ぐっどないとみゅうじっく
もくじきのうつぎの日社会の窓

林矢子ニューアルバム『唄箱』発売中!特集ページはこちら


2003年06月30日(月) 鉛色の空を抜けて

鉛色の空を抜けて 曲がりくねった道を行く
眩しい程の暗がりで 息を切らしているのです
塚本晃『鉛色の空を抜けて』

 ここ最近、踏んだり蹴ったりで日記も書く気持ちになれなかった。それに輪をかけるように、更に今日凹むことひとつ…。何もかも嫌になり、もうひとかたまりもなくなってしまいたいと思ってた。でも、今思うとそれは甘えで、中途半端な気持ちだったのが自分でよくわかる。駄目なら駄目で、とことんまでも墜ちて行けないろくでなしにも、少しだけ光が見えた。まだ、自分には居場所が在る。ここはどこの細道か。


2003年06月27日(金) サァ〜ユイユイ♪

 仕事帰りにRちゃんから電話。「沖縄料理屋に居るんだけど、量がありすぎて食べられない!」とのこと。なので、二つ返事で引き受ける。前にも一度行ったことある『宮城(みやぐすく)』と言う店で、僕ん家から歩いて5分の所。ただ、今回はRちゃんのおばあちゃんの85歳のお祝いで、親戚一同が集まっている中にお邪魔することになった。何だかとても場違いなようだけど、沖縄料理を美味しくご馳走になる。
 それが終わってからはカラオケへ。元々おばあちゃんを初め、ここに集まった人が皆沖縄の人なので、島唄が中心。若い娘も年配の人も皆、歌っている。そして上手い。この当たり前のように根付いている唄の震源は計測不可能。僕もソウルフラワーやブームを切欠に沖縄の唄を知るようになったのだけど、まだまだホンの一部。知らない唄ばかり。「沖縄の唄好きです!」とか言いながらも、歌詞を見ないでソラでちゃんと歌える唄なんてひとつもない。駄目だなぁ…。『安里屋ユンタ』をおばあちゃんと一緒に歌ったのだけど「サァ〜ユイユイ♪」の掛け声が入った時には「本物だぁ〜」と感激してしまった。最後には皆で踊り、手拍子でおばあちゃんの唄で締め。聴いたこともない唄だったけど、とても心に沁みる唄だった。

 帰ってからテレビを点けたら『さんまのまんま』に森山良子と夏川りみが出ていた。どこまでも沖縄な夜。


2003年06月25日(水) あじさいの花がひとつ

あじさいの花がひとつ咲いていました
小雨まじりの梅雨の宵
鉄道線路行ったり来たり
サニーデイ・サービス『あじさい』

 O駅のホームから見える紫陽花がとてもきれい。どしゃ降りの雨の中でも、雨が上がりの晴れた空の下でも。いつもとはちょっと違う格好をした君を写真に閉じ込めて、そのまま家に持って帰りたい。桜の春の宵にもそう思った…。

 夕方から辻恵子個展「KIRIE+EHON」@ギャラリーf分の1へ。今までよりも更に見る人を惹きつけるようになったと作品だった。特に今回は色の使い方がよかったと思う。絵本『かげはどこ』(文:木坂涼、貼り絵:辻恵子)の原画もあり、それもすてきだった。もちろん絵本購入。個展は7/5(土)までやってますので是非!
 ギャラリーで偶然N先生と逢い、少し話す。先生とは言っても、僕の直接が教わったわけではないのだけど。言い忘れたけど先生が何年も前、冗談で言っていたことが今、現実になりました。多分、先生は言ったことも覚えてないと思うけど。

購入音楽もの

■ACO『irony』
■曽我部恵一『瞬間と永遠』
■サニーズ『純情ベイビー』
■Polaris『深呼吸』
■THE ZOOT16『 ZOOT16』
■デミセミクェーバー『GOLDEN ANIMAL HEAD』
■シカラムータ、あぶらだこ、etc『変拍子DE踊ろう!』(DVD)


