職業婦人通信
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2007年05月29日(火) 徘徊する妊婦

先週末の土曜日のこと。
ダンナ君は終日家を空けており、
私はツワリを理由に家へ引きこもっていたのだが

夕方になって、引きこもりに飽きてきた。
一日中、家でじっとしていると
ツワリがさらに悪化するような気がする。

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で、突発的に思いついたのが「おさんぽ」であった。
おさんぽぐらいなら、妊娠初期の身体にもそれほど負担がかからず
しかも体重調整にもなる(かも)。

放置しっぱなしの「てくてくエンジェル」も育とうというもので
まさに一石二鳥である。

と、いうわけで
突発的散歩に旅立ったのだが

私は今のところに引っ越して1年たつにも関わらず
いまだに周辺の地理がよくわかっていない。

加えて重度の方向オンチであることを忘れていた。

あっという間に方向をロストし、
どこから来たのか、
そしてどこへ向かっているのかもわからない、という
夢遊病とか記憶喪失のヒトみたいなことになってしまった。

6時ごろに家を出たのに
どんどん歩いて気が付けば1時間半。

そしてなぜか、気が付けばそこは田園調布だった・・・
我が家からは数駅離れた極北の(←大げさ)地である。

私が田園調布について知っているコトといえば
・美輪明宏が住んでいる(?)
・長嶋が住んでいる(?)
・金持ちと芸能人と政治家と社長しか住んではならない超高級住宅地
・東の田園調布、西の芦屋
という、都市伝説みたいなコトばかりであった。

はじめて足を踏み入れた田園調布。
見回せばたしかに豪邸ばかりである。

ベンツを4台置いている家。
バラ園のある家。
中世の城みたいな家。

しかし、長嶋さんも美輪さんも、そして通行人さえ一人もいない。
車がたまーーーに通るだけで
あたりはほぼ真っ暗、わずかに鈍く街頭が光るだけである。

大豪邸ばかりのため、家の間隔が広く、
生垣でびっしりと覆われたお宅が多いこともあって
家の明るさもまったく見えない。

はじめての田園調布は
暗く、そして怖いところであった・・・。

そこでグルグル回ることさらに30分、
昼間だったら田園調布マダムの素敵な憩いの場所なのねウフフ、と思しき公園も
夜はただの巨大な闇のカタマリで
ボウフラがいっぱいいそうな池がわずかに月光をたたえて
怖ろしいだけのスポットとなっており
その脇を通るときは心拍数が500ぐらいに跳ね上がった。

大豪邸の前を通ると突如
感知式のスポットライトに照らされ
ビクっとする33歳の妊婦。

一体自分は何をやっているんだろう・・・
駅はどこだ。駅は。

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結局、

「自分が田園調布のどこにいるのかわからない。
 駅までナビしてくれ」

と、ナビつきの車に乗っているダンナ君に電話をかけて
(電柱に書いてあった)現在所番地を告げ

「お前はなぜ、そんなところにいる?」
「ツワリになると人は徘徊するものなのか」

と、矢継ぎ早の質問に答える気も失せつつ
駅が見つかったのはさらに30分は歩いた後で、

しかも田園調布駅じゃなくて、
さらにその隣の多摩川駅だったよ。

まぁ、ちょっとした散歩のつもりが
たっぷり2時間半の彷徨となり、
疲れただけの夜となったのだが

何がむなしかったって、翌日筋肉痛になったこと。
どんだけ運動不足だったんだ。自分。


千代子 |MAIL
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