W杯開幕まで1ヶ月。国際サッカー、日本VSホンジュラスのテストマッチは、3−3の引き分け。結果を見れば派手な打ち合いのようだが、日本の3点は、相手キーパーのミス、コーナーキック直接、それにPKとすべてセットプレーからの得点で、流れの中からの得点ではなかった。一方、ホンジュラスは力強い得点の取り方で、ランキングどおり、日本より実力が上であることを証明した。日本の引き分けは相手、特にキーパーのミスに助けられたもので、幸運というほかない。。 さて、この試合のポイントは3つある。 第一は中村である。2点を叩き出した中村がW杯出場メンバー入りを決定付けた試合のように思われがちだが、私の見方は中村に否定的である。私は、中村はW杯で活躍できないと思っているからだ。中村は技巧的だが、パワー不足でリズムが悪い。確かにフリーキックは魅力的かもしれない、現にこの試合でも、PK以外の日本の得点は中村のキックによる2点である。だが、1点は相手キーパーの素人並みのミスなので評価から除外する。つまり、中村はフリーキック(コーナーキック直接)で1点をとったにすぎないのである。この1点をどう、評価するかである(普通のキーパーなら2点とも防げた、という見方のほうが一般的だと私は思う)。 指令塔としてはどうか。前線へのパスだし、サイドチェンジなどに非凡なものがある。だがチームのリズムという面では、中村が引っ込んで、三都主が左サイドに入った時間帯のほうが(ホンジュラスが引いたこともあるが)、日本の攻撃の形としてはよかった。結論としては、W杯での左サイドは小野・三都主の2人でいいのではないか。この場合、三都主が左サイド、小野がオランダでの定位置=左ボランチに残ることもあり得る。 第二はフラットスリーの問題である。簡単に二列目からの突進によって得点を取られた。サイドを破られ決定的に近い形もしばしばであった。何度も指摘されている日本の弱点であるのだが、現時点において、修正されていない。 第三は相手のセットプレイに対する防御の甘さである。簡単にマークを外されたり、前に出られたりで、フリーにしてしまう。はっきり言えば、センターバックの宮本が競り合いに弱いのである。森岡が間に合わなかった場合、このまま宮本で行くしかないのだが、固さから言えば、松田がセンター、中沢が右に入る選択肢をもっていたほうがいいと思うのだが、もう時間がない。 日本の弱点が鮮明に出た試合であった。けど、まあ、相手がいるわけだから、いつもいつも、うまく行くわけではない。繰り返しになるけれど、FIFAのランキングでいけば、ホンジュラスの方が日本より上なのである。W杯・本番予選リーグの相手3チームはホンジュラスよりさらに上である。しかも、時差ぼけ等のコンディション調整はホンジュラスより万全な体制で臨むのであるから、日本の予選リーグ突破はかなり難しい。
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