冒険記録日誌
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2013年05月19日(日) |
トカゲ王の島(イアン・リビングストン/社会思想社) |
趣味も深まってくると、一般的なメジャー作品を普通に愛するには物足りなくなり、マイナーな良作品を発掘して愛でたりし、そのうち通はこっちの方がいいんだよと言い始めるのは、マニアによくある現象です。 この冒険記録日誌もマイナー作品の紹介が多いので、そんな風にみられているのではないかと、たまにフト思ったりもします。そんなことは全然ないんですけどね。 もし私の好きなゲームブックのマイベストランキングを作れば、やっぱり人気作品が中心になると思います。マイナーでも思い出の作品がまじってるとか、人気作だけど好みでない作品が選外とかあるかもですが、それは誰でもあるでしょうし。
そんな無意味な前ふりを書いた後で、今回紹介するのは久しぶりに有名作品の一つ、「トカゲ王の島」です。 イアン・リビングストンの作品であり、ファイティングファンタジーシリーズ初期の作品にも関わらず、私はこの作品は最近まで遊んだことがありませんでした。 リビングストン作品でも「フリーウェイの戦士」とか「迷宮探検競技」は舞台設定から好きな作品ですが、それらに比べると、この「トカゲ王の島」は中南米の島のジャングルみたいな場所でトカゲ人間達と戦う冒険ものであり、まるでモノクロ映画の冒険活劇をみるかのような地味なものに感じたのです。 試しに少しだけプレイしてみると序盤から避けられない強敵との戦闘で、技術点7のキャラなんかはほぼ瞬殺でしたし。ぶっちゃけ、リビングストン作品はゲームバランス悪いから昔は嫌いだったんだな。
そんな作品を遊ぶ気になったのは、今となっては貴重な未読のファイティングファンタジーシリーズの作品という事に気が付いたからです。 実際にやってみるとこれがおもしろい。 トカゲ王の支配する島に船でのりつけ、ジャングルを探索し、奴隷たちを解放し、指揮官としてトカゲ男のどもの砦を攻め、クライマックスはトカゲ王との一騎打ち、と盛りだくさんの内容もさることながら、リビングストンの作品には珍しく、クリアに必要なアイテムや条件というものが少なく、どの選択肢を選んでも簡単にクリア不可能にならないのがいい。 次に遊ぶときは、今度はどのルートで冒険してみようかと考えることが出来、何度でも遊べます。気になっていた戦闘バランスの方も、技術点10以上で遊ぶものと割り切って考えればちょうどいいといえます。 欲を言えば冒険に最初から同行していたマンゴさんともうちょっと一緒にいたかったな。まぬけなボブコブリンの橋の番人とかは、いかにもリビングストン作品っぽいキャラでいい。ゴンチョンは印象的でファイティングファンタジーでは有名なモンスターだが、エイリアンの映画が元ネタなのだろーか。地味と思って読んだら地味にいろいろ楽しい。 自分がゲームブックに求めていた理想の基本形ともいえる作品だなぁ。 何よりさきほどモノクロ映画の冒険活劇みたいといいましたが、モノクロ映画の面白さがわかるようになった、自分の感性の変化があるのかも。
今じゃゲームブックそのものが、たいがいレトロだろってつっこみがありそうだけど。 次回は最近のゲームブックの感想でも書くかなぁ。
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