箱の日記
DiaryINDEXpastwill


2005年10月28日(金) 柘榴 その後




今年のザクロは
やはりというか
やはり、大きい
きっと背伸びしても届かないあたりより上

点々と赤々とぶら下がっている
すでに落ちてしまったものは
乗用車やトラックの車輪に、幾度も潰され
湿り気のないアスファルトに張り付いている
未だ落ちる前の赤い実も
鳥が突くには皮質が硬く、
あるいは鳥は知っているのか、
自分らには酸味がすぎることを

どれか落ちはしないかと見つめたが

そういう場面というのは
ほかにすべきことをぜんぶ放りだして
じっと待ち続けなければ
見られない
ものだ
もんだ
落ちたばかりのものを初めて
車輪が通過していくときの




鳥たちは振り向くだろうか



 


箱 |MailPhotoMy追加