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■ ひきずってます。
今回、主人公が転校していくというラストで終わったせいか、何だか妙に後を引きずって、つらつら考えていたのですが、ふと。
泳吉くんって、最初からお父さんと一緒にNYに行きたかったんじゃないかなぁという考えに至りまして。
それというのもですね。 やっぱり、シンクロ公演成功=即転校に繋がるのはちょっと不自然だと思うのですよ。あれだけ必死になった仲間達と、そんなあっさり別れられるものなのか!?みたいな疑問がずっとありまして。
で、思ったんですが。
泳吉くんは最初から本当はNYに行きたかったんじゃないかと。 でも、今の状態(高校では落第寸前、水泳部では亀とバカにされ)では、あんまりにも惨めすぎて、まるで逃げるようで「行く」とは言えずに、結局、姫乃高校へ「逃げて」きたのではないかと。 このままNYへ行くぐらいなら、お爺ちゃんのところへ居候して、せめて落ちこぼれからは脱出して「ダメ人間じゃない普通の高校生」としてやっていく方を選択したんじゃないでしょうか。 ここいら辺、泳吉くんにも多少なりともプライドがあったのかな、なんて気がします。
だからこそ、普通の高校生どころか、「後悔しない、精一杯頑張った自分」になれるかもしれないシンクロ公演に必死になり、仲間とも友情を深め、頑張ったのかな、と。もちろん、頑張っている間、彼の頭の中にそれは浮かんでは来なかったでしょうが、潜在意識の何処かで「父親に認めて貰いたい」という気持ちがあって、それが彼の原動力になったんじゃないかなと思うんですよ。そこから、友を応援する気持ちとか、前へ進む気持ちとか、諦めないという底力が湧いたんじゃないかと。
そう考えるとね、何となく納得がいくんですよ。
まだ何も成し遂げていない自分を迎えに来た父に「まだ行くわけにいかない」と言ったことも。 シンクロ公演を見に来て欲しいと頼んだことも。
すべては「お父さんに認めて欲しかったから」なんじゃないかなーと思ったわけです。
公演が成功したら、そうしたらきっと自分は「胸を張れる自分」になれるから。 だから、成功したらお父さんについて行こう。そう思った――いえ、思えるようになったんじゃないかと思うんです。
お父さんに認めて貰える自分になったら。 そうしたら、一緒について行こう。そしてもっといっぱい話をしよう。 結局、13年間父子家庭という環境で育った泳吉くんはお父さんが大好きで、心の何処かでいつも「お父さんとたくさん話がしたい」と思っていたんじゃないでしょうか。
2つのことを同時にやることなんて出来ない不器用な彼のことだから(笑)
だから、そう思った途端、仲間との別離なんて吹き飛んじゃったんじゃないかな。 それに、洋介君が言ったように、彼らは「離れていても友達」だから。 そう自然に信じられるくらい、彼らの間には強い絆が出来たから。
だから彼はNY行きを決意したんだと思います。
……でも、いくら不器用だからって。
告白ぐらいは、ちゃんとしてほしかったな(笑) こんな不器用な彼だけれど、いつかきっと栞ちゃんと再び巡り逢って、そうして「あの日、言えなかった言葉」を。「聞いて欲しかった言葉」を。 今度こそ、ちゃんと言おうね。
泳吉くん。
2004年09月24日(金)
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