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悲しみの役割
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2002年11月05日(火) バレる嘘はつかないで。

颯は・・・嫁さんとはHしないと言っていた。
なぜかそんな事をいつも言っていた。
「実衣じゃないとダメだから。
だから嫁さんとは絶対しないよ?」って・・。

私はそんなの無理だってわかってるから
せめてきちんと避妊だけしてね?って頼んでた。
子供は二人いて、三人目は作らないって聞いてたから。

けど、颯は「絶対しないよ!」って言ってた。

それがまさかの妊娠。
してないって嘘をつかれていたのもショックだった。

私とつきあってやったのはそれ一回。
その一回も中で出した訳じゃないと言われたけど
もう何を言われても信じられなかった。

夫婦だし、別に仕方ない・・・というか
当たり前の行為だと思う。

〜じゃあ絶対しない!なんて嘘なんでついたの?
バレる嘘はつかないで!〜

やっと言えたのはその言葉だった。

「まだハッキリわかった訳じゃないけど・・・」

「そうなの?」

「でも・・・もう嘘はつきたくないから実衣と別れたい。
ごめん。愛してるって気持ちに嘘はなかった。
本当にこの手で幸せにしてあげたかった。
だけど、もうできない。だからごめん。」

彼に『ごめん』と言われるたび自分がみじめで・・・
すごくみじめで、泣けてきた。

でも、私は彼の言葉に『うん』と答えることが
できなかった。






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私もその事をずっと悩んでいた。




2002年11月04日(月) 裏切りと苦しみと

颯はもう別れを決めていた。
理由は私の言った一言・・・と言っていたけど違うと思った。
きっと奥さんと話して、それで別れを決めたんだと思った。
別れるきっかけが欲しかったんだと。

颯は泣きながら言った。

「子供が泣くんだ。パパどこにもいかないでって
もっと一緒に遊んでって・・・
俺は今まで自分の事だけしか考えてなかったんだって
すごく家族に申し訳なくなって
もうダメだよ、実衣とは続けられない」

なんで?どうして?
急に・・・自分で奥さんにバラしてそれで私を捨てるの?
何なの?それは?
頭の中がパニックになってる・・・
どうしたらいいかわかんなくなってる。

続けて颯は言った

「嫁さん『こんな体じゃなかったら、すぐに離婚して
子供達とやっていくのに』って言ったんだ」

何?何言ってるの?意味わかんない・・・
頭の中が?だらけになってる。






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頭の中が真っ白になった。


2002年11月03日(日) 突然の別れ

次の日、彼と携帯メールで話ししていた。
詳しい内容は別れた時に消してしまって覚えていない。

けど、今まで迎えに行くよ、大丈夫だよと言っていた彼とは
少し変わってしまっていた。






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冗談で言ったつもりだった。
不安だったから彼の気持ちを確かめたかったのもあるけど・・・
この言葉で彼は本当に変わってしまった。

『ごめん・・・俺もうダメだ。今まで頑張ってきたよね?
もういいよね。愛してる気持ちに変わりはないけど
今の一言で、もう耐えられなくなった』

その日の夜中私達は会って話しをする事になった。


2002年11月02日(土) 何回目?

颯と何回目の別れ話をしただろう・・・。

その度に別れられずにそのままズルズルと。
私は不倫否定者だった。
理由は結婚する前から不倫している友達が
周りにいたからだった。

まだ10代の頃。
不倫している友人同士の間に入って泣かされたこと。
20代の時。
W不倫で駆け落ちして逃げてきた友達を家に呼んだ事もあった。
そのたびに思った。
どうして自分の家族を不幸にするの?
子供達が可哀想だって・・・。
つきあうなら離婚して堂々としたらいいじゃん。

まだ人を愛する事を知らない子供だったんだなって思う。
そうしたいと思ってもできない事があるなんて思ってなかった。
頑張ればどうにかなるんだって思ってた。
結婚ってそんな甘いものじゃないと知った今は
不倫をしてしまう気持ちがよくわかる。

苦しんでるのがわかる。
悪いことをしているのもわかってるけど・・・。


実衣 |MAIL

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