妄言読書日記
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2003年05月12日(月) 『秘本三国志1』(小)

【陳舜臣 文春文庫】

また三国志かーと言う声が聞こえそうです。
まだまだです。
他のも読め、と言うのなら読みますが。

秘本、とついているので怪しげですが、五斗米道視点の三国志。
1巻を読み終わって、全くと言っていいほど劉備の出番がない、という。
歴史の流れに忠実な感じです。
この頃の劉備は確かに、特筆すべきことはしていないものなー。
でも、花嫁泥棒しようとしてました。任侠系の劉備みたいです。

五斗米道の陳潜があちらこちらに行って、曹操やら劉備に会うという感じで話しが進んでます。
なんだか面白いです。
微妙に曹操贔屓な感じがしますな。
合理主義で気紛れすらも計算な曹操がよい感じです。

で、呂布が「かなりなハンサム」なんですよ。
その瞬間、陳の呂布は“ハンサム様”とあだ名が決まりました。
ちなみに北方はネロ(フランダースの犬)でした。

辛口の描写が面白いです。
袁紹を名門の坊ちゃんとかね。
陳の袁紹は憎めない雰囲気です。

正史のように「作者曰く―」というのがところどころに入っていて、異説についても作者の考察が入っているのがいいです。
これだけ三国志を読んで、いまだにどこまでが演義の話なのか、さっぱりわからないもので。



蒼子 |MAILHomePage

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