五輪チームの弱点を挙げれば、GK、トップ下、トゥーリオが離脱したリベロ(3バックの真ん中)ということになる。左サイドにスピードのあるウイングタイプの選手がいてもいいが、森崎もいい選手。3人という枠を考えれば、GKに楢崎、トップ下に小野あるいは中田、そして、センターバックに宮本を入れれば、安定したセンターラインが構築され、五輪代表はいいチームになる。しかし、この人選は常識的すぎて、まったく魅力がない。特に、予選東京ラウンド、セットプレーで活躍した阿部のポジションがなくなるので、阿部の将来を考えると選択しにくい。私は、阿部をCBで使い続けてみたい。 ところで、ここで反転させて、五輪チームを土台にしてフル代表をつくってみると仮定しよう。五輪代表選手がこの先、どこまで成長していくのか楽しみではあるが、現状のフル代表と比べると、差があることは明らかだ。しかし、ポジションによってそうでもない部分もある。たとえばFWだ。柳沢、高原、鈴木、久保のフル代表FWと、五輪チームの田中、平山、大久保、高松との比較になるが、W杯のFW枠を4人とするならば、五輪組の方が魅力的だ。とりわけ、柳沢、高原、鈴木の海外組は、賞味期限切れ。 「黄金の中盤」と呼ばれるMFはどうか。一般的には、フル代表と五輪代表との力の差は歴然と思われる。両者にシステムの違いがあり、単純比較は噛み合わないものの、フル代表を3−5−2に置き換えて考えてみよう。フル代表のトップ下=中田、小野と、五輪代表=松井、山瀬では、フル代表の方が力は上だ。サイドハーフの左の三都主と森崎では三都主、右は山田より石川…ボランチの今野は、稲本、遠藤、福西…よりは期待できる。もっとも小野が下がれば、小野は抜けない…などなど。いずれにしても、両者をミックスさせて、今後の代表チームを考える余地は十二分にあるわけで、少なくとも、某代表監督のように、現段階で「固定メンバー」などと寝言を言う暇はないはず。 あれやこれや考えると、いまのところ、五輪チームを基本にしてフル代表を考えることは難しいが、フル代表の海外組の何人かを削って、若い上昇期にある選手に入れ替える余地は十二分にある。 ただ、五輪〜フルを分断しているいまの山本〜ジーコ体制は、両者を統括してみていたトルシエ体制よりは、合理性に欠ける。このことが円滑な選手の交流を妨げている。五輪を境に、代表チームを変革しなければいけない。
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