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歯痕
2007年11月17日(土)




一体いつまで愛し合うんだろう 

同じように

いつまで続くんだろう ? とも思う



愛し合った後にキスしながら抱き合って
彼のひじ枕と呼べるもので

話を始めて少し経つと
数分後に向き合う

カレが見つめながら「どうしてこんなに愛くるしいの ?」

と言った

私は「あいくるしいって この愛苦しい ?」

と首をしめながら
しかめっ面をして笑った



ふとカレの腕を見ると何かの痕があった

古傷のような・・・・何かの痕

よく見たら私の歯型がクッキリ

私の跡

BCGの痕のようになってる



今年の初めか4月ごろ

喧嘩の時に血が滲み出る程 噛み付いた


あの頃は本当にひどかった

自分で自分がコントロールできなくて
もう「どうしようか」と参ってた


どんなに「やめろ」と噛まれて痛く
離そうとするカレの手が痛くても

絶対離してやるもんか ! と

苦手であるカレの血の味を知った


なんだか痛々しくもあるけど

点々で繋がれたリングが

とても愛おしい


クッキリと残ってるんだけど

この歯形は私の歯にしか
一致しないもので

他の誰のものでもない

もし私と別れてもこの「はあと」は
カレの腕に皮膚に残ってゆくのかな

この先もずっとずっと

そこに隣に私が
いなくなってしまったとしても・・・・・?

そう思うから愛おしい




昨日も喧嘩した

電話から始まった

原因は些細なことだった

いつも怒るのは私で原因を作るのもまた私で

いつも些細なことなんだ

「チュウ」をして寝たものの

お互いしっくりしないまま
朝を迎えたもんだから

朝のメールは来ても
カレの機嫌の悪そうな声に嫌気がさして

「なに ? まだ機嫌悪いの ? 」と聞いたら「少し」

というので


「もう今日は朝ごはんいらない」と

すぐさまボタンを押した

すぐに着信があったけど無視

次に


「 今日の朝ごはんは 新しいのを一つずつ買おうとしたけど
  売り切れだったよ ごめんね でもバターロールなくなってないみたい
  こちらは相変わらず売り切れなんだけど

  朝から昨日の夜みたいな寒さだから
  カイロと暖房と加湿器つけて寝たほうがいいと思うよ
  急に寒くなったから 風邪に気をつけてね いつも通り
  大好きなにゃんこと晩御飯を一緒に食べたいから
  食べたいものができたら教えてね(はぁと)

  では行ってきます にゃんこはおやすみさない チュッ(はぁと)」

こんなメールが着て


内心「えっ・・・・


さっき機嫌悪いって言われて
それで私が無視して電話切ったのに

なにこのメール ?

