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■ ダメダメ彼女
深夜のTel。
お互い「もしもし」と言った後、言葉が続かない。
しばし沈黙。
彼が「もしもし？」と繰り返す。
うん、聞こえてるよ。
……なんだか言葉が出なくてさ。
えー、そうなんだ〜。
私達、もう話すことないのかもね。
豆ぞうさんは、
眠っていたところを起きて電話をかけてくれているのだから、
スラスラと言葉が出てこないのは仕方のないこと＆いつものことなのだ。
でもなぜか今夜は意地悪を言ってしまった。
えー。
『おめでとう』とか、そういうのはないんだぁ。
ああっ！！
0時を過ぎ、豆ぞうさんの誕生日になっていたということを
コロッと忘れていた。
2時間前まではちゃんと覚えていて、
おめでとうメールしようかなぁとか思っていたのに。
あっはっはっはっは。
そうじゃん。誕生日だよね！
あーあ、私ったらダメダメ彼女だわ。
笑える。いや笑い事じゃないか。
豆ぞうさんの声に落胆の色が見える。
しかし、
そういうこともあろうかと、前もって手紙を出しておいたのだ。
私からの手紙、届いてない？
え？
届いてないよ。
なんてこった。
前日に届くようにして、
0時過ぎたらすぐに読んでもらおうという考えだったのに。
これまたダメダメだ。
その後も、つまらぬことであれこれ責め立ててしまい、
（私よりもスポーツ番組の方が大切なのね、とかとか）
どうしてこうなっちゃうんだろうな〜と、
ちょっぴり反省した。
可哀相な豆ぞうさん。
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