高熱になり、周りの気の利かなさにいらつき、ものかき部の筆を取ろうとする。
「死の恐怖」はいつの間にかドキドキからトキドキに換わった。
周りの気遣いを求めるなど、私のエゴの、生物学的衝動の甘えでしかない、と散々書き付けてきたのに。
現在の私は燦々と輝いていない。
それが現在の私の在りのまま
激しい呼吸と涙を流さんばかりの、
その瞬間に目が覚めた
「俺が死ぬ」
死病に取りつかれた人を介護していた
意識が遠のく、その人に何度も話しかけていた
目が閉じ、体が動かなくなり、声が小さくなり、大きな声で呼びかけないと、返事が来なくなった
私は、彼が意識が遠のく、のを確認しながら、声を掛けていった
「彼が死ぬ」のを安心して受け入れていった
いつか、いつの日にか
「俺が死ぬ」
瞼を開けると、天井は上下左右にざわめいていた。
血流の流れがざわめているからか。
激しい呼吸と涙を流さんばかりの、
その瞬間に目が覚めた
耐えられなくなり、耐えられなくなり、この文に記す
「血流の流れがざわめているからか。」と理性が判断を下すようになり、はげしい動悸は納まった。
午前3時半
明日は朝8時半から仕事だ
「俺が死ぬ」を「いつか」に仕舞い込む
誤魔化しと知りながらも眠りにつく
それが現在の私の在りのまま
若きエゴイズムと死への恐怖を
春泥に泥濘ませて
不惑かな
と詠う
それが現在の私の在りのまま
そうか、あの時、別れるきっかけは私にあったか
ふと 想いだし
ふと 思い直す
そうか、そういうことで、あの態度をとったのか
うん 想いだし
うん 思い直す
ひどいことをしたもんだ ひどいことをしたもんだ
二度と逢わない人に手を合わせ
二度と逢えない人に闇夜に詫びる
ぎらぎらとした恋の輝きが、夕暮れを過ぎて
闇夜に熾火が、ぼわぁっと浮かび上がる如く
過ぎたる真夏の暑苦しさを、晩秋に懐かしがるように
それが現在の私の在りのまま
「 人の為に謀りて忠ならざるか
朋友と交わりて信ならざるか
習わざるを傳うるか 」
だからこそ、人の朋友の大志を見る
だからこそ、足りない点を全て指摘する
それゆえに、不足分の補い方を考えていく
それゆえに、対機説法を押し通す
私が考えた出せないことを不満に想わなく、なりたい
それが現在の私の在りのまま
満ち足りた宵の口
「 人の為に謀りて忠ならざるか
朋友と交わりて信ならざるか
習わざるを傳うるか 」
こぼれるように口から流れ出した
人のために、朋友の為に 傳うることが今日は2つも
満ち足りた宵の口
これから風呂に入って肉体をも満たす
それが現在の私の在りのまま
付記:「」の中は『論語』学而第一第4章