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やすみ日記
梅子
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2017年02月25日(土)
「屍者の帝国」について 円城さんの対談

「文学賞メッタ斬り! ファイナル」の中の円城塔さんの対談読みました。

「屍者の帝国」について。

円城「もっとぼろぼろに叩かれると思いました。伊藤計劃の方が圧倒的に売れてるので、売名行為だろうと言われるだろうと」
大森「伊藤ファンなら、やはり屍者の帝国を読みたいだろうし。円城さんと伊藤さんの深い関係をよく知ってる人が多いだろうし」
豊崎「むしろそれを知って、腐女子たちが伊藤計劃さんと円城塔さんのBL的な何かで萌えてるんじゃないか疑惑」
円城「伊藤計劃×円城塔本は先に自分たちでつくればいいんじゃないかという話はしていたので(笑)」

円城「(伊藤さんの書いた)冒頭30枚の後のプロットってA41枚くらいなんですよね。ちょっと意外な展開は書いてある。僕がその後書いた分は、突拍子もないほうに行きます。第一部を書き終えて、全部やめたりしてます」

受賞者同士つながりはないの? という話。

円城「変な小説を書く人は変な人なので、お互い会おうって話にならない。京都市の地下鉄の駅を上がったら、福永信さんが居て話したくらい。そういうことでもないと会わない」

***********
アニメ「屍者の帝国」を見た。
「君は何故僕を置いていったんだ」「僕はただ」って、ワトソンが生前のフライデーを思い浮かべるところで泣いた。
これだけ世界を巻き込んで、本人の望みは「友人と話したい」という些細なことなんですよね。



2017年02月24日(金)
「国家情報戦略」(佐藤優、高永喆)

「自分で立候補するような奴はスパイに向いてない。
プーチン大統領が中学生の時、スパイになりたくてKGBに行ったら『自分でなりたいと言う人はなれないんだよ。大学で法律の勉強をして、スカウトされるのを待ってごらん』と言われてそうしたら、本当にスカウト来た」って話、面白い。

「NSA(米国家安全保障局)は窓ガラスにビームを照射して、室内の会話を盗聴できる」って凄いな。

陸軍中野学校のことも書いてあって「スパイは暗記の達人。講師だった忍者は、声帯・形態模写が得意で、踊りが上手かった。芸者さんが『上手すぎて気持ち悪い』って言ったくらい」

「卒業生だけに配られた『陸軍中野学校』(中野校友会)は国会図書館に入ってる。A5版、二段のちっちゃい字で900Pくらい。時々古本屋で25万くらいで売りに出てる」

「中野学校の卒業試験は別人になりすますこと。身寄りのない人の戸籍を取ってきて、その人になりすます。
芸者のいる店に行って、学生に散々飲ませて、どのくらい乱れないでいられるか? という訓練もある。」

「ハニートラップより、中学・高校などの同級生であることを利用して近づく方が有効。再会して仲良くなったところで実は…って協力を要請」

スイスにあった海軍の藤村機関(対米和平・終戦工作に奔走)、
スペインにあった須磨機関のTO作戦(NHKスペシャルでやってましたね)の話もちらっと。



2017年02月20日(月)
「〆切本」(左右社)

色んな作家の締切に関する随筆・書簡を集めた本。

「大型の締切近づくと、無意識に怪我してしまう」(野坂昭如)。
「連載抱えすぎて、死んだはずの人が次の回で出てきた」(内田康夫)。
「相手に惚れなかったら、仕事は始まらない。血を流す危険が伴っても構わない。無傷でいることが大事だとは思わない」(高田宏)
編集者と作家の関係は素敵ですね。

かと思うと、必ず締切よりも早くできる人もいる。

「約束を守る人は、相手の時間に考えが及ぶからである。約束の時間を守らない人は、相手の時間が、どれほど大切かわきまえぬからである」(池波正太郎)
首がもげるほど同意。

米原万里(自由は不自由)、外山滋比古(仕事を引き伸ばせば質が落ちる)は凄くいい話だった。
要約できないけれども。

田山花袋のエッセイはかわいい。



2017年02月05日(日)
「逆境を乗り越える技術」(佐藤優・石川知裕)

うつ病の対処法が現実的。
「会社のマニュアルに沿うとクビにされるから絶対ダメ」
「すぐに薬を出す医者はダメ。話をじっくり聞いてくれる医者を探せ」「深い相談のできる友達を5人持て」
「がんばれは同調圧力。俺がやってるからお前もやれということ」

「うつから社会復帰してる人は、以前より20%仕事量を落としてる」
「会社は基本的に上の味方。何かあった時に上司に相談しないほうが良い。上司は自己保身を考えるので、しっぽ切りされる。直接上下関係のない「斜め上」の先輩と友達になると良い」
すごく分かる!

