The color of empty sky
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キリンジのホライゾン!ホライゾン!を聞くと姉を火葬した日を思い出す。 春を感じさせる青空の綺麗な日にたなびく煙突の煙。
棺の中に仕込まれたドライアイスで姉の身体は冷たくされていて、額に触れてびっくりした。 アルコールに溺れた姉はしかしお酒が好きなわけではなかったと思う。 お酒が好きな人は果実酒用のホワイトリカーなんてものを飲んだりはしない、と、親に見つかる前に処分しながら泣いた。
姉の孤独な魂をたどりながら私も野垂れ死んでしまいたい。 そう思いながらもう6年半も経ってしまった。 次の誕生日が来たら姉よりも年上になってしまう。
雪が降り始めた。 いつまでたっても季節の変わり目はしんどいものだ。
冬が来て年末年始にまた誕生日を迎える。 月日を重ね身体は老いて上辺だけは穏やかになってきても、私の中身はやはり幼いわがまましか知らない子供のままだ。
孤独なことに慣れすぎて人と触れ合う方法を忘れそうになる。 いっそ忘れてしまえばいいのかも。 社会と繋がる糸を一つ一つゆっくり断ち切ってきた。 それでも全部は断てずただずるずると重ねる日々に飽いてくる。
自分が幸せになれなかった理由はよく分かっていて、その努力を怠ってきたからだ。 幸せになりたいとは具体的には考えていなかったし、いつか何かのきっかけでぽろりと幸せになれるんじゃなかろうかという甘っちょろい望みを抱いていた。
この先もやっぱりその努力はしないと思う。 過去の中の肌触りの良い思い出でたまにひっくり返して引き出して頬ずりしながら眠り、虫の居所の悪い人に八つ当たりされてはため息を付いてやり過ごす。
さてウィスキーでも買ってこよう。
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