2003年06月24日(火) 夜よさよなら

 山田太一脚本の『高原へいらっしゃい』(TBS)が夕方から再放送している(出演:田宮二郎、由美かおる、潮哲也、池波志乃、古今亭八朝、前田吟。音楽は小室等とムーンライダース)。昨日、再放送しているのをはじめて知ったのだけど、もう8話目で来週には終わってしまう。八ヶ岳の誰も来ないような高原の小さなホテルを舞台とした物語。そこでホテルの支配人の田宮二郎を始め、経験のない従業員逹がお客を集めるにはどうしたらいいか、ホテルとは何かとぶつかり合いながら話は進んでいく。
 山田太一のドラマは誰かこれと言った人ひとりが主人公ではなく、出演者全員にそれぞれの事情があり、それを少しずつ出していくところが面白い。ちょっとベタでクサいところもあるけれど、そこも好き。何より普通の人が台詞でなく、普通の言葉を普通に話しているようなところに日常のドラマがある。
 7/3(木)の夜から『高原へいらっしゃい』がリメイクでまた放送される(出演:佐藤浩一、西村雅彦、井川遥、菅原文太など)。でも、こっちは観ないかも。


 どーしていつも僕はこうなんだろうなと思う。人が望んでいる言葉を発するのが嫌いなのかもしれない。意地が悪いのだ。もう、夜が明ける。夜よさよなら。もう、ここへは来ないよ。


2003年06月22日(日) 眩暈の季節

 昼間に見た山田太一ドラマの『想い出づくり。』のワンシーン。結婚式当日、森昌子が友人の古手川祐子、田中裕子と共に控え室に閉じこもり結婚をやめると言う。ドアに机や椅子でバリケードを作り、終いにはトイレにこもる。そこで僕は厭ぁ〜なことを思い出した。

 小学校5年。丁度うしろゆびさされ組が流行っていた頃、僕にはUさんと言う好きな女の娘が居た。Uさんは小柄でポニーテールが似合ような娘。たまたま近くの席になり、話すことも多くなった。Uさんは同じ班のFさんという女の娘と交換日記をしていた。2人がそのノートを手渡ししている時に、ちょっとでも覗こうものなら「わーきゃー」と叫びまくった。もちろんノートにはUさんの好きな男子のことが書いてあるだろうし、僕はそれが知りたくて仕方なかった。
 ある掃除の時間、僕は教室で掃除をしていた。誰かがFさんの机を運んでいて、何かの弾みに倒して机の中の物が全部出てしまった。そこで例の交換日記のノートを見つけた僕は、それを見たい!という衝動を押さえられなかった。ノートを開いて見てみると、相合傘のマークがあり、Uさんの隣にはKくんの名前があった。Kくんは勉強も出き、足も速くて、キリっとした眉毛がカッコイイ学級委員もやるような、絵に描いたような優等生。僕は見事フラれたのである…。それでそのままにしておけば良かったものの、「見ちゃったよ〜」と昇降口掃除をしていたUさんにわざわざ言いに行った。フラれたショックか自棄を起こしてなのか、それは今でもよくわからない。
 それからは掃除どころではなく、UさんとFさんは女子トイレに閉じこもり泣き喚きながら「死ぬ〜」とか言っている。それを他の女子たちはドア越しからなだめ、残りの女子から僕は非難を散々受け、呆然としながら「どうしてこんなことしちゃったんだろ…」と只々思っていた。そうなると何故か黙っていないのが小学生男子で「小田っち(僕のあだ名)は悪くない!」とか言い出して、男子vs女子の対立になってしまう。全然関係ない女子やKくんまで泣き出して、僕はあとから事の重大さを感じた。でも「Kくん、おまえはいいじゃないか…好かれてるんだから」と思ったけれど。
 もちろん帰りの会で真っ先につるし上げられて、先生にもこっぴどく叱られた。それが原因で交換日記は僕のクラスでは禁止になった。しばらくの間女子から総スカンを喰らい、もちろんUさんには避けられた。それから僕は女の娘にはやさしくすることを少しだけ覚えた。