「公安警察に逮捕された会社があったけど、証拠デタラメで、釈放された。
公安も定期的に誰かを逮捕しないと予算削られてしまうから、杜撰な操作をやることがある。
その会社は、真っ先に銀行が逃げ出して、業績が傾いた」怖いな。

尋問を受ける時。
「説明してしまうと防御の手の内を晒してしまうからダメ」
「嘘もダメ。ついた嘘を記憶しておかないといけなくなるから」

外交官時代。
「ロシアに居る時、ロシアの通貨で、地元で買える物で生活していた。ロシア人の生活が皮膚感覚で分かるので、情報の仕事をする上で大事」

「付き合いたくない奴は、割り勘にして、だんだん高い店に行く。しまいに誘われなくなる」

「外交官という仕事柄、社交的と思われてるが、本当は一人で本を読むか、猫と遊んでるのが好き。心許せる友達は数人」

「丸暗記とか面白くない勉強をする時は、時間を区切って短時間。自分の知らない分野を勉強して『面白い』と思うことを重視。決して強制されてるという感じにはしない」
「自分よりちょっとできない人が居るクラスで勉強したほうが、語学は伸びる。」

「小説を読むのは役立つ」
これ分かります。自分が生きてる範囲で出会う人って限られてて、自分と立場の違う人の話を聞く機会って少ない。小説はそれを感覚的に知るのに役立つと思う。

「『落ち込んでる友達に声をかけていいか分からない』って人がいますが声をかけた方がいいです。僕は逮捕された時、声をかけてもらって嬉しかった。
逆に一番先に離れていった人が、復帰した後『実は心配してました』って寄ってきたけど、支援は目に見えなきゃ意味ない。」

「過去のことはしょうがない。将来のことは現在の組み立てによって変えることができる」って、私にはありがたい言葉。



2017年01月23日(月)
「野蛮人のテーブルマナー」佐藤優

「人柄を把握するのに、茶で1年、酒で1ヶ月、セックス・賭博で1時間かかる。
スパイは絶対、無駄に飯を奢らない。
協力者を獲得するための接待には、金を惜しまない(1~5万の店で食事)が、スパイ同士だと、交互に相手の好きなものを奢る。
スパイ一人が使える予算は年間5000万。

スパイはメモを取ったらダメなので、記憶術を鍛える必要がある。
昨日、おっぱい揉んだ時、何の話してたか?とか、情景とセットで、会話を覚えると良い。

理想のために命を捨てる覚悟ができた人は、他者の命を奪うことに躊躇しない。大量殺戮は、自らの命を差し出す覚悟ができた人々によって行われる。

イスラエルの特殊部隊は、上官に報告しておけば、ゲイはOK。外務省・軍情報部はOKで、モサドはダメ。
ロシアの矯正施設は、日本の刑務所と違って自由。
でも、おかげでゲイが多くて大変。昔は思想犯や宗教犯が守ってくれたけど、今は凶悪犯ばっかりで止める人もいない。

スパイは、情が移るから、セックスで情報を得ることはしない。逆に遠慮なくポイ捨てできるなら、セックスで情報を得るのは可能。
セックスで情報得るのがダメなのは、別れる時に揉めるからっていうのもある。

動物行動学で、動物は警戒してる相手と一緒に餌を食べない。
食事が無理なら、珈琲にクッキーでも良いから、食べながら話をするべし。
同じく、排泄も警戒してる相手の前ではできないので、トイレで重要な交渉をしよう。

一回食事に誘ったら、50%の確率で懐柔成功。
次につなげたかったら、本を借りるとか、小さな貸しをつくる。
CIAは異常に離婚率が高く、アル中が多い。
アメリカは、ヒューミント(人的情報収集)が苦手。ハイテクに頼ってる。

スパイは、不必要になった協力者を切ることが必要なので「どうやって関係を終わらせるか?」を考えてから付き合う。
プレイボーイが女性に嫌われる方法としては「音たてて食事する、鼻くそほじる、相手の両親の悪口を言う」などして、女性から去っていくようにしむける。

