夢中夜
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***この間は夢***ほかは現実です、たぶん。


2004年11月30日(火) 安心毛布

持って行くだけの文庫(私)
持って帰るだけの仕事(弟)

甘えと一緒にバッグに入れて
ただ持っている


2004年11月29日(月) 秋色イ長調

窓辺の街路樹の銀杏
色とりどりに舞う蝶々


2004年11月28日(日) 封筒

不定形だし
料金は不足

重い手紙と
届かない思い


2004年11月27日(土) A本さんが来た

グラタン、ピザetcを作って食べました。
私が目分量で作るグラタンはおいしいけど、煮物は下手だと評されました。

どちらかの性別が逆転してたらなぁと思うこともあるけど
それだったら仲良くできなかったのかなー。


2004年11月26日(金) みだれ髪(与謝野晶子)

やは肌のあつき血汐にふれも見で
さびしからずや道を説く君


2004年11月25日(木) 夜-透明な混沌(岡本太郎)

黒々とした闇のなかに、忽然と、身体中から触覚がのびはじめる。
無限に向って。
その一つ一つに眼が光っている。
空高く、星は清らかだ。
そのまたたきと己の息づかいがこたえあう。
この無限に透明な世界は、それ故に混沌なのだ。


2004年11月24日(水) アムールトラ

鬱屈は檻の中を満たして
唸り声が空洞の体内に轟く


2004年11月23日(火) 睡蓮と星座

美しいものを見た
水に浮く睡蓮
空に咲く星座


2004年11月22日(月) 外車

***
A本さんと外車に乗って
ものすごい飛ばして
富士山まで行って
まずい食堂で一緒にご飯を食べた
***


2004年11月20日(土) baby

よちよち歩いて
ふわふわしていて
さらさらを好んで
まっしろい服
ぽかぽかの体
 小さくてやさしい絵本を見て、想像した。

ドカドカ歩いて
ガンガンぶつかって
ガサガサを好んで
まっくろい服
ひえひえな手足
 巨きくてアグレッシヴな、実際だった。


2004年11月19日(金) 海と階段

***
穴とも窓ともつかない隙間から海を見た。
海は翡翠の色をしてる。温泉みたいに濁っている。

海へづづく外階段を見つけた。サンゴの色と質感を持った石段。
海中まで伸びていて、どこへも行けそうもなかった。
***


2004年11月18日(木) 黒い美術館

***

洞窟のような建築物があります。
洞窟なのか、建築なのか、分かりません。

中に入ると、鍾乳洞と美術館が合体したような感じです。
鍾乳洞なのか、美術館なのか、分かりません。

壁は結露していませんが、岩でできているので、がたがたしています。
計算されたようなふぞろいで、天然のものか人工のものか分かりません。

岩の間には、暖色系の照明が暗く調光されています。
黒い絨毯が敷かれてあって、湿度は快適に保たれています。
そういう暗い「部屋」がたくさんあります。

土色のオブジェがあるのですが、拷問の道具みたいな形をしています。
絵画は、見る角度によって絵の視点も変化します。
作品の間隔は狭く、乱立しています。

小さい虫がスウォームしています。
不吉な音楽が響いています。

***


2004年11月17日(水) カタログ

***
分厚いカタログは、上質の紙でできていた。
ひらくと、ところどころに楽譜が書いてあった。
どんなメロディーなのか分からなかった。

カタログには劇場の写真が載っていた。
不動明王みたいなのがぎっしり詰まっている劇場。
ダンテの神曲みたいな彫刻で満たされてる劇場。

じっと見ているとゆっくりと動き出した。
写真の枠の中で。
***


2004年11月14日(日) 中毒

いつも探し求めている。
そんなに愛しているわけじゃないのに。

活字とチョコレートから脱却できない私は
ニコチンとアルコールを好んでいる人に何もいえない。


2004年11月13日(土) きょうき

耳を突き刺す見えない凶器
静寂のなかの大きな狂気


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きみの星はやみの夜に輝いている
(Carl Hilty)
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