職業婦人通信
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私の祖父母はすでに全員、この世にないのだが ダンナ君にはまだ、おばあ様がこの世に健在である。
現在、そのおばあ様が田舎から上京し ダンナ君の実家に短期滞在中。
先週末、私はダンナ君とともに おばあ様を囲んでの食事会に招かれた・・・。
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おばあ様はすでに87歳。 足腰はそこそこ、お元気なようだが
聞いたことや、会った人の名前、 食事をしたかどうか、などの記憶関係が どうも定かでなくなってしまうことが多い。
だから、田舎にいる間も 一日に何度もダンナ君の実家に電話をかけてきては 何度も同じ話を繰り返す、という状況。
でも、何度同じ話をされても、 ちょっとぐらい間違えた記憶があったとしても、 なんだかかわいくて許せてしまう、 そんなおばあ様なのであった。
さて、食事会。 おばあ様は大変にご機嫌うるわしく、 時間は和やかに過ぎていった。
話題は主に おばあ様の記憶が確かな、昔々の話 (マゴたちが小さいころの旅行の話とか)で、 おばあ様は記憶をなつかしみつつ 同じ話を何度もしていたが 誰もが笑顔でうんうんとそれを聞いていた。
食事会の途中で 話が私のハラの子供のことに及ぶや、 おばあ様の関心が私に移ったらしく
おばあ様は感に堪えない顔つきで 「○○(ダンナ)君、本当にええお嫁さん(私のことだ)もろうて、よかったなぁ〜」 と言ってくれた。
とても嬉しかった。
が、おばあ様は次にこう言った。 「こんだけ骨太のしっかりした体のおヨメは、そう探してもおらん、ホントに○○(ダンナ)君はええお嫁さんもろうてなぁ〜」
骨太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ しっかりした体・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
でも、とにかく憎めない人なのだ。 悪意があって言っているのではないのもよくわかっている。 身長が140センチ台のおばあ様にとって、170センチ近く、妊娠5ヶ月で腹も出てきた私は きっと巨人に見えているのだろう。仕方のない話である。 だから、私も笑顔で「ありがとうございます、えへへへへ」と、素直に言えた。
そしておばあ様はその話を繰り返し、繰り返し、言ってくれた。 何度もマゴのヨメを褒め、褒める理由は主に「骨太」であった。 私も何度も笑顔でそれに礼を言った。
ところが。
居たたまれない思いをしていたらしいダンナ君一家が口々に
「おばあちゃんには悪気はないんだけど口が悪くてごめんなさい」だの 「おばあちゃんは、千代子さんが太ってるっていう意味で言ってるんじゃないのよ」だの 「お兄ちゃん(ダンナ君のこと)が背が低いし華奢だから・・・」だのと
半笑いをしながら、まったくわけのわからない フォローともつかないフォローをしだしたので
そっちの方が100万倍ツラかった。
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本人が 「気にしてません、いいんですよ」って笑顔で言ってんのに わけのわからないフォローをしつこく重ねられると かえって傷つくものだ。
そして、全員華奢なダンナ君一家が 「たしかに千代子さんは骨太だから、フォローのしようもないんだけどね・・・」みたいな半笑いをしてるのが 一層ツラい。
それに、たしかにうちのダンナ君は 男性にしては背が高いほうじゃないし華奢だが、だからって 「その分ヨメが背が高くてガッチリ体型でバランス取れてヨカッタ」と言われても そんなもん、まったくフォローになってないし、ダンナ君だって立場ないし、 大体そんなこと言われて嬉しいヨメなどいるだろうか。 余計ツラいんだよー。
おばあ様のストレートな発言を 皆さんが普通に笑ってくれればそれで済んだのに
無用なフォローをされたばかりに、なんだか余計にしょんぼりしつつ 家路についた千代子であった・・・。
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