こうゆう時って

さっきはごめんねとか
何か一言いれてもいいんじゃないの ?」


ご飯は玄関前に置いておいてくれた

オートロックだし開けなかったから
開くまで随分待ったんだろうね



「朝ごはんはいらないっていったけど

 お腹すいたら後で食べる

 それより機嫌悪いんでしょ ? 楽しく会えないから晩御飯なしね」


こう寝る前にメール


起きたらなんと午後7時で

カレからのメールと電話に起こされた


「お使いはある ?」って聞いてくれたのに

「なに ? もう機嫌はいいの ?」


なんて意地悪してしまう

そして意地悪はこれで終わらずに

夜中まで続く・・・・・

「寿司食べたいけどまだ眠い」

「寒いから焼肉いきたくない タクシーでもヤダ」

「あっ もう外出たくないから 部屋から出たくない」

「甘栗はその場で剝いてくれないと もう食べない」


こんな感じで繰り返し

挙句の果てに「羽毛布団部屋にあると邪魔くさいから

悪いけどそっち置いといて発送しといてくれる ?」


なんて

クイーンでかなり大きいのに お願いしてる


あぁ なんて意地が悪いんだろう 自分でも思う


そんなこんなで結局会うのが1時になってしまって
持ち帰りで買ってきて貰った寿司を一緒に食べる

ニコニコしてあげると
カレの機嫌も直ってくる

お土産の甘栗の皮を剝いてもらって
ポイポイと食べさせてくれる

「マズイのあったら オレに頂戴

 にゃんこはおいしいのだけ食べなよっ」

皮剝きように爪が入ってたけど
カレの爪で「バキバキ」と
簡単に割れ目を入れていく


こうゆう時 男の人なんだな って 思う


愛し合ったあとに腕を見たら

まだ歯跡が残っていた

何年か経ったら消えてしまうのかな


消したい過去だから
すんなりと消えて欲しくもあるけど・・・・・と

赤ん坊の時につけられるBCGの痕が
何十年と経ってもうっすらと残ってる人もいれば

消えてしまう人もいる

たいてい腕の似たような部分だと「BCG」だと
勝手に認識するように


今度は肩に噛み付いてみた

腕は見えづらいし
よく見ないと何の痕なのかは解からないけど
肩ならその何かがわかるような気がしたから

でも肩は噛みづらくて
鎖骨に当たっちゃいそうだった

お返しにと「こちょこちょ」をされて
抱き合いながら二人で「ケラケラ」と

笑い合った午前4時頃



閉ざされる風景
2007年11月06日(火)




ポスティングされたチラシを見て

夜だというのに

窓から広がる風景を見渡せば

冷たくはないけどひんやりと褪めた空気が

吹いてもいないのに手を伸ばすと

何故だか冷たく感じる



ちょうど2日前のam7:00

朝から窓を開ければ
まるで昼のような青空ともくもくとした
おいしそうな雲に引き寄せられて

何枚も携帯で画像を撮った

朝になれば一変と空気が変わり
その清々しい風を家の中に吹き入れる


ここから見る曲がりくねった道は

よく見かける風景画のように整っていて
日本なのにどこか海外であるような

そんな匂いがする

視界に入るのはスーツ姿で
「せかせか」と出勤する人々の様に

時に「私も頑張ろう」と励まされた

夏には打ち上げられた花火をよく見上げた

角度的に星までもは
見上げられなかったけど



いつかは「立つだろう」
と言われていたけど

来年の今頃には
二世帯住宅が建つ



カレの家に寝に行くのは久々

また喧嘩して家を出ようとすると
カレが家の前で待ってた

怒ってる

相当怒ってる

だけど

おだて上手な私にのせられて
数分後には笑顔に余裕が出てきた

そんなんで許されちゃうから
私はまた怒らせる


そば茶を飲んでいると

ティッシュを広げて
カレは爪の手入れを始める

いつも話しながらだから
わからなかったけど

ヤスリを上手にかけるし
巻き爪気味の私の爪を

本当に綺麗にしてくる


電気を消して

丁寧に愛撫されて
愛し合ったあとは

首の下にカレの腕を敷く

変な腕枕も

一番眠い朝方に「もう帰るね」と起こして

信号を仲良く渡りながら帰るのも

さっきまで会っていて「おやすみなさい」といったのに

また電話で「おやすみ また朝ね」というのも


何も変わらない

いつもと同じなのに


ここからの風景は変わってしまうし

光までもが遮られてしまう


思えば「変化」がないことなんてない

自分にしても周りにしても

いつかは・・・・いづれは変わっていく

「嫌だいやだ」といっても

避けられないこともあった

「いやだ嫌だ」といいながら

そのうち順応していく


だけど


太陽の昇る東側でなくてよかった

今でも太陽を見ると「ほっ」とする

最近はなくなったけど
何か辛い時はいつも太陽を見上げる

もしこの風景まで閉ざされてしまったら
当分は「情緒不安定」になるといっても

過言ではないほど

そうゆう日は
きっと来ないだろうと思うけど


そうゆう日がきてしまってもいいように

もっと強くならないといけない



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