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出かけようとするとまた雨にポツリ 私といえば「晴れ女」といわれるほどで どんな「雨女」と一緒にいようが ピカピカに晴れるし 雨が降ってても私が外に出ると しとしと降りになってピタっと止まる これは晴れ女に関係するか わからないけど 私が大泣きすると 雷が鳴ったり土砂降りになったり ある時は台風で大雨だったりで 「もう泣かせちゃだめなんだな」 ってカレが驚いていったことがある ただの偶然だと思うし 喧嘩するとギャンギャン泣くので 泣かされる というより 泣き喚いてやる って感じだけど なのにここ最近といったら 雨に降られ 振り回されてるような気分になる 昨日も雨がジャンジャン降りで ジャケットを脱ぎタンクトップになり 頭の上を覆って袖を首の下へ巻いたみたけど 直行雨で全然だめ 仕方なく雨宿りをしてた カレからのメールが着て 「雨降ってきたけどまだ出てなかったら一緒に行こうか ?」 冷たい雨とは反対に心あたたまるメール とりあえずまた動き出そうと 走らせてみると後ろから声がしたので 振り向けばステテコ姿の親父が 「おい !傘もっていくかー ? !」 って叫んでる ん ? これ私にいってくれてる ? でも6メートルくらい離れてるから もしかして別の誰かにいってて 近づけば 「は ? あんたダレヨ ?」なんていわれるのも あれなんで ジャンジャン降りの中を少し走らせてみた 後ろを振り返ると「なんだよ」って感じの ステテコ親父の後ろ姿が・・・・・・ やっぱり私にいってたみたい ごめんね ! 親父さん ジャンジャンだった雨がバタバタと 地面を叩きつけるようになってきたので また別のところで雨宿り 「なんか雨がすんごくって雨宿りしてる」 カレにメールすると 「今から帰るから待ってて 40分くらいかかっちゃうけど 待てる ? 傘さして連れて行ってあげる 」 すぐさま返事が着た 待てるけど・・・・それよりも さっきコンビニでビニ傘でも買えばよかった これだから貧乏性って・・・・ なんて思ってたけど 案外親切な人って多い 車を止めてこちらの様子を伺ってる人もいて なんだか悪いので携帯でメール始めると 「何もないのかな」と車を走り出したり 自分も傘がなくて マンガを傘がわりにしているのに お酒屋さんでビニ傘を見てきてくれたり 最終的には 昔からあるような日用品のお店というのか 商品にホコリが被っちゃってるようなお店から おばさんが出てきて 「これよかったら使って あげます」 と傘を差し出してくれた 何度もお礼をいって 「すみません ありがとうございます お言葉に甘えてさせていただきます」 と最後に頭を深く下げた 傘なくて風邪ひいたり 濡れるのに抵抗ないんだけど 本気で酸性雨に恐れてたりする ハゲたくないしって アホだな私は 傘をいただいたので走らせようとすると カレからの電話が鳴る とっさに 「もう大丈夫 親切な人が傘をくれたから もう仕事おわったの ? 早かったね」 「あぁ 仕事はまだあるんだけど にゃんこが傘ないから迎え行こうかと だったら 早めに切り上げようと思ってたけど 大丈夫だったら もうちょっと仕事するかな」 トラブルがあったのに 「だって にゃんこ風邪ひかせたくないもん」 だなんて こうゆうのって理想的な対応だ 「タクシーで帰る ? お金払うからさ あとで」 なんて淡々といわれたら まぁ風邪は引かないかもだけど それってどうなの ? ある意味ひいてしまう 仕事場電波悪いから 抜け出した先は どこからかはわからないけど 電話越しは妙に静まりかえっていて カレの声がよりクリアに聞こえる 目的地に到着したら 今度は旦から電話 「これからお迎えに行こうか ?」 