6/26(水) サポーターという病理。 後編
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そんなサポーター大嫌いなオレが先日地下鉄に乗ってると、 大量の青いユニフォーム軍団が乗り込んできたのよな。 全然知らなかったんだけど、運悪くその日に長居競技場で日本代表の試合があったわけ。 「うわー、鬱陶し〜」と思ったもんの、 ま、せっかくだからと冷静に観察してると、 もちろんみんなお揃いのユニフォーム(ペアルック)を着て、 日の丸のフェイスペインティング(恥ずかしすぎ!)をしてる輩までちらほらいて。 そいつらが悲しいほどの空元気でハイテンションを気取って、 見知らぬ者同士までもが「応援頑張ろうぜ」なんて盛り上がってんのな。 中にはハイタッチ(恥ずかしすぎて死ぬ〜!)してるヤツまでいたりして。 それ見てるとさ、「ああ、こいつら普段は一小市民なんだろうなあ」なんて考えちゃうわけよ。 普通に営業やってたり、専門学校に通ってたり、居酒屋でバイトやってたり、 女にフラれたり、上司に説教されたり、客に怒られたりしてるんだろうなあと。 そんなヤツらがさ、自分に関することならまだしも、 全然自分に関係ない他人事で一喜一憂してるのがたまらなく悲しいやね。 「その日本代表とあんたはどういう関係があんの?」と聞いておけばよかった。 やっぱ日本人だから疑うこともなく応援するってか? 普段は日本人としての誇りもないくせに? その取って付けたような薄っぺらいナショナリズムがひたすらイタいわけ、端から見たら。 しかも、当人がそのことにすら気付いていないのがイタさ倍増。 あんたら、韓国や北朝鮮にでも移住した方が向いてるよ、きっと。
マスコミに植え付けられた応援対象に向かって一丸となるサポーターたち。 オレがサポーターを見て感じる不愉快さや鬱陶しさ、 その正体は、もちろんサポーター自身のおサブいノリにもあるんだけど、 一億総右傾化していくってことへの気持ち悪さかもしれない。 「こいつら、みんなが右向きゃ自分も右向くのか?」って。
いやね、オーバーかもしれないけど、この状況はかなりヤバいスよ、マジで。 あいつらを見てるとさ、オレはなぜだか「はだしのゲン」の町会長を思い出すのよな(笑)。 過剰なまでの「W杯で日本を応援しよう!」ってプロパガンダ、 それに懐疑心、反抗心を抱くことなく、素直に乗じて日本の進撃に熱狂する国民。 街中では「ニッポン!」コールが沸き返り、みんなが同じコスチュームで飾る。 この状況、どう思う? これって陳腐なメタファーとして言ってんじゃなくて、 それどころか、これこそがナショナリズムそのものに他ならんのじゃないかと。 そりゃ昔の軍国主義下でのそれとは異なるものの、 柔らかくしてとっつきやすくした、今風の過剰な愛国心でしょ、これって。 ああ、戦争が始まるとこういう輩が真っ先に戦場へ向かうんだろうなと。 こういう輩が日の丸の旗の下、忠誠を誓うんだろうなと。 自分を持てなくて、大きな流れに簡単に左右されちゃう人たち、 そういう人たちが胸張って「俺はサポーターだ」なんて言ってるのってなんだかなあ・・・。 ま、あんたらみたいなのは国からみたらさぞかしありがたい国民ですよ、いやホント。
と、ここまで書いて「AERA」を立ち読みしてたら、 サッカー嫌いのピーコも同じようなこと言ってた。 なんだかうれしい。
ま、ここまで書きたいだけ書いてきて少しはスッキリしたものの、 やっぱりどうしてもわからないことが二つ。 どうして彼らは「サッカーファン」でなく「サポーター」にまでなっちゃうんだろ? 自分にまったく関係ないことに、どうしてそこまで熱くなれるんだろ? オレなんかには一生わからないのかも。わかりたくもないけど。
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