妄言読書日記
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2002年06月17日(月) 『ナンシー関の記憶スケッチアカデミー』(他)『ハイスクール!奇面組11・12・13』(漫)

【編・著:ナンシー関 カタログハウス】


先日お亡くなりになった、ナンシーさん。
もっと、記憶スケッチを研究して頂きたかった…。

本の趣旨は極めてシンプル。
お題を出して、それを全国各地の人に記憶だけで描いて貰い、送ってもらうというもの。
ここで、老人力の凄さを改めて実感いたしました。
老若男女問わず、驚異のお絵描きの世界。
な、なんでこんなパンダが…。
これのどこがペコちゃん……。
笑い、慄き、感嘆すらしてしまう、素晴らしいお絵描き達。

ナンシーさんの冷静なコメントがまた絶妙で笑いを誘います。
説明するよりこの可笑しさは見てもらったほうが早いと思います。
コメントはナンシーさんのそまま抜粋。

カエル

森良三(68歳・無職)
「怖いですねぇ。敢えて顔面だけを強調した構図ではありますが、それ以上に迫り来る圧迫感があります。こちらの鼻先にまで寄って来ている感じ。そして、そんなに接近しているにもかかわらず、全てがぼうっとボヤけている。何でしょう。こっち来るな。」

カマキリ1

田中典子(42歳・主婦)
「あやふやな記憶、つじつまの合わないディテール、にもかかわらず自信満々。迫力すら感じます。これが「力量」というやつかもしれません。圧巻は前足とカマのつけ根である胸部でしょうか。目玉はどうくっついているんでしょう。」

カマキリ2

石原秀一(32歳・会社員)
「何かを示唆しているのでしょうか。暗闇の中にたたずむ一匹のカマキリのシルエット。中途ハンパな足の数も、よく考えるとどっちが後なのか前なのかよくわからないところも、カマどこ?も全て何かの暗示かもしれません。」

エビ

松村史織(7歳・小2)
「さて、史織ちゃんは何を見たのでしょう。エビなのはかろうじて尻尾だけ。お母さん、かんぴょうか何かにエビの尻尾をつけて「コレがエビなのよ」と偽っていませんか。子は親の鑑。それにしてもリボンて。」

巻末、非常に真剣に記憶と絵に関する考察がなされていて興味深いです。
笑いながらも、私も描けないかも…と内心心穏やかではない一冊であります。

+++++++++++

【新沢基栄 集英社コミック文庫】

奇面組完結。
ほーほー。こんな最終回なんだ。
夢オチ…?のようななんなのか。
馬鹿らしいようで、奥深いのでは、と思わせ、作者が苦しくなっただけのような気もする。
好きなオチではありました。

で、やっぱり零さん好きだなー。



蒼子 |MAILHomePage

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