妄言読書日記
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2003年04月27日(日) 『三国志9 軍市の星』(小)

【北方謙三 角川ハルキ文庫】

関羽が・・・関羽が・・・・・・・

前半は吉川と交互に読んでいても問題なかったのですが、後半は交互に読むのは辛いと身に沁みました。
立て続けに死ぬシーンを二回見るのはなんとも辛いものです。

一人荊州を守っている関羽のことを常に気にかける、劉備と張飛が切ない。
もう一緒に戦えないのよーと先を知っているだけに切ない。
関羽ももう一度劉備と戦場に出たいと願いながらも、果たせずに。

この辺はどうがんばっても呉が嫌いになってしまいそう。
魏蜀呉、みんな好きなんですけど。

花を愛でる関さんが印象深い。
私、関さんが子どもやら動物やらと戯れているのを想像すると微笑ましくなるのです。
張飛でもいいんですけど、関さんはなんとなく「仕方ないなあ」みたいな顔をしていそうで。

一つ、戦場で死なせてくれたことに感謝です。北方に。

北方の孔明は陰気で引き篭もりな感じがとても好きです。駄目っぽい孔明が好きなのです。
彼はただでさえ完璧だと思われているんだから、それくらいの欠点があったっていいじゃないか。
亭軍山で、耐えられなくなって弱気になったり、「軍師たる資格がありません」と言ってみたりする孔明と、鷹揚な劉備がとてもよくかみ合っていて素敵です。

孔明株が急に上がり始めましたよ。

夏侯惇がまた出番を増やしてまいりまして嬉しいような寂しいような。もう幾ばくもないのがわかっているので・・・。
「お前とキョチョ。この二人が私の弱さを知ってくれているだけでいい」
曹操様が夏侯惇に言うんですよ。
相変わらず可憐です。もう参ってしまいます。
豪快なのが好きなのに、こんなに可憐にされては逆にときめいてしまいます。
また、冷静で穏やかな夏侯惇がよいのです。
北方夏侯惇は、かなりの美声だと思われます。渋くて落ち着いたいい声。私の脳内ではそのように変換されています。
そんな落ちついたトーンに、曹操も心落ち着かせるのでしょうなぁ。再三、そう書いてあったから。

キョチョと曹操は相変わらずで、なんとも言いようもなく・・・言葉を濁しつつ。
いやあ、北方三国志は熱いなあ
ここにきて、ようやく熱い、ということがわかりました。遅すぎますか。
今まではどちらかと言うとクールな感じだと思ってました。あ、三顧の礼は熱かったです。三国志史上最も熱いんじゃないかと思うくらいです。
熱いのは私だという話しもありますが。

そう言えば、正史ベースだから周倉がいない。
まあ、いてもいなくても・・・・。好きではありますけれど、活躍したと思ったらすぐに死んでしまうからなぁ。

ここから先は人が死ぬ一方で読むのがしんどいですよ。



蒼子 |MAILHomePage

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