いつも気を使ってくれてるし 「だから雨降るから行くなっていったのに」 なんて余計なことは一切いわない だから仲良しだし一緒にいるんだけど 旦はいつもタイミングが悪い 着いた後に電話されてもなぁ なんでいつもそうなんだよ もう5分前なんだって5分! てな感じ 傘のおかげで風邪引くこともなく 無事に帰れた 今度あのお店の商品を買いにいこう だけどなんか買えるものなんてあったっけ ? とにかくもう一度お礼がいいたいので まぁ適当に それにしても雨上がり後の風は なんて冷たいんだろう 澄んでそうな空気を深く吸うのが好き 心までもを洗い流してくれそうで 車ではなくバイクで戻った 心配したカレは 何度も使えるエネループカイロのピンクと 小さな折り畳みの軽量傘も買ってきてくれた きっと持ち歩かないんだろうけどね 「寒いよォ」と 顔をくしゃくしゃにしてる私を 抱きしめたそうにしてたけど 甘そうなクリスピークリームの ドーナツの袋に両手を占領されて うまくキスができなさそうで もどかしそうな姿に笑えた |
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ちょうど一週間前のこの日 カレの誕生日を迎えられた またひとつ数が増えたわけだけど 一緒にいてカウントしたのはまだ2つ 予定では以前から気にかかっていた ケーキ屋が実にご近所さんと知って ケーキを食べ焼き菓子を お土産に選ぶ予定でいたけど またもや急遽変更 天気が曇り空というのと 一日前になっていきつけの 中華が食べたくなったのと まだカレを誘ってなかったので 午後からこちらへ行こうかと 今日は10分の遅刻 カレいわく「晴れ女」の筈の私なのに 雨がポツリ 誕生日のプレゼントはもう既に渡し済み 去年はネクタイだったけど 今年は倍の値段のジャケット 落ち着いた色合いと質感が気に入った 今まで彼氏と呼べる人に プレゼントをあげたことなんてなかった カレは二番目で一番は旦ちゃん お金貰ってるからあげられるけど 自腹じゃゴメンだなー なんていいながらあげたけど ネクタイの方が喜んでた気がする 「にゃんこと一緒に会社いけるなんて ! 」って あぁ なんだか一年なんて あっという間だなぁって思うのに なんだか長かったような ここのチャーハンは絶品だ ほんとうは上海蟹でも食べようかと コースにしようとしたけど チャーハンが食べたかったし コース料理なんて量は平らげられなくなったし 自由にあれこれと注文した 今日もまた「にゃんこの好きなもので」と カレのための「この日」だったのに すべて私が決めた デザートだけはカレが決めたけど 「あれ ? チャーハン旨いけど 俺 にゃんこのチャーハンのがうまい ! と思う」 食前のウーロン茶の色が透き通っていて それはそれは大変綺麗で 食後の烏龍茶といえばまた 薄く透明色に澄んでいるかのようで 一杯目は味を 二杯目は香りを 三杯目は余韻を楽しむ しかしこれだけの量で苦しいなんて 痩せたはいいけど少し悲しくもある もうだいぶ前に知り合いと ケーキバーへ行ったときの 「もっと食べたいのにもう苦しくて食べれない」と モデルのように痩せ細った子の勿体のない言葉 あれは全くといって嫌味ではなかったのね と それでもカレの財布から万札が飛ぶとぶ その後カレはきっと ホテルへ行きたかったんだと思う だけど露骨にそうゆうことを言わないし そうゆう態度にも出ない こうゆう紳士的なところが すごく好きなところだったりする 時間が有り余っていたので カレが一度だけ買ってきてくれたことのある ケーキ屋へ行くことにした 並ぶのが嫌いで 「並ぶくらいなら食べないほうがマシ」という私と いつか一緒に「行こうね」と約束してたお店 カレが撮ってくれた写メより全然 小洒落たお店で全体ハロウィン色 もう閉店近くなのに客足は途絶えず だけど並ぶことなく ケーキの梱包を待っている間 呑気にカレの持つ可愛らしいバスケットに 焼き菓子をポイポイと山盛りに 箱いっぱいの中に カレが選んだクッキーは3つ その姿を見たマダムらしき女性が 「パッ」と私を見てカレを見て そしてまた私を見て不思議そうな顔をした 手を繋いでいるから どんな関係かわからなかったんだろうけど 他の人にも見られたので 視線に気づいたカレは 「クソー にゃんこが可愛い過ぎるんだっ こんな可愛い子になんでこんな男がって 」って 笑いながらパンチをくらわされた こうゆうときのカレって 自分のことを「不細工」だと 思ってるんだと思うんだけど すごく嬉しそうだし幸せそうな顔をする すかさず「マゾ ? 