| 2002年08月25日(日) |
日本プロ野球を蝕む暴力的体質 |
日本のプロ野球、とりわけセントラルリーグは危機的状況にある。一つは、すでに何度も書いた危険球の問題。そして、それ以上にこのリーグを蝕んでいるのが暴力的体質である。それは一人の現役監督によってもたらされている。阪神の星野監督である。 まえの巨人3連戦では、ベンチ総出の乱闘騒ぎ。そしておとといは、監督の審判への暴言、コーチの審判への暴力である。今回星野監督は直接手を出さなかったようだが、コーチの暴力の背後には、監督の影がちらついている。監督の影響によって引き起こされたことは間違いない。 この監督を見ていると、いま街で頻発している暴力事件と同質の怖さを感じてしまう。判定が気に入らないと審判につかみかかる、暴言を吐く、選手には乱闘を奨励する。電車の中や盛り場で、肩が触れたの目つきが気に入らないのといって、集団で暴行を加える危険な体質が、グラウンドにまかりとおっているのである。 審判団は断固とした処置をすべきだ。監督が手を下したならば、暴力行為で告訴すべきである(一度告訴しているらしいが)。さらに驚いたことに、おととい退場した監督とコーチがきのう、なんとベンチ入りしているのである。あきれたものだ。サッカーであれば、まちがいなく2〜3試合は出場停止処分なのに。コミッショナーがだらしない。 そして、もっとも問題なのは、この暴力監督を「闘将」などと称して、賞賛するスポーツマスコミである。この監督はまちがっても「闘将」ではない。暴力を体中に漂わせた変人である。 プロなのだから、判定に抗議することはある、退場覚悟の暴言もある。大リーグヤンキースのビリーマーチンがそうだった。彼は激しい抗議をして何度も退場になっているが、それは本人も審判も納得ずく。いわば、「退場劇」なのである。だから、ビリーマーチンほど、暴力と遠い闘将はいない。 かつて、星野監督は選手をなぐって「教育」したという報道があった。ことの真偽は不明である。だが、それを聞いて思い出したのが、むかしの日本の軍隊の話である。プロ野球、いや、日本のスポーツ界には「しごき」と呼ぶ暴力が浸透している。あの、「神聖」な高校野球も暴力的体質を引きずっている。そして、プロ野球ではそれが表に出ているのに、だれも止めようとしない。
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