妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【高村薫 講談社】
高村は本当にゴツイです。読むのに一週間近くかかりました。 おかげで今週は寝不足気味です。 文庫化を待っていたのですが、古本屋で2000円が500円だったから購入。 それと、この本をなかなか読まなかったのは、合田さんが一目惚れに苦しむ話だから。 あんまり気が進まなかったんですよね。 合田さん大好きなんですよ。
久しぶりに高村小説読みましたけれど、非凡な作家だなぁとしみじみ思います。 面白いとかうまいとか、そういうことを思う作家はたくさんおりますけれど、そう思うのは高村くらいかなぁ。 なんともうまく言えませんけれど、ラストにかけて一気に流れ出すさまはいつも深く感動します。 今回はとくに、最後の達夫と合田さんの電話がよい。 私も合田さんに「好きや」と言われたい・・・(いやそういう意味でこのシーンがよいと思ったわけじゃないんですよ。本当に印象深いシーンなんです)
合田さんと兄弟同然で育った達夫が出てきて、合田さんの子ども時代が垣間見えました。 カラス飼ってたんだ・・・。 達夫視点から見る合田さんの酒を飲むシーンが色っぽくてもう大変。 全編合田尽くしでうはうはです。達夫のところは読み飛ばしそうな勢いです。ちゃんと読みましたけど。 組長との賭博でお金ないと言ったら、じゃあ体で、と言われたときは、その賭けに私も参加したい、と思いました(命知らず) 合田雄一郎が大好きなんです
えーと、あとはなんだろう。 義兄は相変わらず合田さんを愛してやまない雰囲気です。 合田さんは男心をつかみすぎです。 ところで、ひょっとして合田さんがお付き合いした女性は元嫁以外にいないんですか。 勿 体 無 い だけど再婚されるのは嫌ですなぁ。乙女心デス。 加納家の養子になっちゃえばいい。これも乙女心デス。
高村小説ってまったく女性の存在が記憶に残らないのですが、今回も残らなかったですね。合田さんに夢中だったからじゃないです。 合田さんが一目惚れする相手なのだからもっと印象深いかと思ったのですけれど、印象そのものは茫洋としてます。 思うに高村小説の女性って、“女性”というイメージをひとくくりにした存在として出てくるから個人としての印象がないんじゃないでしょうか。 今回の美保子も、合田さんや達夫はその時その時によっていろいろなものを投影するわけです。 高村小説の女性は抽象的。 象徴的、な感じもする。
合田さんがどこに転属したのか気になりつつ、森がなにゆえ島ばかりに転属願いを出すのかも気になりつつ。 合田さん、もう少し森刑事に気を使ってあげて・・・とほろりとした場面が今回多々。
あと、たまに健康状態良好、絶好調な合田さん見てみたいんですけど。 いつも死人一歩手前な状態で痛々しすぎるんです。 レディ・ジョーカーでも奔走してるのでしょうね。今、読んでます。
そういえば、これドラマ化してたんですね。 合田=三浦友和。んー・・・・
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