妄言読書日記
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2004年07月05日(月) 『レディ・ジョーカー上』(小)

【高村薫 毎日新潮社】

合田さんが好きだ!

『照柿』に引き続き、お前はそれしか言わないのか、というかんじでありますが、上巻なので内容については置いておこうかと。
高村小説の前半って非常に業界話が濃厚で、展開としては遅い。
雰囲気としては『黄金を抱いて翔べ』と合田シリーズのおいしいとこが合わさった感じ。面白くないわけない。
社長誘拐事件、しかし人質は社長ではない、というあたりなるほどなぁと。
下巻もいろいろ犯人側の周到さに感心しつつ、合田さんの疲労困憊ぶりにやきもきするんでしょう。

で、その合田さん。
出番自体は半分もないのですが、もうあなたに夢中★(星飛ばしたよ)
『照柿』でぼろぼろやった合田さんはやはり左遷(転属願い出したの本人ですけど)され、大森署へ。
登場にびっくりしまくりで、思わず本を閉じました。

合田雄一郎、チャリンコで登場(古畑か!?)
しかもカゴに大根(買い物帰り!!?)
ヴァイオリン付

私の処理能力は大根までが限界です。それ以上は想像力の範囲を超えます。
ジーパン姿もかなりぐっときますが、その後のヴァイオリンの一語に許容量オーバーです。私も半田と同じ心境です。
その上、花が咲くように笑います。またあなたったら・・・!!!
いや、実はこの本でヴァイオリン弾くというのは知ってたのですが、まさか大根と一緒に持って登場するとは思わなかったわけですよ。
その合わせ技はないよ。女王よ。
合田さんの健康的なさまを見たいと照柿の時に申しましたが、彼が健康だと私のダメージが大きいです。
なんですか、照れ笑いとかしちゃってからに。素敵すぎで鼻血出るよ。
パソコン駄目だしカラオケ歌えないしって、いまさらかわいこぶったって駄目なんだから!!!
とどめは教会でのヴァイオリン演奏
そりゃ、半田もやられるっちゅーねん。ときめくっつーの。
合田さんの存在は犯罪的なのでありました。
夜に公園でヴァイオリンの練習なんかしてたら、通りすがりの天才指揮者に惚れられるぞ(それ別の小説だから)

考えることがないからと、義兄・加納さんの顔を思い浮かべる合田さんに、再婚しろ、と思いました。
再婚したら寂しいとかのたまいましたが、撤回します。現状の方がよほど寂しいよ、合田雄一郎!!

『マークスの山』以来の根来さんが出てました。この人の人物評がかなり好きです。
合田さんを見て

こんな微妙な目に見つめられたら、理屈抜きに殴りつけたくなるか、魅入られるかどちらかだ。なるほど、義兄である検事は魅入られた口かな・・略

続いて加納さんの合田さんへの態度を見て

無意識に人を庇護する立場に立ちたい男の本能。あるいは生来の世話好きな性向。あるいは、人知れず積み重なってきた人間関係の歴史。あるいは、ひょっとしたらそんなこともあるのかもしれない、一人の男に対する≪ほ≫の字。

ほの字ーっ!!!!久しぶりに聞いたーっ!!!!
加納さんバレバレですよ!!!!
ありがとう、言いにくいことをずばり言ってくれて。根来さん!!
庇護欲を誘う男・合田。罪作りめ。
殴りたいと思うか惚れられるかのどちらかって、どちらにしろそういう感情を抱かせる相手は男限定なんでしょうなぁ。
女性にはもてないもんね・・・合田さん。

加納さんの愛情が公式設定で本当によかった。
あんなまめまめしく通う友人おるわけない。女でも今日日やらん。
おかんでもやらん。

で、そんな合田さん社長の警護担当に。
朝から晩まで社長のお側に。
い い な 社長
でも実際、合田さんが横に四六時中いたら息詰まるね。
人に安らぎは与えそうもないです。
合田さんの警護っぷりと加納さんの愛情の行方と、あと事件の展開が気になるのでそそくさと読み始めたいと思います。



蒼子 |MAILHomePage

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