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沙夜



 それは何!?

「明日、荷物が届くかもしれないよ」

「わー、なになにー!?」


毎度ながら、豆ぞうさんのこの言葉にはテンションが上がる。


「沙夜ちゃんが喜ぶもの」

「えー、それはロマンチックなもの?それとも食べるもの?」

「食べるものかな」

「海のもの?山のもの?」

「地球のもの!」

「えー」


あれこれ質問しまくる私に、豆ぞうさんは苦笑する。


「なんでもいいじゃない。お楽しみ!」

「気になって眠れないよ〜」



【ヒント】
それは・・・
旬のもの。
料理されたものでなく、食材である。(ハイ、ケーキ消えた!)
そのまま食べるか、焼くか、煮るか。(ハイ、フルーツ消えた!)
サラダにはしない。鍋は、あまりしない。(ハイ、蟹消えた!)
豆ぞうさんはそれが大好き。
私と一緒に食べたことはない。
彼がそれを食べたのはもう何年も前。
近所のスーパーでも似たものは売ってるけど、同じものはない。


例えばそれが牛肉だったとして、ただの牛肉というのではなく、
どこそこのなんとか牛とか、ブランド的なものってことかな。
そうなってくると難しいなぁ。


「てゆうか、一緒に食べたこともないってことは、
私が食べたことがないものでは?」

「それと同じものは、ない……だろうね」

「私が好きなものなのなんだよね?」

「え……もしかしたら嫌いかも。だったらどうしよう」

「ええっ!」

「もー、明日を楽しみにしててよ〜。なんだかこっちが緊張してきた」



電話を切った後もしばらく考えていたけど、答えは出なかった。
一体何が届くんだろう。





2007年02月02日(金)
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