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| 2007年10月29日(月) ■ |
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| 彼女達 |
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あの娘にしてみれば 出会いはいつも突然のまま 夜明けとともに消え去る夢です いち人生分の笑顔ぜんぶ 誰かに与えるなんてこと ほんとうはとても簡単なんだと あたま撫でながら 諭しているかのような 邯鄲の夢
あの娘にしてみれば いくら僕がはしゃいだところで 浴びるかのような酒のせいにして 唇を奪ったみたところで やんちゃな子どもの悪戯に過ぎないんだろう いや、それとも傷つけてしまったろうか でもあの娘は笑っているだけさ まだ17歳だっていう 可愛らしい名前も きっと嘘なんだ
ひとりで浮かんでるには どんなにか暗くて 深すぎる夜ってやつが 彼女達の周りだけはまるで その腕に包み守ってやっているかのよう 彼女達はそれを知ってるだろうか 自分達がとっくに夜の染みの 一部になってしまってることを だからこそ あんなにも美しく伸びやかに 踊り続けていられるってことを
私たちはあと10分で消える幻よ… その言葉が 僕の耳からはまだ離れないよ
ノイズまじりの甘いテノール 最後の声が 残酷な明け方の街にこだました
また来てね
僕はたった一度だけ 振り返ってみることにしたのだ その小さくて怪しげな看板
おかまさんたちのお店
バー『カマカマ』
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