妄言読書日記
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2003年08月08日(金) 『夢・出逢い・魔性』(小)『ニックオブタイム』(映)

【森博嗣 講談社文庫】

センスが良いのか悪いのかわからないぎりぎりのタイトル。
副題の「You may die in my show」がなければ、ちょっとどうかと思ったところ。
更に「夢で逢いましょう」にもかかっているという、スリーミーニング。
森博嗣のこういうタイトル付け好きです。
『封印再度 WHO INSIDE』も上手くて好きです。

ネタばれしますよー。

今回はこれといって、意外な事は何も無かったです。
この頃やたらに、性別トリックにひっかかっていたので、絶対に今回は引っ掛からないぞと気合を入れて疑いました。
そんなわけで、稲沢さんは真っ先に疑惑の対象です。
女か男かわからない名前の時はまず疑え!
やはり女性でした。
心情的には男性の方が嬉しかったんですけどね。本当は。でも、面白いキャラだから、まあいいか。
もう一箇所くらい、性別トリックがあるかと疑ったんですがさすがになかったです。

東京遠征ということで、ちょっといつもと顔ぶれが違うのが面白かったです。
違うといっても主に警察関係の人々ですが。
練ちゃんもしこさんも、いい子で可愛い。
保呂草さんは今回大人しくしてました。胡散臭いのは毎度のことですけれど。
紅子さんもやっぱりどこでも紅子さんで素敵です。華麗な巴投げにびっくり。

さて、事件の方ですが、犯人の述懐にミスリードを疑ってはいましたけれど、妄想だとはね…。
アンフェアというわけではなかったけれど、ちょっと拍子抜けします。
でもそれ以外は、複雑なトリックは何もなし。森ミステリにしてはシンプル。
いや、VシリーズはS&Mシリーズに比べて事件はシンプルですね。わかりやすくて好きです。
事件以外のところにひっかけが多いですけれども。
キャラの個性でもっている、と言えなくもない。
ただ、シリーズ全体に何か仕掛けがありそうで、気が抜けません。


++++++++++++

びっくりだ。びっくりするほどつまらない。
久しぶりにげんなりしました。
ジョニーは好きなんですけど、この人いまいち当たらない。
『スリーピーホロウ』がそこそこかな。『シザーハンズ』は面白いけどヒロインが好きじゃなかったな。
『ショコラ』は好みじゃない。『ナインスゲイト』にいたってはつまらねぇ、の一言に尽きる。
ナインス〜は扱っているのが古書というのが折角よいのにさっぱり盛り上がらない。
いや冒頭あたりはちょっと期待させるものがあっただけに余計後半盛り下がりました。

で、これ。
冒頭から頭の悪い犯人です。要領悪すぎ。
30分くらい見てやめようと思ったのですが、ひょっとしたら何かどんでん返しが!と期待した私が愚かでした。
ジョニーにそんなにべったりくっついて監視するくらいなら、自分で暗殺しろよ!
自分じゃ近づけないから赤の他人に依頼するんだろうが。普通は。
つーか、暗殺させようとしといて、最後自分で撃ってるじゃん!!
90分の時間配分も悪いし、緊迫感ないし。
知事がもっとホテルの中を動き回ればいいのに、さっぱり動かない。
子どもが何かアクションを起こすかと待っていたが何もしない。いい子だ。全く。

五條瑛の『熱氷』と終始比較してしまいました。
これなら『熱氷』も映像化できそうです。

海賊のジョニーに期待をしてもいいのだろうか。不安だ。
でも、ジョニー・デップは好きなんだよなぁ。出る映画は好きじゃないんだけれど。



蒼子 |MAILHomePage

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