妄言読書日記
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2013年09月09日(月) |
『アイザック・アシモフ コンプリート・ロボット』(小) |
【アイザック・アシモフ 訳:小尾芙佐 ソニーマガジンズ】
39年から77年にかけて書かれたロボット物の短編を一冊にまとめたもの。 アシモフ先生が92年になくなってるので、この本が出たあとにもロボット小説書いているかどうかはわかりませんが、ほぼ全部なのでは。 内容は年代順ではなく、ジャンルごとにわけられそれぞれにアシモフ先生のコメントつき。
アシモフ先生いわく「脅威としてのロボット」と「哀れなものとしてのロボット」の二つのパターンにわけられるということですが、物語としては後者のほうが好きです。 部分的にはもうすでにアシモフ先生が想定したものよりもロボットは先に行っているところもあり、アシモフ先生があくまでロボットは社会に受け入れられないだろうものとして書いているけれど、工場にも家庭にもロボットは入り始めている今日を先生が見たらどんな小説書いただろうなーと思います。
31編収録されているので気に入ったのだけ取り上げますね。
「思わざる勝利」 惑星探査にやってきた三台のロボットのうち、無邪気な一台がとかく可愛い。 他の二台もあいまって可愛い。
「うそつき」 スーザン・キャルヴィンものの一編。 スーザンが一番不憫な一話。
「お気に召すことうけあい」 あまりヒューマノイド型は登場しないのだけれど、これに登場するのはハンサムなヒューマノイド型執事。 当然、ロマン寄りな話しに。そりゃ恋するよ。
「二百周年を迎えた人間」 なんとも悲しいような切ないような。 人間になりたいロボットの話しをみるたびに、いやそんないいもんじゃないよ・・・と。
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