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| 2011年05月22日(日) ■ |
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| ジョッキン・カーはお医者さん |
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寺山修司の詩にでてくるジョッキン・カーはお医者さんだとおもった
勉強熱心さね
お腹鳴く鳴く夜更けには
研究室でおみそ汁をつくる
机に並べられたのはどれも一流の器具ばかりで
豆腐
あぶらげ
仕上げに小葱ぱらり
けれど経過はいたって芳しくもなく
蛙曜日にはジョギングで汗を流し
坂曜日には映画館に行き涙をたっぷり流し
柊曜日には競馬に金を流しきり
手袋曜日には彼だけが避難訓練をして
花瓶曜日には彼だけが傘をさし
麦酒曜日には彼だけが空爆に備えてシェルターに潜って
鯨曜日はそのまま寝てしまい休診
紫曜日には女装練習
星曜日まで化粧の練習、マスカラが不慣れで
船曜日はファゴットの練習日
石鹸曜日にはピエール・コモ氏との共同ロケット制作に熱を入れる
煉瓦曜日には森まで小鳥たちを捕りに
海曜日にはお皿を割れるまで磨く臨時のアルバイト
箱曜日にはアルフレッド氏のお宅にお呼ばれ、ドール達との賑やかな夕餉
腸曜日には彼だけのために安全宣言がだされた
硝子曜日は彼だけのために雨が降り
雨曜日には彼だけのために爆弾がひとつだけ落とされた
塩曜日には五歳児ごっこ
娼婦曜日には唇だけになってみる遊びを
耳曜日には子どもの代わりになるものを探す遊び
墨曜日には結婚する予定、でももう二十日程前に過ぎた
不在曜日には名前をいくつ変えただろうか
鍵曜日はそのまま自分が誰か分からなくなって休診
靴曜日には花柄の魔法瓶を買いに
灯曜日には洋服屋で下着えらびを夕暮れまで
カモメ曜日には飼育用にちょっと言えないモノを買って
老女曜日にはついに丘の家を大借金して買うことに決めた
M曜日にやってきた患者の奴が
鰯曜日までは確かに人間の姿をしていたけれど
氷曜日までの肌の深緑っぽさとしっぽの伸びる早さ如何では
青年曜日頃にはもう手に負えなくなるかもしれない、そんな様子で
「鉄曜日までには帰ります」と置き手紙を残す、けれども
アンチョビオニオンピザ曜日まで行方知れずでそのまま休診、あしからず
とうとう猫曜日がやってきて手術の時刻
どうしても指が震えちゃうものだから
少しためらったあと
一気にチカラを込めてジョッキン・カー！！
子どもの頃から練習してたくせ
いつまでも切り裂くのが上手くならない先生だ
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