W杯開幕まで1ヵ月を切った。ここで改めて日本の予選リーグ突破の可能性を考えてみよう。その一番の指標となるのがFIFAのランキングである。 日本は現在33位。W杯出場国で日本よりランキングが低いのは34位のサウジアラビア(E組)、36位のエクアドル(G組)、38位の南アフリカ(B組)、38位のポーランド(D組)、41位の韓国(D組)、43位のセネガル(A組)、51位の中国(C組)の7チーム。W杯出場国は32であるから、日本(33位)を含めた32位以下の国は8となる。32分の8=4分の1、つまり評価としては「D」ランクと呼ぶことができる。予選リーグでは、おもしろいことに、D組に2カ国(韓国とポーランド)が集中している以外、「D」ランク8チームがほどよく分散している。つまり、予選組み合わせの中で最もレベルが低いのがD組で、ここはポルトガル(5位)の楽勝が予想されている。 次に日本が入っているH組を見てみよう。この組の最高位はベルギーの22位。以下24位のロシア、29位のチュニジアと、「C」ランクが3チーム。それに「D」ランクの日本であるから、これまた実力的には低い組である。しかし、予選を勝ち抜くとなると、実力が低いなりに拮抗しているから、難しい組であるとも言える。日本にとって最高の組合せは、日本、エクアドル、ポーランド、セネガルあたり・・・と思うのだが、そんな夢をいまさら描いても仕方がない。 なお、FIFAランキングを見て改めて思うことは、コロンビア(4位)、オランダ(9位)、W杯予選前まで2位だったチェコなどが出場権を得られなかったこと。欧州、南米のレベルの高さを思い知らされる。 さて、昼頃、どこかのBSチャンネルがフランスVSロシア(フランス/ホーム)のテストマッチのビデオを流していた。結果はご存知のとおりスコアレスドロー。日本が同じくアウエーで5−0で完敗した王者フランスに対し、ロシアが引き分けたのだから、日本のスポーツマスコミは「ロシア手ごわし」の論調で一致した。 この試合、ロシアの攻撃面での見せ場は少ないというよりも、ゼロに等しかった。フランスの猛攻に耐えに耐えた結果の引き分けである。攻撃の基点・モストボイも引き気味。ジダンにはマンマークがついた。戦法はカウンターのみ、自陣で細かいパスは使わない。これでは点は入らない。先のアイルランド戦とはまったく違うチームのようだ。ただ、FWが経験不足で、あまりうまくない点は改善されていないぞ。ロシアといえども、格上チームには戦術の変更を余儀なくされる、というよりは、負けにくい試合ができるのだ。このあたりが欧州勢のあなどれないところ。 けれど、ロシアがW杯予選リーグ対日本戦でこの戦術をとることはない。ロシアはベルギーと引き分けて、日本、チュニジアに勝ちにくる。フランス戦で下がったモストボイも上がってくるし、積極的な試合運びをする。彼ら自慢の細かいパスも多くなる。そうなれば、日本に勝機が出てくるのである。ロシアのパスが日本のプレスに引っかかり、日本にシュートチャンスが増える。ロシアは得点力がそんなにないチームだ。ベルギーよりも勝つチャンスはあると見た。
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