」っていうけど(笑 最近よく手を繋ぐようになった 駐車場までのわずかな距離でも カレが手を差し出しくれるようになった カレはカレで 「もっともっと べったり寄りかかってきていいからね〜」っていうけど それがどうしてもまだできない私 まだ素直になれてないのか 遠慮心があるのか どっちもあるんだと思うけど 夜景が綺麗な高速道路にて 「子供のような寝顔で可愛かった」って 帰った後の電話で微笑んでる 私もわずかに覚えてる そしてカレは私の頭を まるで子供をあやすように 今度は寝かしつけた子供を 「起こさないように」と 二度にわたって そっと触れるように撫でたことを |
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玄関を開ければピンクのスリッパが転がっている 私が脱ぎ捨てたままの姿で だらしなく散らばっている カレが「どうぞ」と揃えれば 足を「するり」と潜らせ スリッパごとベッドの部屋へと行けば 私のネグリジェがかかっている 真っ白なロングドレスのようにも見える 愛用していたスリッパと カレお勧めの歯ブラシは 取り寄せてくれたし ドライヤーも元々置いてあったけど 何回もお泊りをしているというのに パジャマだけはなかったので買ってもらった カレは「通気性の良いものを」と ガーゼのパジャマにしようとしたみたいだけど 私はいつもネグリジェなので 自分で選ぶことにした スルリとしているけど サテンでもなくシルクでもなく 着心地の良さそうな生地だし 清楚でありゴージャスでもあり 速攻決めたわりに気に入った 「にゃんこは可愛いから何を着てもかわいくってズルイ」 とカレはまだ着てもないのに言う ただ単に「寝巻き」が欲しいわけではなかった 確かに洋服のまま寝ると シワになったり後々めんどうなんだけど スリッパや歯ブラシがあっても カレと私の部屋に私のものを 何かひとつ置いておいて欲しいという気持ちがあった だからクローゼットにかけておいてもらえれば それで何か安心できたんだと思う だけどカレは窓際に飾ってくれた ちょうど2週間ほどまえに到着したけど ネグリジェはまだタグつきのまま あれからまだお泊りはしてないから このところ毎日のように 会う機会が「多い」と思ったら 祭日続きだったんだと バスケマンからのメールで知らされた 会えば必ずといっていいほど 体も合わせる そんなルールをお互い決めたわけではなく 自然とそうなる 行動的にはカレから求めてくることが多いけど 精神的には私も求めてたりする 深く ふかく 愛されながら頭を撫でられる 最中に目が会うとやさしく微笑まれる 「大好き」っていうと「愛してるよ」と返される 愛されてる時間そのものが愛おしい 終わってもまだ30分ほどキスが続く カレがまだ「離れたくないよ」って いってないのに唇はいっているかのようで 離れようとしてもすぐに吸い寄せられる 壁際にかかってるネグリジェの影が長く だけど 真っ白で「死に衣装」にみえた ウエディングドレスではなく いつか私が死んだら これを着たい できればそのときの為に そのときがくるまでここに 綺麗なままで飾っておきたい そんなふうに思えてしまうほど シルエットは美しく誇り高い姿にも見えた しかしまだ着てないんだけど あの位置に飾ってくれてることが嬉しい まるでカレの中での私の 現在の立ち位置を表しているようで |
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