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2013年07月27日(土) ■ |
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「血の轍」相場英雄 |
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かつて所轄で先輩後輩だった二人が、公安と刑事部に分かれて、一つの事件をめぐって激突する話。
※ネタバレ注意※
前半、回想が細切れに入る・メインの登場人物が多くて視点が次々変わる、のが読みにくい。
最後の方は、話が一気に動くので、面白いです。
が、公安への仕返しはやり過ぎだと思う。 曽野の個人的な情報を公にするくらいならともかく、広範囲に仕事をつぶすなんて…同じ警察官やろ? と言いたくなる。
SITのパソコンに詳しい男が、アニメおたくってのは、テンプレ過ぎるなぁ。
兎沢の娘の主治医が、公安に逮捕された件。 もうちょっと、公安側にも納得のいく事情があればなぁ(医者がテロリストに重要機密渡したとか)。ビラまいてただけで逮捕って! 意味ねえ! 公安は、ただの市民いじめの無能集団に見えてしまう。
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2013年07月16日(火) ■ |
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NHK土曜ドラマ「七つの会議」1話 |
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NHK土曜ドラマ「七つの会議」1話を見ました。
これも池井戸潤原作。 画面が青みがかってて暗くて、NHKならでは? あと、またネジなのか! (ハゲタカも半沢直樹も、中小企業というとネジ)
といいつつ、良かったです。 最初、東山さんが主役ってイケメン過ぎ? と思いましたが、画面が暗いおかげで地味ーに仕上がってました。
坂戸と原島は、原作だとあそこまで仲良くはなかったような。 (「お前は会社にとって必要だ!」って熱く語ったり) さすがNHKドラマは「熱い男」補正がかかってる。
「たかがネジです。でも、うちのネジはどこにも負けません」というネジ六社長のセリフにウルッときた。
しかし、原島が、 「納期厳守」 「単価下げるな」 「早く転注終わらせろ」 と営業部からも製造からも詰め寄られるシーンは、無茶振り!って感じ(^^;
原作だと、章ごとに語り手が変わるのですが、ドラマではずっと原島主人公なのかな?
前に、横山秀夫が「読者を惹きつけるコツは、冒頭で主人公を窮地に立たすこと」って言ってましたが、
ドラマ版は、半沢も七つの会議も、問題勃発後→過去に遡るっていう構成ですね。
七つの会議は、原作1章を読んだ段階では、予想しない展開だったので、ドラマでは最初っからネタバレなんだな! と思いました。
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2013年07月15日(月) ■ |
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「ぼくらの近代建築デラックス」万城目学, 門井慶喜 |
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<大阪> 高麗橋野村ビルディングの1階に、コーヒーチェーンが入ってるのを評して、 「いい男が、安物のビーチサンダルを履いてるようなものだ!」と言うのに吹いた。
近くの新井ビルには、1階に「五感」が入ってるので、「近代建築の1階テナントはこうあるべき!」と絶賛してて、これまた笑う。
中之島・中央公会堂は一人の寄付によって建てられ、その人は完成を見ずに自殺してるなんて知らなかったです(株の仲買商で、相場に負けたそうです)
<京都> 「石を投げたら、武田五一建築にあたる」 「いい人だったから、京都で受け入れられたんでしょうね」 「京都人はそれだけでは評価しませんよ! 東大卒で、偉い教授だからです!」 という会話に吹いた。
万城目さんは、やけに京都に冷ややかだと思ったら、
デビューしたての時、サイン本持って書店周りをしたら、どこも置いてくれなくて、冷たくあしらわれたそうです。 東京では、新人ということで優しくしてくれたそうですが。
「学生時代に、京都が優しかったのは、僕がお客さんだったからなんですねぇ」としみじみ書いてあって、笑った。
万城目さんが思い入れタップリの、綿業会館も素敵ですよね! 昔一度行きました。
2代目京都駅の話が出てたので、ネットで検索してみたら、可愛い建物だった。 東京駅みたいに、外壁だけでも残ってれば!!
