その私を微笑んでみよう
ただただ 呼吸を整えるように
世間とはお前が豚であることを強要する檻である
豚は檻がなければ どこでも際限もなく糞小便をぶちまける
人種差別や階級差別という檻がなくなった換わりに世間を必要とするのだ
よき豚は檻に体をぶつけて傷つけないが 拙きか弱き豚は世間という実体なき幻想にぶつけて自傷する
物質でないから永久に永劫に突破できない破壊できないというのにも気づかずに
服の流行 金銭の蓄財 立派な家も檻の一部だとは気がつかない豚もいる
体型や職業 似合った服 可能性や趣味を広げる物 心温まる家を求めようともせずに
よき豚になるために宗教がある
感謝が馴致の手始めなのだ
宗教が広汎に認められるのは 単なる社会的理由からだけではない
人種差別や階級差別と宗教が結合するのもよき豚を必要とするからなのだ
必要なのだよ
発明を商業的に成功させるための幻想が
幻想に引っ張られる豚どもが
よき豚にするための宗教が
そして 私たちは呆れることも出来ない豚どもであり
毎日飽きれるほどに食べまくり
豚にしかなれないのに厭きれられないでいる
「闇に瞬く光」という、私の脳から発せられ口から流れる言葉
その言葉さえ、脳内の発起さえ、私ではないと
私の個性を求めるのならば
この我執は如何なる場所にたどりつけるのだろうか
あるいは辿りつけない隘路なのだろうか
梅雨前の穏やかな真夏日
日差しは微風もない山の新緑を揺らすかのように
嬉しそうな赤ら顔
私の人生の 人生の喜びは夫婦の会話、そして合意なのだと赤ら顔
楽しそうな喋り顔
今の場所の 場所の楽しみは上下の関係、そして私は上なのだと喋り顔
真剣そうな陰り顔
昔の体験の 体験の陰りの話は共用の強要、そして貴方は私と一体なのだと陰り顔
真実の劇薬が恐ろしくて
怖れ慄いて、酒で自我を酩酊させる
近寄り難くて、正月やお盆が楽しみになる
逃げ続けてきて、男として親としてなどの役割に縛りつけられる
赤ら喋り陰り顔
智を愛さぬ人の顔 人を愛する人の顔