妄言読書日記
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※ネタバレしています
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| 2003年08月28日(木) |
『HERO 英雄』(映) |
【監督:トニー・チン・シウトン 中国】
上映時間、1時間37分。短いっすね。 まあ、物足りなさは無いですが。
ストーリーにははなから期待していませんでした。 だって、予告段階からオーバー過ぎるだろ・・・と思ってましたし。 でも、『羅生門』を思い出しました。 映画のね。 これは無名の語りが一転二転としていくのですが。 まあしかし、あんた一体いくつホラ吹くねん、とツッコミたかった。 話しが一転していくたびに色が変わるのが面白かった。 やはり黒髪は美しいなぁと身贔屓ながらも思うのでした(私は黒くないが)。 赤と緑が好きです。
こう、もう少し感動したかった。 秦王に天下を見て、暗殺を思いとどまる残剣なんてのは、もう少しそこまでの葛藤とか、感情の高まりがあればいいのに。 無名も同じ。残剣に言われたから、のような印象も拭い難く。 それとも私が読み取れなかっただけですか?
一番最初のアクションシーン、劇場が一体化したような気がしました。 無名が飛んだ瞬間。 と び す ぎ。 というツッコミが一斉に飛んだ気がします。いや実際言った人もちらほらいたけれど。心の中で言いましょうね。 でも、私はあのアクションシーンが一番好きでしたね。灰色と雨が緊迫感あります。 銀杏の方は綺麗でしたが、剣戟という感じは薄い。 水上のアレはどうリアクションをとったものか悩む所です。景色は抜群に美しい。中国に行きたいですよ。
映画自体は、ワダエミの衣裳一人勝ち、という気もしますが、視覚の美しさ中国の景色の雄大さは大画面で観るとよいものです。 『ザ・セル』のような映像がお好みならば観てもよいかと。 せっかくの群集ですが、乱戦、というのがないので勿体無い気がします。 『ロード・オブ・ザ・リング』みたいなね。
刺客三人と、無名の関係が、どうも希薄なんです。 10歩の距離まで近づけるよう、刺客の命が必要(でも生きてたしな)だというのは面白いんですが。
始皇帝が賢帝であればあるほど、晩年あんなだったくせに(不老不死求めたり焚書坑儒してみたり)と思ってしまいます。 かっこよかったのですが、しかしなんともイメージってものが強く。
残剣役のトニー・レオンが素敵でした。
中国映画を初めて映画館で観ましたが、もう全然言葉がわからない。 それなのにエンディングのスタッフロールは読めてしまう不思議。 大昔に日本に漢字が入ってきた時に、中国語が全く入ってきていないことが今更ながら驚異です。 昔の日本人は根性据えて、外国語を日本語にしたんだな、と思います。 現代ももう少し日本語にする努力しましょうよ。 映画から全くずれてしまいました。
このスケールで三国志やってくれればいいのになぁ、としみじみ思いました。 三国志のいつでもいいんで。どこか適当なシーンを選んでやって欲しいです。
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