 僕の『眩暈の季節』と言う唄があるが、2番で歌っているのはこの時のこと。何となしにこの詞が出てきたのだけど、5年生のあの時のことが強烈に残っていたのだろう。あと1ヶ月もすれば、すぐ眩暈の季節。もう惚けたような夏は厭だな…。


2003年06月20日(金) 鳩尾に食い込んだよくある別れ話

 ロック・イン・ジャパン・フェスに岡村靖幸が出る!先日のエピックレコード設立25周年のイベントにも出る出ると言っていて出なかったのに。今回はちゃんと契約も交わしたようだし、同じように増量した間柄の僕にとっては、岡村ちゃんがその後どんな変貌を遂げているかを見届けたい!でも、タイムスケジュール的に裏がソウルフラワーなのよねぇ。断然、フジロックより観に行きたくなった。さて、どうする!?

 最近夜は、知らない間に寝てしまって、変な時間に起きたり寝たりしている。それもベッドの上で大半を生活しているからなんだけどね。寝心地がいいのも如何なものか…。

 今日はまたひとつ星がきえたような、恋が終わりを遂げたような、そんな大事な1日。


2003年06月18日(水) 野坂昭如ノーリターン〜帰ってきた中年御三家@NHKホール〜

 夕方、数寄屋橋のCD屋で下記のもの購入。\15000出してお釣りが\1000来るはずだったが、何故か\6000来た。そのままスタスタと帰ったら「すませ〜ん」と追いかけられた。世の中そんなに甘くない。

 矢ちゃんと合流後、帰ってきた中年御三家を観にNHKホールへ。矢ちゃんは着物を着てきたんだけど、思っていたよりも更に似合っててびっくり僕も欲しい!?出演:永六輔、野坂昭如、小沢昭一。30年前、武道館をビートルズの次に満員にした3人が帰ってきた。開演ぎりぎりに席に着くと、何と一列目のど真ん中!先行で買ったとは言え席良すぎ。でも、少々見上げる感じ。幕が上がり、司会の中山千夏が『ムーンライトセレナーデ』を歌い出す。そしてバックのドラマーを見て驚き。専門学校時代に楽器を習う授業があったのだけど、その時のドラムの先生だった。その時は知らなかったけど、やはり名うての人だったのね。
 続いて永→野坂→小沢と順番にソロコーナー。永はラジオのアシスタントでもある遠藤素子を同時通訳に迎えて『恋人よ われに帰れ(LOVER COME BACK TO ME)』を歌う。歌と言うよりも遠藤とのコントに近かった。お次は野坂の出番だが実はまだ会場に来ていないと言う。先日、自宅で倒れ今は入院中でステージに立てるかどうか最後まで分からない。急遽、小沢に順番変更。『明日天気になあれ』『シャボン玉』などを歌う。『ハーモニカ・ブルース』では自身でハーモニカを披露。メロディーと和音と同時に音が出る。不思議。話している姿をはじめて見たのだけど、他の2人とも全く違うタイプなのだけど面白い。いたずら好きの子供みたいだ。
 小沢が終わり、ステージには野坂の帽子を持って永が再登場。やはり現段階でも来ていない。「演出かなぁ」と少し思っていたけれど、全くそうではないらしい。永が医者から聞いた内容では、軽い脳卒中でリハビリにまだ1ヶ月は必要だとのこと。本人は来たかったらしいが、周りがそれを許さないのだろう。野坂が以前にリハーサルで歌った曲を会場に流す。スタンドマイクに掛けられた野坂の帽子。本当に死んじゃった人みたいだ。歌ではやはり野坂が一番聴きたかったので残念。でも、何よりも早く治って欲しい。中山千夏が野坂に扮して3人で『やまと寿歌』を歌い、1部終了。

