が休場するという。先場所の活躍は何だったの、とだれもが訝しく思うだろう。繰り返しになるが、相撲はスポーツではないので、私は驚かない。けれど、ずいぶんと稚拙な筋書きになったものだと、哀しくなる。プロレスだって、もちっとましな展開を考えてるのに。 ケガや病気の休養から調整期間を経てすぐ「本番」というケースは、先の日本シリーズにおける西武の松坂投手がそうだった。松坂の場合は、相手読売の前にKOされ、貴乃花のような活躍はできなかった。でも、これが当たり前というか、正常な姿でしょう。 相撲が芸能であることが、貴乃花のこのたびの態度でだれの目にも明らかになったわけだが、それでも、力士が最強の格闘家であることは変わらない。だから、力士の格闘家としての実力と、芸能としての相撲のあり方とは関係がない。 相撲の取り組みのすべてが演技ではないけれど、勝者と実力者とは必ずしも合致しないのである。そのかねあいについては、部外者には見えてこない。どの勝負にどのような手加減があるのかないのか、私にはわからない。だから、結論としていえるのは、本気の相撲を見てみたいものだ、ということ。稽古をみると、相撲観が変わるともいう(それほどに激しい、という意味だろう)が、どうやったら見られるのかわからない。 なお、相撲界出身の「プライド」選手もいるが、それほどの実績を残していない。だからといって、力士は弱い、という結論はでてこない。「プライド」の選手が土俵に上がれば、いとも簡単に負けるはずである。
|