妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
目次|前のページ|次のページ
2002年05月30日(木) |
『りら荘事件』(小) |
【鮎川哲也 講談社文庫】
私がただのミステリー好きであって、決してマニア足り得ないのは鮎川氏の小説すら読んだことがないという辺りから窺えます。 りら荘くらい読んどくか、てなわけで読みました。
『金田一少年の事件簿』でずっと疑問だったことがありました。 金田一少年=金田一耕介(孫って言ってるくらいだし)、明智健吾=明智小五郎から由来しているのはわかるんですが、じゃあ、剣持のオッサンはどこから?と。 別に何もないのかな、と思っていたのですが、ここにいましたよ。剣持警部が。 ここから由来しているのかは、定かではないですけどね。
内容と関係ないところでいきなり、謎が解けた気分になってしまいました。
久しぶりに、古きよき時代の推理小説を読んだなぁという感じです。 次から次へと起こる殺人。 ええと、7人ですか。最終的に。 お前ら、帰ればいいじゃないかとかつっこんではいけない。 警察、手際悪すぎとかも言ってはいけない。
犯人、当たらなかったなー。 橘・紗絽女の殺人のトリックは完璧だったんだけど。 だって、尼さんそんな知的キャラに見えなかったんだもの。騙されたわー(それがミステリ)
名探偵・星影氏はあまりキャラがわからないままに、終わってしまいました。 出るの遅いよ。担ぎ出されるいきさつが無理っぽいんだもの。 やはり、名探偵が出ないと締まらないのか。
ミステリ王道の小技の連続が秀逸です。 一つ一つは大掛かりではないんですけど、いっぱいあるが故に一個一個考えるのが面倒くさく(私だけか?)、かつ考えているうちに次々人が死ぬ。
やっぱり、推理小説好きだなーと思うのでした。
|