協力者に毎月一定額渡してると、段々情報が荒れてくる。
それに、関係を切った時に恨まれる。
いい情報を持ってきた時に多額を払う、という方法だと、こちらの関心事を知られる。
情報の質にかかわらず、協力者の息子の誕生日などに多めの金額を払い、
「友情の印」と思わせるのが良い。
ただし、スパイの本当の友人は一人か二人なので、これは見せかけの友情である。

サード・パーティー・ルール。
人から得た情報を、第三者に無断で流さない。
これはスパイじゃなくても、勝手に人の情報を流す人は嫌われますね。そういう人には、自分の個人情報も話しません。

スパイが使う筆記具は2B鉛筆。書き味なめらか。万年筆だと開けるの時間かかるし、水に濡れると文字が消えてしまう。
軍事情報以外なら、公開情報(新聞など)で98%くらい、その国について欲しい情報が手に入る」

佐藤氏、しびれ薬入りウォッカ飲まされたり、危険な目に色々あってる。刺激的な話や参考になる話がいっぱい。



2017年01月22日(日)
大阪倶楽部の見学会

大阪倶楽部の見学会に行ってきました。
大正12年の建物で、今年93歳。
ビリヤード場やバーや食堂がある。赤い階段がとても素敵!
2ヶ月に1度、見学会やってます。

30分スライドを見ながらの説明会、30分は館内を歩いてのガイド。
説明も聞きながらなので、写真撮るの忙しいです。
部屋によっては、一般に貸し出し可能のお部屋もあります。
食堂など一部の部屋は会員のみで、男性しかダメなんですって。

大空襲でも焼けなかったのは、鉄製のシャッターで火の粉が入ってくるのを防いだから。
ビリヤード台は大山崎山荘から持ってきたそうで、これも90年くらい経ってる、イギリス製だそう。大きくて、台の背が高い。写真の白黒の玉は点数つける道具です。

各部屋には「電話室」と書かれたボックスがある。可愛い。
食堂には小磯良平氏の絵がかけてあって、素敵でした。会員からの寄付。
「2枚で1億くらいです」と…。

玄関の床の、白黒の大理石が素敵。
戦後、GHQに7年くらい接収されてたんですが、返されたあと、邪鬼の目(翡翠)が抜かれていたそう。
会員がまた似たようなの買って入れたそうです。
ハンチっていう、装飾を施された梁は、部屋によって1つ1つデザインが違います。

4階大広間。
「べっぴんさん」1話もここで撮られたそうです。
昭和初期にはニュース映画の上映もやったんですって。
昔は、映画本編の前に、ニュースの上映があって、そのニュースをまとめたものだそう。

昔の社交倶楽部は、酒とタバコを嗜みつつ、政治の話をするところで、男性のみの場所でした。
社交倶楽部の条件、食堂・ビリヤード場・大広間があることですって。

着物で行きましたが寒かった。
ブーツと毛糸のパンツ履いてアームウォーマーして、カイロ貼ってました。
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2017年01月17日(火)
「男娼の森」など

「近代日本のセクシュアリティ 第30巻 同性愛のルポルタージュ」
「エロ・グロ男娼日記」昭和6年の小説。
「男娼の森」昭和24年の小説。
「ゲイ」昭和33年エッセイ。
を収録。

「男娼の森」昭和24年の小説。東京・上野の女装男娼たち。
男娼には元復員兵が多い。警察に捕まった時に「軍で上官に男色を強要されたせいでこうなったんだ」と逆ギレしてる。

新人が「痔の薬買いたいからお金貸して」って言ったら、先輩は「うしろを使っていたの? それは恋人のためにとっとくものよ。商売ではテクニックを使わなくちゃ」と助言。

一度客として来た学生さんが、男娼を忘れられず「結婚してください」って申し込みに来て「私、男なんだけど」と言ったら、仰天。
「僕は童貞なんでしょうか、それとも…」と訊くので「立派に童貞です」と返事。

吉田→およし、など、苗字から、今の商売名つけてる人が多い。

主人公は、お照さんという元役者。
新人娼婦が「お客さんが私を脅して、お金を払おうとしない」って泣きついて来た時に、
客の腕をガッと掴んで「古着屋呼んできて!」と言い、身ぐるみはがして代金を回収する。
女性や子どもに優しくて、強くて素敵です。
お照さんたちが集う、鐘山亭という腰掛茶屋、今も実在するらしい。

あとがきで「3年の地下街での浮浪者生活を経て、本が出た時『きっと評判になってるはず! 褒められたい!』と上野に行ったけど、皆、明日の飯が食えるか否かの生活なので、誰も小説を読んでなかった」とありました。