 会場を見渡せば芸能人がわんさか。黒柳徹子、松島トモ子、筑紫哲也、和田誠夫妻、吉行和子、冨士真奈美、松尾貴史など。さすがこの御三家ともなると客層も違う。
 2部にゲストで小林亜星登場。しかし野坂が来ないとなると、会場もどうもいまいち盛り上がりきれない様子。僕ももちろんそう。アンコールで客席に来ていた芸能人もステージに上げ全員で『黒の舟歌』を歌う。でも、やはりどこか寂しい。大笑いして帰るはずだったのに。「あっ、野坂だ!」と舞台の袖を見ながら小沢が言うが「嘘だよ〜ん」と。永もいつも野坂塾で見るような、悪態を付き合いつつ野坂と話している姿とはまるで違う。野坂の大きさをつくづく感じた夜だった。3人とも充分過ぎるほど御高齢。果たして次に御三家が集まる日はあるのだろうか…。

 帰宅後、レッド・ツェッペリンDVDを観る。ジミー・ペイジかっけ〜!ボンゾのドラムソロに降参。これで21歳とは恐るべし。このバンドは奇跡としか形容できません。

購入音楽もの

■シアターブルック『THEATRE BROOK』
■曽我部恵一『White Tipi』
■椎名林檎『賣笑エクスタシー』
■レッド・ツェッペリン『LED ZEPPELIN DVD』


2003年06月17日(火) 遠い避難所

 夕べの林矢子@初台TheDOORSにお越し下すった皆様、ありがとうございました。序盤は自分自身堅いな、と思っていたけど、となりの林矢子を見たら気持ちよさそうに歌っているので、僕もつられました。それからは本当、楽しかったな。次回、7/25池ノ上ボブテイルでまた一緒にやります。

 PE'Z『花咲クDONBLAGO!』を聴いている。スカパラよりポップでなく、渋さ知らズよりも下品でなく、街の片隅で演奏していそうないつものPE'Z節がある。音以外の感想を言えば、どいつもこいつもCCCDになりやがって…と思う。キリンジの新しいシングルはCD-EXTRA仕様でCCCDを回避。フォトギャラリー、レコーディング風景等の映像を収録。この兄弟の顔を見たいかどうかは別にして(笑)、真摯な姿勢だと思う。何もコメントなしにCCCDで出すアーティストにはがっくりきてしまう。何かが違う何かが。

 今んところ僕の家は遠い避難所。その内、住まいになればいい。君の暗闇を僕は残らず平らげる。


2003年06月15日(日) ぶちっ…

 昨日仕事でノートパソコン3台を袋に入れて新橋から秋葉原まで移動したのだけど、新橋のホームに着いた途端、「ぶちっ」と1つの袋の紐が切れやがった。1台の重さはそうでもないのだけど、3台となるとそれなりに重い。それ以上にかさばる。仕方がないので、1つを肩に担ぎ残り2つをそのまま持っていったら、今度は秋葉原のホームでまた「ぶちっ」と…。切れた紐と紐を結び、よろよろと運んでいたら、チラシ配りのお姉ちゃんが「よろしくおねがいしまぁ〜すぅ」と渡しきた。僕がまず受け取れない態勢なのを知っててのこと。しかも、半笑い。今度は「ぶちっ!」と僕がキレて「ワレ、なめとんのかぁ!ゴルァ〜!?」とパソコン3台をお姉ちゃんにぶつけてやりたかったが、弁償したくなかったのでやめにした。やさしく睨んでその場を通り過ぎる。帰りに別なところで自転車に乗っている人に渡そうとしているバカも居た。そんな奴は轢いてしまいなさい!結局、30分で行けるところを1時間以上もかかってしまった。おかげで今日は筋肉痛。明日、ちゃんと弾けるかしらん。
 そんなこんなで明日は林矢子初台TheDOORSです。出演時間は2番目、20:00頃です。是非是非お越し下さいませ!


妹のニュージーランド土産『巨泉ボールペン』。巨泉ちゅうより西川きよし?


2003年06月14日(土) ドォラえもぉ〜ん!

