妄言読書日記
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2003年07月18日(金) 『熱氷』(小)

【五條瑛 講談社】

未読の五條本がなくなってしまいました。寂しい。

あっと驚きたい人は、ネタバレするので今日の感想読まない方がよいですよ。

帯の粗筋
「人気絶頂の現総理の元に脅迫状が届く。姿を見せない脅迫犯と氷山ハンターの男、三日間の息詰まる攻防。」
なんだか、高村っぽいなーと思いました。
中身は五條なんですけどね。当たり前だけど。
五條と高村の最大の違いは五條の主人公は非暴力主義だということではなかろうか。

五條の主人公はお人好し(へたれとも言う)という法則は生きているようです。
(洪さんと所長は別として。あれは鉱物チームだから)
でも、今回の石澤さんはお人よしだけれどかっこよかったです。

ちなみにお人好し度は、
三津谷>石澤>葉山>桜庭
の順で高いと思います。葉山は疑り深いので、あまり高くないです。
そして、へたれ度は、
葉山>三津谷>桜庭>石澤
だと思います。
あ、石澤さんだけ殴られてません。さすが、職業ハンターだけはあります。

中身ですが、スパイも某国の陰謀もないです。陰謀はあるんですが、国内でしかもとてもとても個人的な陰謀です。
おおー。『冬に来た依頼人』以外で初めてのような。
まあしかし、息詰まる攻防となってますが、少々視点が動きすぎて高まる緊張感は石澤さんが銃を構えている時だけだったのが、少々残念。
マモルと野村はそんなに描写はいらないんじゃないのかなー。その代わりに、荻原をもう少し書いても良かったんじゃないかなーと思います。
ちょっと、キャラが多いように思いました。

朱音さんが、『幻想水滸伝2』のナナミちゃんとイメージがだぶって、なんとも切ないです。
ナナミちゃん大好きだったんだ。

それにしてもですね、何より驚いたのは荻原じゃなくて(彼は最初から胡散臭い)、マヤは男だったんですかー!!
無性にやられた思いです。
そう言われて読み直すと、確かに所々妙な記述があるんですよね。
強い女の人だなぁと思ってたんですけど。車の運転シーンなんて、滑川がちょっとたじろいでいて、あそこらへん好きです。

スワローとグースの石澤さんへの、懐きっぷりがとても可愛い。
双子と石澤さんのやりとりがずっと好きでした。
この後も仲良くしてるんでしょうね。
石澤さんと滑川も仲良く(?)してるんでしょうか。ちょっとばかり気になります。
マーヤのその後とか。相変わらず占い師なんでしょうか。

たまにシリーズじゃないものがあった方がありがたいですが。勝手に想像させていただきます。



蒼子 |MAILHomePage

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