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2008年04月17日(木) |
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gate of heaven |
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サイという名の女の子がいた。 本名は別にあった。 いわゆるハンドルネームだ。 「砕、彩、sai…どれでもいいです。」 彼女のメールにはそう添えてあった。
何年か前、サイは自ら生きるのを止めた。 サイの最後の晩餐は、人気のない海岸に停めた車の中で食べた数百錠の薬を混ぜたヨーグルトだった。
別に、何度かデートしたからとか、キレイな子だったからとか、そう言うわけではないのだが、ふとサイのことを思い出す。
たぶん気圧のせいだろう。 低気圧が近づくと決まって頭が重くなり、取り留めのないことばかり考えてしまう。
サイの見た最後の夢はなんだったんだろう。
携帯で写したサイは口に薄い笑いを浮かべてる。写真の画素の低さが時間の経過を教えてくれる。
頭が重い。 夜には雨になるだろう。
こんな夜は決まって寝付けない。
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