 ドラえもんの声色を真似る人は多く居るけれど、のび太の特徴をつかんで真似出来る人は余り居ない。しかも、ドラえもん⇒のび太⇒ジャイアンと移り変わり、効果音付きでやってくれたのが林矢子。のび太がドラえもんに「ドォラえもぉ〜ん!」と道具をせがむ時の、あのあわただしい感じが何とも上手い。
 本当に唄の上手い人は圧倒的に耳がいい。自分が出している声はもちろん、あらゆる音と言う音を聞き分けられる耳を持っている。それが何でもない物真似でも、ちょっとした特徴をつかむことが出来る。実際に、視覚的に似ているものより、聴覚的に似ている方が脳に響く。夕べはそんなことを感じたリハでした…ってどんなリハやねん!?

 それとは別に、彼女がどうしてこんなにも切ない唄を歌うのかと考える。それは1つの唄の中だけで本当に恋がはじまり、恋が終わるからではないかと。だから1曲の中で彼女の一生を見ているようで、聴く者の心をつかんで離さない。
 そんな物真似王者彼女のライブが来週月曜にあります↓。僕は子宮に届くようなベースを弾くつもりです。ご来場お待ちしています。

 しかし今日は蒸し暑い1日だった。こんなに晴れるんなら洗濯物乾しときゃあ良かったわぁと主婦心。

林矢子ライブ(ベースで参加)
6月16日(月)@初台TheDOORS
W/ソラリズム
出演時間は2番目、20:00ごろです。


2003年06月12日(木) スローなブギにしてくれ

 1日中ぼーっとしていた。色んなことを宙ぶらりんにしたまま。言いたいことは山ほどあるのに、筆が思うように進まない。いや、言いたいことなんて何処にもないんだ。本当はただ、生きていてくれればいい。

 『スローなブギにしてくれ』(81年角川書店)を見ている。古尾谷雅人、室田日出男と今では見られない顔。レイプされた浅野温子に彼氏の古尾谷が「殺されても抵抗するべきだった」と。守って死んで何が残る?男はいつでも勝手だなぁ。もちろんその後、古尾谷はその犯人を探しだしてボッコボコにするんだけれど。

 いよいよテレビがやばい。勝手に点いたり消えたりが激しくなってきた。霊とかではまったくなく。僕は怖がりの霊感ゼロの男。


林矢子ライブ(ベースで参加)
6月16日(月)@初台TheDOORS
W/ソラリズム
出演時間は2番目、20:00ごろです。


2003年06月09日(月) くちなしの花をふたつ

くちなしの花をふたつ君にあげよう
愛している 心から愛しい人
どうか枯らさないで
この花はふたりの心だから

くちなしの花をあげよう
くちづけの温もりをこめて僕から君へ
他の誰かの腕に抱かれたのでは
かなわぬ熱いくちづけ

彼らも僕のように君の傍で甘くささやくだろう
そして君は信じるだろう
その愛の言葉を
でももしある夜 くちなしの花が枯れてたなら
それは花の嘆き
君が僕を裏切って他の誰かを
愛してしまったから

ドス・ガルデニアス(くちなしの花をふたつ)/ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブより


 すてきな唄を紡ぎたい。君が居なくなったら最高の詩がいくらでも書けそうな気がする。夜毎、夢遊病のように同じような詩を書き続けるだろう。でも、僕はそんな唄を紡ぎたくない。君の傍に居ながら、すてきな唄を紡ごうと思うのは欲張りなのだろうか。


林矢子ライブ(ベースで参加)
6/16(月)初台TheDOORS
W/ソラリズム


2003年06月08日(日) 奇跡は誰にでも一度おきる

だが、おきたことには誰も気がつかない

 『わたしは真悟』(楳図かずお1982年)を読んでいる。以前、マンガ喫茶で読んだのだけど、衝撃が忘れられずにいた。ハイポジもこのマンガに影響されて『4n5』と言うアルバムが1枚出来てしまうくらい。簡単に言ってしまえば、子供、奇跡、愛がテーマの物語。でも、これを読んで感想を書くよりも、僕の場合はやはり音楽で何かを形にしたい。その多くの衝動を生むものは、生半可なものじゃいけない。やっぱり、つきぬけていないと。毎回のトビラ絵もたまらない。しかし、後半途切れてしまったのが疑問。僕の奇跡はもう、起きたのか。それとも、これからなのだろうか?



