「オレの友達の爺ちゃんて、若い頃、平安時代にタイムスリップしたんだって。」
「すごいねーー!! ちゃんと戻れたの?」
「うん、だから人に話できたし、今の時代に子孫を残せたんだろ。」
「ああそうか〜。」
「でさ、その爺さんて向うの時代で何をしてたと思う?」
「案外、歴史上の人物だったりして。」
「歴史には残らなかったよ、あんなこと学校で習わなかったし。」
「あんなことって、どんなこと?」
「それがさ、大工の腕を活かして、スケボ−こしらえて流行らせたんだって。」
「すけぼお???」
「平安京の朱雀大路で、バサラな兄ちゃん達がスイスイやってたらしい。」
「でもさー、何の文献にも載っていないんでしょ?」
「木だから腐っちゃうし、残りにくいんじゃない?」
「いま気になったんだけど、爺さんが若い頃って、スケボーまだ無いだろぅ!」
「まあね、、、その前、現代にも来てたんだろ。」
「だったら、スキーとかスノボとかサーフィンとかも造ればよかったのにな。」
「う〜ん、どうだろう? まったりした時代には・・・・」
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「こないだの話、覚えてる?」
「あれ? タイムトラベル爺さんの?」
「こないだ聞いたんだけど、もっと凄いとこ行ったんだってよ!」
「どこどこ??」
「なんと、100年後!」
「ってことは、100年後も世界は存在してるんだね・・・」
「うん! で、どんなだったと思う?」
「マッドマクスみたいかなぁ〜。」
「なんと・・・・人類は、」
「人類は??」
「ケイタイに支配されていたそうだーー!」
「へ? け・い・た・い???」
「といっても今のなんかより、ず〜〜っと進化していて人工頭脳搭載!」
「でもさ、支配するからには、それなりの武力がないと・・・」
「あれって一種の依存物だろ?」
「うん、オレ無いと死んじゃう〜!」
「そこでケイタイ様は考えた。。。言う事きかんとあっちこっちに、イタメール
するぞ〜、とか。」
「ポスペも、たまーに似たような事する。」
「あれはカワイイもんさ。」
「カワイイよ。」
「ケイタイ様は、もっと悪質で巧妙なの。」
「たとえばどんなの?」
「・・・・彼女に〈もうあきた〉とか、会社の上司に〈禿げばらすぞ〜〉とか。」
「こわいなあ・・・社会的立場も危ういねー!」
「それでも手放せないくらい依存してるから、なんでも言う事聞かないと・・・」
「どんな事を命令されるんだろう?」
「むやみに自然破壊するな、公共マナー守れ、隣人を愛せなどなど・・・」
「な〜〜んだそれ! 好い事ばかりじゃん!」
「その爺さんが言うには、人類の諸業を改めた末に、
明るい未来が待っている…というのは幻想なんだって。」
「・・・・・んで?」
「みんな、生きる屍みたくボケラーっと暮してたんだってさ。」
「必要悪ってやつかね?」
「人間はもともと、平和で快適な世界には適さない生き物なんじゃないの?」
「・・・・・まさに地球のガン!!」
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