1/19(水) 二人の距離。
いやはや、ついにSが大阪にやってきましたですよ。
1月14日の夜、ヨドバシカメラ付近で待ち合わせたものの、
この時点ではお互いの素性が知れず、
不思議な関係性なだけに、互いのポジションもわからず、
しかもお互い人見知り気味で、どうも微妙にぎこちない二人。
トランスジェンダーでもまだホルモン投与はしてないみたいだから、
ルックスはビジュアル系のボーイッシュな女の子といった感じ。
オレは性同一性障害ってことで勝手に上戸彩を想像してたんだけど、それは違いました(笑)。
そりゃ唇の真ん中に尖った口ピアスを付けた上戸彩はおらんわな。トホホ。

まずはうちに移動して荷物を置いて、メシを食いに近所のファミレスへ。
今までオレの周りに鬱の人間なんていなくて(理由はみんな脳天気だから)、
彼が来るまでネットで少し勉強してオレなりに考えて、
Sを傷つけないように鬱を考慮してなるべくソフトに接しようなんて思ってたんだけど、
やっぱオレには冷静にふるまうことなんて出来ないわ、この状況では。
だってさ、性同一性障害で鬱で自傷癖があってゲイでって、・・・こんな人間周りにいる?
もう聞きたいことが噴出してきて、気を遣ってる場合じゃないっしょ!
相手を気遣うどころか、自分の興味がまずありきで、矢継ぎ早に遠慮のないクエスチョンの嵐!

・いつ自分が男と気付いたのか?
・トランスでゲイってことはノーマル(女)として生きた方が楽なんじゃ?
Aセクシャルらしいけど、だったら彼氏は何をもって彼氏というのか?
・鬱にもいろんな症状があると思うんだけど、Sの鬱ってどんな鬱?(気遣いゼロ)
・将来的にはチンポ付けんの?(無神経な質問)
・リスカの跡見せて〜。(超無神経な要求)
などなど。

今にして思えばいきなり深く聞きすぎたかとも思うんだけど、
やっぱこれから一緒に生活していくんだし、まずは遠慮してる場合じゃないよなあと。
何よりも、なるべく早く彼を理解したいって気持ちがあるからこそ聞くわけだしね。
でも傷つくどころか、それはSも同じことを考えてたようで、
何も包み隠さず、洗いざらいぶっちゃけてくれたのよな。
いやー、詳しくは彼のプライバシーに関わるから伏せておくけど、
日記に書けないのがもったいない濃厚な話がてんこ盛り。ゲップ。

「相手はメンタル面に弱さを抱えてんだからもう少し労ってやれよ」という声も聞こえてきそうだけど、
でもこのぶっちゃけタイムがあったからこそ、
オレらの中で一気に距離が縮まったのも事実であってね。
オレはオレで、うちにお客さんを迎えるかのような、
少し遠慮した、かしこまった部分もあったんだけど、
この時間を経て、そんなもんいらねぇかって。
つーか、そもそもSの鬱を考慮する必要さえねぇわと。
だって、これからクソ狭い部屋で一緒に暮らしていくわけよ。
それじゃとてもかしこまってる暇なんてないだろうし、
鬱を気遣って遠慮してる余裕もあるはずないだろうし。

腹が立ちゃ怒るし、言うこと聞かなきゃ怒鳴る。
うん、こうなりゃ何も遠慮しないでいこう。
それがオレの愛情表現だとSはわかってくれるはず。
下手すると、それは危険なことかもしれないけど、
でも、なるようになるでしょ、きっと。

そんなこんなで気付くと深夜三時。ファミレスに居座ること三時間。
帰り道、行きよりも少し肩の距離が近い二人なのでありました。


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written by オレ 

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