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「 一番特大のにしとけよっ 」 そう「ニヤリ」と笑うから 「ねぇねぇ特大ってあれ ? あの看板のカニのことでしょ ? 」 そんな風に笑いあったのは ついさっきのことなのに くるぐると廻りだすかのような 長いくねくねとした真っ暗な坂道で すぅすぅと寝息を立てながら 気がつけば眠ってしまっていた そういえば 去年の夏に「箱根に行こうね」と 約束をしてたのにドタキャンしたけど なんだか箱根の あのイロハ坂みたい なんて目を覚ませば もう高速道路で風景はビルが並んでいる これもまた ついさっきのことのようなのに もう2週間も前の話に なってしまうんだから こんなに仲良しなのに 喧嘩を仕掛けてしまうペースは速く 悩んでいないようで 相当悩んでたりする なんでこんなにイライラするんだろう ? って わかってそうなのに わかってない 自分のことなのに分かれてない 周りは「そんなことしちゃダメだよ」 「殴ったりしちゃダメだよ」 なんて言うし 私だって出来れば殴りたくないわけで 最近ちょっとマシになった「つもり」ではいるけど 可笑しいけれど 悩んでる私に 「殴るな!怒るな なんては言わないけどさ まずは「過去の事は言わない」これだよね いい? 過去は変えられないものなんだから 言っても変えられない だから言わないし その前に思い返さない まずはそこからしてみようよ」 確かに頷けたし これなら実行できそう なんだかんだで私と長年 生活をしている旦のアドバイスは いつだって私を助けてくれる ふとした誰にだって言えるような 言葉なんだけども こんな時私は 「旦那がね 二人いないとダメなの だから カレと別れたとしても私は また男が自然に隣にいて 気がつけば同時進行してる 私はそうであって私なんだって 最近ようやく気がついたの」 少しの罪悪感が「私にも少しはあるんだよ」と ちょっとは言ってるつもりで 言えてない言葉でしめる 旦は「俺はいつだってにゃんこちゃんの見方だからね 困った事があったら何でも言っていいからね」 そう理解してくれる いつか言われた 「あなたは第一印象良くて 次の印象が悪い ストレートに物を言うから だけどあなたのことをよく知る人ほど あなたのことが大好きなのね! それはあなたが本当は温かい人 あったか〜いのっ! あなたはそうは思ってないでしょう? あなた本当は優しいのよ」 この言葉 本当に優しい人が 何も悪くもない善人を 殴ったり罵ったりなんてしないだろう だけど 確かに私は 私をよく知る人にこそ好かれるし 好印象だったりもする よく知る人には「素」の自分を見せまくっているのに なんとも不思議 カレが「今度は温泉旅行へ行きたい」と言った 私は「いーや!」って断った だって・・・・・ 「温泉なんて行ったってツマンナイッて そう言ってたの自分じゃん」って 前の女と行ったから 「私を連れてってあげないと バツが悪いと思ってるんでしょ」 って カレはカレで 「 今までツマンナイと思ってたけど この前一緒にお風呂入ってくれて 凄く嬉しくて 」 今度は一緒に温泉に「浸かりたい」と思ったそうだ 旅行が嫌なんじゃないけど・・・・・なんか ああゆう雰囲気って気恥ずかしいし きっと疲れにいくもんだと思う 安くて汚いとこ泊まりたくないし オマケに行くなら平日がいいし 「いやだいやだ」を繰り返し言ってたら 最終的には敬語でお願いされて 土下座までされそうな勢いになった カレが私にお願いする時は いつも必死になってる カレはこんな私と一緒に居て 疲れないのかな 「ねぇ 私と一緒にいて 疲れない ?」って言ったら カレが嬉しそうに抱きついて 首筋に顔を埋め 「 このね にゃんこの匂いが大好き にゃんこの匂いってあったかいんだ〜 いつだって癒してくれる 」 「なんの匂い?」って聞かれても 「だからにゃんこの匂いなんだよ(笑」って言うから 「ワケわかんない 卵焼きの匂い?」 って言ったら「なんだよそれ それのがわけわかんねー」って おもっいっきり笑われた 私の事を「あったかい」と感じてくれるのは きっと私の傍で 私を包み込んでくれている 周りのみんなが「あったかい」から 「無駄にしちゃ勿体無いよね」 「 へ ? 何が ? 」と言った 今日も低温である筈の カレの体温が こんなにも温かくて |
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