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2004年05月16日(日)
夢のさつじん












いつも仲の良くない女の子が
どうしてもさつじんがしたいというので
それに付き合うことになった

そのコはロープを僕はライフルを持って
別々に誰かをさつじんしたあと
0時45分にドトールに集合
サングラスなんてかけたりしてさ
でも結局誰もころしたり出来なくて
そのままマンションに帰ることにした
ライフルを持ってたので
途中警官に職務質問をされたけど
おもちゃだと笑ってごまかした。
警官は一応だから、と言ってライフルを調べたが
「よくできてるもんですよね」の一言で納得してしまった
中に一発分だけ実弾が入ってたんだけど

マンションの窓からは
女の子が向かいの道のマンホールに
コンクリートを流し込んでるのが見えた
すごい楽しそう
満面の笑みでこちらに手を振る
いったいなんにんやっちゃったんだろ
ま、いいかすごく楽しかったんだね
僕も苦笑いで手を振る
でもいくらなんでもマンホールの中にコンクリート詰したくらいで
日本の警察をごまかせるはずなんてないだろ
女の子をマンションに呼んで説教したけど
そんなのよくわかんないよ〜って睨まれてしまった

朝になると母が朝ご飯を作ってくれていた
ほうれんそうのおひたしとお味噌汁と竜田揚げ
マンションはパトカーが取り囲んでいて
もう隣人夫婦に記者がインタビューをはじめていた
あのコンクリートの撤去作業もはじまっている
「警察の方がみえてるんだけど」
母が不安そうな顔をする
「うん」
「はい、どうもすいません私まで朝ごはんお世話になっちゃって」
なにか打ち合わせをしようとするんだけど
何もいい考えが浮かばないし
女の子はなんとかしてよーと
ほっぺをふくらませる

とりあえず刑事さんふたりには部屋にあがってもらって
そのあいだに洗顔をすることにした
なにかいい案が浮かぶかもしれない
母はお茶をいれて「よろしかったら」と朝食をすすめていた
僕は隣人夫婦の好き勝手なコメントを聞きながら
電気かみそりで髭を剃った
でも剃ろうとするそばからそばから
次々に髭は伸びつづけてきてきりがない
カミソリは髭にからみつかれて遂に動かなくなってしまった
窓の外に
男や女の肉塊がコンクリートの深い底から
すくいだされるのが見えた

「昨夜この近くでひとがころされたのは知ってますか?」
「そうなんですか?」
「それが実に浅はかというか、実に興味深い犯人でしてね」
分かってるよん、そんなこと
あんな隠し方だもんなー
さてさてどうしましょうか。まぁ、お味噌汁でもどうぞ。
熟年刑事のほうが「それでは」と僕を睨みつける
「全部いいえ、で答えてくださいね」
いきなりオシログラフかー。まいったなー
できるだけ冷静を保っても
その間別のことを考えることもできなくて
「いいえ」一言一言が全部裏目にでてるような
女の子のほうはもう泣き出してるし
こりゃだめだ、だめっしょ
ああ。あんなに泣いちゃって
かわいそうに

目が覚めると
刑事も母も女の子もいなくなってて
ああ、夢ってこんなんだよな、とか
刑期が終わって出るとしたら40か、50代か、とか
それから
ほうれんそうのおひたしとお味噌汁と竜田揚げが
食べたくなった