Sports Enthusiast_1

2003年11月06日(木) オフトの解任

浦和レッズがカップ戦で優勝し初タイトルを手にしたその日、オフト監督が辞任した。このケースはプロ野球の阪神星野監督の辞任に似ているが、実情は違っているようだ。つまり、クラブ側はカップ戦ファイナルに勝っても負けても、もっといえば、Jリーグ後期で浦和が優勝しても、オフト監督を解任する予定だったという。
解任の理由は、オフトのチームコンセプトだという説がある。浦和の戦い方はDFラインを深くとり、さらに、ゼニッチをリベロ的に余らせた超守備的シフト。下がり目のDF、MFから前線の田中、エメルソンに素早くボールを供給して、二人の個人技でゴールを狙うもの。エメルソン、田中というタレントに依拠した戦術だ。
これがいいのか悪いのか――クラブがオフトのコンセプトに「ノー」を出した背景には、エメルソンの移籍を視野に入れたものだという指摘がある。ことほどさように、エメルソンのスピードは抜群である。Jリーグではだれも止められない。冗談でなく、エメルソンに日本への帰化を呼びかける代表サポーターもいる。つまり、浦和の好調はオフトの手腕ではなく、エメルソンという抜群の能力をもった選手のおかげだという論理である。しかし、解任の理由がチームの戦い方にあるとは思えない。オフトはチームが有している戦力にあった戦術で好成績を上げているのだから、監督として当然の仕事をしている。解任の理由はおそらく、別だろう。推測に過ぎないが、契約条件の問題、つまりマネーの問題だと思う。
オフトが監督として有能かどうかだが、私はそれほどの監督だとは思わない。日本代表では「ドーハの悲劇」とやらで、W杯アジア予選突破を取り逃がしている。Jリーグでは、浦和以外でタイトルをとった実績がない。オフトが見出し育てた選手というのも、田中以外に覚えがない。
浦和はJリーグのなかで最も注目度の高いクラブである。その監督としては、オフトの顔も名前も戦い方も、古すぎたというところか。
実を言うと、モダンサッカーとは私の好きな言葉だが、浦和がこのカテゴリーに入るのかどうかについては、迷っていた。浦和(と東京V)を、いま現在Jリーグで好調の市原、横浜、FC東京と同じカテゴリーとして扱うべきかということだが、こんどの解任騒動でやっぱり、浦和は入らないのだな、と思うに至った。
浦和がモダンサッカーを目指すためにオフトのクビを切ったのならば、クラブとして、立派な決断をした。


 < 過去  INDEX  未来 >


tram