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2013年07月14日(日) ■ |
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「サキモノ!?」斎樹真琴 |
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父親が投資に失敗して行方不明。奨学金で大学を卒業した主人公が、借金返すために就職したのが先物取引の営業で。 怒号が飛び交い、お昼を抜かれ、半日立ったまま、電話し続けるという地獄のような日々。 という話。
失踪した同期が、別の同期の部屋にいて、「新妻もどきを飼ってるようだ」って言ってるのに笑った。
業種全然違うけど「トッカン」と印象が似てる。
お金を稼ぐってどういうことなのかとか、元自衛官の世間に対する恨みとか、色々考えてしまう
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2013年07月10日(水) ■ |
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アニメ「有頂天家族」1話 |
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タヌキがころころ毛玉可愛い(笑) 京都の街の風景が綺麗。
矢三郎は「師匠のために女子高生に化けてる」って言ってたけど、1話中ずっとその恰好やん。気に入ってるのか?(笑)
森見登美彦がアニメ化されるの2回目ですが、どっちも出来がいいなぁ。
オープニングも、デザインがかっこよくて、 バーのマスターの本物の「狸寝入り」も可笑しかった。
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2013年07月09日(火) ■ |
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ドラマ「半沢直樹」1話 |
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日曜日の「半沢直樹」1話、面白かったです。
半沢の父親のくだりはハゲタカっぽい。原作だと、父親は生きてたと思います。 (原作は池井戸潤の「オレたちバブル入行組」です)
近藤が「一度病気になったら二度と這い上がれないんだ…」って呟いてましたが、 病気になっても首にならないだけマシだよ! と「サキモノ!?」(斉樹真琴)を読み終わったばかりなので、思います。 (「サキモノ!?」では、病気になった上司の電話番号が着信拒否されてた…)
ドラマだと、渡真利が超フレンドリーな人脈男って説明が無いので、半沢にいきなり話しかけて、近藤をすっとばして握手してる様子が、「君、そんなに半沢を気に入ったのか」って感じでしたね(笑)
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2013年07月08日(月) ■ |
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「ザ・万字固め」万城目学 |
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エッセイです。
瓢箪に熱中しすぎて、奥さんが「ひょうたん未亡人」になった話とか。 戦国武将でサッカーチーム作る妄想とか。 台湾のサイン会の話が面白かったです。
東京電力の株を大量に買ってて、痛い目見た話はビックリです。 作家さんて、失敗したことも創作にいかそうとするものなのですね…。 (私だったら、さっさと忘れてしまいたいし、公にすることに抵抗あるって思う)
台湾で「森見登美彦さんとの仲は?」って聞かれて、「悪いです」って冗談で返してたけど、 綿矢りささんと3人で食事して、綿矢さんのサインを欲しがる森見さんに、万城目さんが「僕のも」と無理やりサインしちゃう話見てると、仲いい気がする。
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2013年07月07日(日) ■ |
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「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」田中森一 |
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極貧生活から東京地検のエリート検事にまでなった人が、弁護士に転身。 ヤクザなどの相談に乗るうち、捕まって刑務所へ…という自伝。
自己弁護してるな、って思う部分もあるけど、色々考えさせられる。 大企業や政治家が裏社会とどうつながってるかとか実名でバンバン出てくるし。 山口組の若頭を人間的に素晴らしい人って言ったり、アウトローに対して、いい面を見ようとするバイアスがかかってるなって思うけど。
自分だったら、ちょっと手を伸ばせば、莫大な権力や富が手に入る、自分は何でもできるって思ったときに、手を伸ばさないでいられるんだろうか…。
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2013年07月06日(土) ■ |
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「執事と画学生、ときどき令嬢」小林典雅 |
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大正浪漫の背景に、ハイテンションな登場人物って取合せが変(笑)
華族邸宅の細かい調度品の説明に、主人公がいちいち(このブルジョワが!)って突っ込んでるのに笑う。 (けど、仕送りもらって画学校に通う主人公も、裕福やで)
「フィンガーボールを倒しても、伊勢海老を吹っ飛ばしても、飛び上がって謝らなくてもよろしい」とか。 「1万円!? 30銭の絵の具が何個買えるんだ!」 とか、細かいセリフからにじみ出る庶民感覚が可笑しい。
これも三浦しをんさんの書評本のおすすめで手に取りました。大当たりだった。
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2013年06月16日(日) ■ |
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「戦友の恋」大島真寿美 |
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編集者と漫画原作者の友情。
玖美子は「私たちは友達じゃない」って言ってたけど、私からしたら、大人になって、こんなに良い女友達ができるなんて羨ましい。 あと、周りの男性とも、恋じゃなくて、仕事仲間だったり友情でつながってるのが良い感じ。
若い男の編集者が、「俺があんなに増刊頼んだときは断ったのに、新人の編集に頼まれた連載引き受けるってなぜー!!」ってジェラシー燃やしてたのは、可愛くて笑ってしまった。
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