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2003年10月17日(金) 真剣勝負前に、あるまじき退任発表

星野監督退任のニュースが流れた。私は星野監督が嫌いだから、退任はかまわないのだけれど、日本シリーズ前にそれを発表するのは、おかしい。退任理由は健康不安だから仕方がないと思われるが、タイミングが悪い。これでは、日本シリーズの勝負の真剣さが薄れる。
勝負というのは、進退をかけるものだ。サラリーマンだって、自分の企画をどうしても通したかったら、進退をかけるのではないのか。政治家だって、官僚だって同じだろう。勝負そのもののスポーツで、勝負の前に自分は辞めますというのは、たとえ健康上の理由であれ、ファンの興味をそぐものだ。
ダイエーが負ければ「退任祝い」に当たるし、ダイエーが勝てば阪神の選手の集中力・緊張感の喪失と受け取られる。こんどの日本シリーズをプレイヤーの精神面のコンディションで計れば、両チームとも最悪だ。指揮官が勝負を始める前に、終わったら辞めますでは、真剣勝負とはいえない。
逆にいえば、退任を発表した阪神球団は、そこまでして勝ちたいか――ということだ。監督の最後、花道で・・・と、選手に気合が入るとか、燃えるとか、というやつか。以前このコラムで書いたけれど、相手にハンディがある勝負はどちらが勝っても感動に値しない、というのが私の考えだ。指揮官が重病なら、選手と同様、勝負の前に代わってほしい。自らのハンディを公にするとは、公平な勝負でないことを意味するのだ。そんな日本シリーズ、だれが見るものか。
今回の日本シリーズは、阪神が甲子園、ダイエーが福岡ドームと、どちらもホームの熱狂的なサポートがある点が特徴だった。ホームとアウエー、はっきりした勝負が期待された。どちらも、地元密着型の球団であり、大リーグに近い雰囲気の熱戦が期待された。その意味で、普段あまり興味のない日本シリーズに、わざわざ予想まで載せたのに、裏切られた感が強い。
阪神が優勝したときのスポーツマスコミの見出しを想像するだけで、悲しくなる。病気で退任する監督に優勝をプレゼントとは、プロフェッショナルにあるまじき、恥ずかしい結果以外ない。


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tram