 夜に祖母の誕生日のお祝いに赤羽でご飯。回る寿司。でもなかなかのお味。そして帰って来て気が付いたのだけど、さっきあったはずのものがない…。僕の家のインターフォンの所に「ベッカム」と書いた表札(和田ラヂヲマンガからの切りぬき)が貼ってあったのだけど、それが見事に無くなっているのだ!誰だ盗んだ奴は?…と、思ったけれどそれほど大騒ぎするものでもないかぁ…とか言いつつも、玄関の辺りを探す僕は今年で29歳。もし見付かったら、奇跡?でも、こんなことに使いたくないよう。

 椎名林檎のチケット購入、すっかり忘れた!元ちとせの先行予約も!!最近いくつかテレビで観たけど、元さん、お化粧ちょっと濃いですね…。すっぴんでもきれいな人はそのままの方がいいのに。


2003年06月06日(金) 昇天!商店!衝天!

 水曜は昼前から林矢子リハ。ベースを弾きながら、身体と歌だけの関係について考えていたので、時々とちる。でも、いいリハだった。
 午後から浅草の履物屋さん、長谷川商店へ。付き添いとか言いつつも僕も買う気満々。ここは履物問屋だけど小売もしてくれて、値段も通常、店で買うよりかかなりお買い得。鼻緒も自分で好きなのを選んで付けてもらえる。草履を買おうとしたのだけど、ちょっと予算オーバーで断念。下駄に変更。細道トップの下駄ももうぼろぼろだし。色々迷って、選んだ鼻緒を持っていったら、その鼻緒はバラ売りしていなとのこと…。女物は種類も色も豊富だけど、男物は圧倒的に種類が少ないのにぃ!単品売りが出来る数少ない中から、渋めの茶色の鼻緒を選び、その場で付けてもらう(こんな感じ↓)。出来上がった下駄はこれ。今度はお金ためて、草履を買いに来ようっと。
 神谷バーで遅めの昼食のち、仲見世を通り浅草寺へ。矢ちゃんはあげ焼きまんじゅうを食べてたけど、ちっとも羨ましくない。だって餡子嫌いだもの。この日はずっと雨だったけど、晴れてたら花やしきでも行きたかったなあ。矢ちゃんに「浅草生まれのくせに全然知らない」って言われたけど、だって1歳くらいまでしか居なかったもん!どうせ僕は浅草生まれヒップホップ柏育ち。「佐賀県」のはなわも埼玉生まれだし。あっ、でも柏もよく知らねぇんだ…。ごめん。


自分の為にやってくれている姿を見ていると嬉しい。しもべ達よ(嘘)


 夕べはイースタンユース(坂本商店)@赤坂ブリッツ。耳をつんざくようなギター。空を破ってしまいそうな声。1時間半ほどの短いライブの中にも、彼らの生き方そのものを見た。月並みだけど、明日からも生きていこうと思った。それと明日もいい日でありますように、と。
 僕は君が生まれ、今も生きているってことにどれだけ助けられているかわからない?