先輩の「役割がハッキリ決まってる子は、彼氏と長続きするけど、ドンデン(リバ)の子はすぐにダメになるわ! 関係が安定しないのよ!」って助言も出てきて、そうなのか…と思いました。

絵描きが「エロ絵を描く事になった」ということで、同居人の男と一緒に、裸で絡んでポーズ考えたり。

お照さんとかは、銭湯に入るとき、胸までタオルで隠して女湯に入ってたんだけど
元復員兵の女装集団は、顔は女のまんま、堂々と集団で男湯に入っちゃったということでした。

お照さんは、輪タク運転手の脚本家と知り合い、劇団の立ち上げを援助するのですが、その劇の内容が男娼を馬鹿にしている! と言って、別れてしまいます。

しかし、およしさん達、元復員兵は「これは私たちの気持ちを代弁してるわ」と上映に賛成。

******
「ゲイ」(昭和33年 エッセイ)
男娼が行為後も男ってバレないのは何で? と思っていたら、
「男である証拠を、晒木綿の腹帯の下へきつく巻き上げ、胸のブラジャーにパッドを入れ、一指も触れさせないために、ベッドの中で、相手の首に手をやってきつく抱きしめている」とありますね。

あと「めおとの仲になった男娼と情夫には掘る習慣があるが、客へのサービスではやらない。客へのサービスはshakuhachiでありsumataであり指先の○スターベーション術である」とあります。

*********
「エロ・グロ男娼日記」昭和6年の小説。
浅草の女装男娼(22歳)愛子ちゃんの日記という設定の小説。
客のイケメンを好きになって「もう半月も会いに来ない」と涙したり、
お客さんと車で京都に行って、旅館に泊まって一緒にお風呂に入ったりもしてる。

女だと思った客に、すね毛見せたら驚かれたり、
うっかり警官に声かけちゃって、10日間留置所に入れられる(女子の独房へ)、
ブサメンに「妾になってくれ」と言われて「わらじを裏返してたわしでこすったみたいな顔して何言ってたんだ!」と思ったり。

若い男に色目使ってもスルーされるけど、おっさんは視線送っただけで、がっつり食いついてくるとか。
最初、女性として商売しようとしたけど上手くゆかず、女装の男と開き直ったら、返って客がついたとか。

友禅モスリン長襦袢、錦紗の羽織、断髪にアイロンでカール、ファッション可愛い。

*****
「近代日本のセクシュアリティ 第30巻 同性愛のルポルタージュ」は大きな図書館なら入ってる可能性ありますので、地元図書館で頼めば、取り寄せしてもらえると思います。

エロ・グロ男娼日記だけなら、国会図書館デジタルコレクションでも読めます。
ネットで一般公開してなくて、最寄りの図書館に行って申し込みすると、読めるそうです。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1137266



2017年01月09日(月)
「剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎」高殿円

面白かった! 親戚関係が覚えられず、家系図書きながら読んだよ。

大河ドラマ1回目を見たら、ちはやふるみたいな幼馴染男子二人に惚れられる女子の話? と思ったのですが、小説読んだら、この後、井伊家ドロドロしていくのね。

直親の父が殺される件は、小説の方が面白いな。井伊谷を脱出する方法も。
政次、鯉になってしか、直虎に気持ちを伝えられないのが、もどかしく切ない。ツンデレめ。

女たちが、男たちと違って対立せず、手紙による情報戦で世の中渡っていくのが良いね。
直虎の母が「男子を産めなくて」と小さくなってたけど、直虎は女子だったおかげで死なずに済んで、立派な家が残ったのだし、良いじゃない。



2017年01月03日(火)
あけましておめでとうございます。

姪っ子が「おばちゃんだけ着物ずるい! 私も着るー!」って駄々こねてたけど、君の着物は、妹の家だから、実家には無いのだよ。
おばちゃんだけ派手に着飾っててすまぬ。 

今年の目標

とにかく仕事したいです。
あと、ジョカゲ好きの人と直接お会いしたい。
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2016年12月26日(月)
天神市

北野天満宮の天神市(骨董市)に行ってきました。
市バスが混むので、JR円町駅から徒歩で行きました。20分。
羽織(500円)と和傘(3000円)買いました。
お金崩すの忘れるという痛恨のミス! 次回から千円札用意してきますわ。

和傘持って境内ウロウロしてたら、一眼レフ構えた老紳士に「和傘! ちょっと広げてみて!」と言われ写真を撮られました。
帰りにたまたま寄った喫茶店が、昭和レトロで照明可愛かった。ティールームアンドっていうところ。
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