妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2003年05月16日(金) |
『秘本三国志5・6』(小) |
【陳舜臣 文春文庫】
曹操がボケたかと思ったよ・・・・!! 焦った焦った。陳なら曹操をボケさせるくらいするかと思った。 振りでよかった。本当に。
ボケたのは関羽だった・・・・・ ひ、酷すぎる。あんまりな扱いだ!! 自尊心が高すぎるために、捕らわれた時に急性耄碌しちゃう関羽。 「はやくおやじを斬ってくれ!」という関平の叫びに同調してしまうよ。そんな関羽は見たくなかった。
陳は猛将が好きじゃないのだろうか。 武人の活躍する場面をことごとくカットしている。 惇兄なんてどこ行っちゃったんだろう・・・・。
そして、関羽以上にひどいのは張飛。 嫌 い な ん で す か ? いくらなんでも張飛はそこまで馬鹿な人じゃないと思うのですよ。 劉備の旗揚げからずっと一緒にやってきたわけだから、武のみだったらここまで生き延びられるとは思えないです。
北方はかっこつけ過ぎだと思いましたが、陳はもう少し武人に花を持たせてやって下さいよ。
死の間際にお互いの顔を思い出す曹操と劉備。 だから、最後まで結託していればよかったのに。 陳も中途半端なことしないで、いっそそういう前提の元に最後まで書けばよかったんんじゃないかと思いますよ。
あの世で曹操に会ったらなんと言われるだろうかと考えている劉備。 「ばかだな、玄徳は」 ありえない!!そんなこと言わないから!!!そんなまるでビューネ君みたいなセリフは!!(少し古いですよ) そして更に劉備、 「おぬしが悪いのだ。先に死んだりするものだから。」 いや、答えになってないから。
陳三国志、推理作家らしく非常に穿った視点で推理され構築されておりました。 なにもそんなにあっちこっちの戦を八百長あつかいしなくても、と苦笑しますが。 五丈原までもが八百長ですよ。それは・・・たとえそうだったとしてもなんだか・・・・。感動がないです。 ああ、でも、荀イクと曹操、曹丕と曹植の不仲が演技だったというのは面白い。
少容と陳潜の関係の種明かしとか。 そんなオチを用意されてもなーと言う気分でした。驚きはしますけれど。
面白かったのですが、不完全燃焼のような気分の陳三国志でありました。 エピソードはしょりすぎ。
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