 今朝は歯磨き粉で顔を洗おうとしてしまった。手に取ってから気付く。仕方がないので口に入れた。


林矢子ライブ(ベースで参加)
6/16(月)初台TheDOORS
W/ソラリズム


2003年06月03日(火) 堤防と光

 夜にブリヂストン美術館のレオン・スピリアールト展を観に行く。実は昨日も行ったのだけど、休館日でした。普段、ろくすっぽ絵なんか観に行かないから、美術館はだいたい月曜休みなのを知らなかった。でも、まぁ下見と言うことで…。
 彼に付いては先日知ったばかりなのだけど、一瞬で恋に落ちた。ひとめぼれだった。作品は主に色鉛筆、、色チョーク、水彩、パステルなどで描かれる。初期の頃の自画像はどれも暗いトーンで描かれていた。丁度、失恋をした頃の作品だと言う。「僕は彼女以外を愛することはこれからは絶対ないでしょう」と何処かで聞いたことのある言葉(僕も言った事がある)。自画像とは死と向き合いながら描くもの。果たして僕の文章や唄でそれを表現できていたものがあっただろうかと、考えさせられる。
 主に防波堤や海辺を描いた風景画がどれもすばらしく、この時期の作品が一番好き。中でも『堤防と光』と言うのがお気に入り。しかしこの後、結婚を機に作品は終焉へと向かっていく。結婚とは得る代わりに失くすものも避けられないのだろうか。特に表現する者にとっては。反対に人物だけを描いたものにはぐっとこなかった。他に『夜』『少女と犬』『めまい(↓左)』などお気に入り。特に『めまい』は近くで観るのと離れてみるのとでは印象が随分違うのに驚いた。少し離れて観る方が圧倒的にすばらしい。
 入り口付近の他の展示での藤田嗣治の作品もよかった。名前に「嗣」を使っているからではないよ。

 帰り道、どうしてもカーペンターズの『Goodbye To Love』が無性に聴きたくなった。間奏のファズのギターソロがたまらない。これは最初、リチャード(兄)が案を出した時に、周りから猛反対を食らったらしいんだけど、やってみたら良かったと言う。夜はまた例のごとく寝てしまって、明け方これを書いているのだけど、起きた時浮かんだ曲が『3年目の浮気』。どう言う繋がりなんなんでしょう、これ?


『めまい』と『堤防の夕べ』


2003年06月01日(日) 斜陽〜マーガレット・ズロース『藪こぎ』@新宿JAM〜

 昼間に『12人の優しい日本人』(91年中原俊監督)を観る。原作は三谷幸喜の舞台劇。以前観たはずなのだけど、細かいやり取りを全然覚えてなかったので丁度いい。忘れやすい頭万歳!!日本に陪審員制度が導入されたら、と言う仮定の話なんだけど、実際にそうなるかも知れないと、先日『TVタックル』でやっていた。
 12人のやり取りが何とも絶妙に絡み合い議論をしていく。普段は理論的に全く話せない人が、ふと発した一言で無罪や有罪が幾らでも反転する。「もっと話さなきゃいけないんですよ!」としきりに言っていた人のことは最後まで好きになれなかったけど、結局この言葉が最後まで話し合いを繋ぎ止めたのだろう。僕も言い合いやケンカになり、相手が話そうとしないとよくこの言葉を言うけれど「話し合えって言う割には、話すのは消極的なんだよね」と言う台詞にはグサっと来た…。確かにそう言う所があるかもしれない。

 夜からマーガレット・ズロース『藪こぎ』@新宿JAM。ゲストに友部正人。最初にズロースをバックに友部さんが歌いはじめる。でも、どの曲もリハ不足なのかまとまりがない。友部さんも歌詞を忘れて、同じ曲を2度程やり直す。バックの音が横一線に並んでいると言うか、どの楽器も主張しすぎていて肝心の唄が聴こえてこなかった。最後に弾き語りでやった『にせブルース』。友部さんの唄にはめずらしく、暗く重い。ゆっくりと暗闇の中、階段を降りて行くようなすてきな唄だった。
 休憩をはさみ、ズロース再登場。しかしバランスの悪さと、まとまりのなさの印象を拭えない。それでも本編最後に演奏さえた『斜陽』は本当に凄まじかった。バランス云々ではなく、唄が心の隅まで届いた。アンコールでは友部さん訳詞によるボブ・ディランの『ライク・ア・ローリング・ストーン』を全員で演奏。本当に楽しそうだった。でも、この組み合わせをもう一回みたいとはちょっと思えない複雑な気持ちを持ったライブだった。
 会場で購入した『今夜のライブの話をしよう/斜陽』を今聴いている。う〜ん『斜陽』、やっぱり好きだ。

 金曜日のゆら帝のライブレポ書きました。よろしければご覧ください。でも、ここを読んでくれている人で彼らを好きな人はいるのかしら…?

購入CD

■マーガレット・ズロース『今夜のライブの話をしよう/斜陽』、『夜空/おんなの中におとこがひとり』


臨月 エイジ |お便り気付かない細道へ向かえ旧ぐっどないみゅうじっく

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