感想メモ

2017年03月29日(水) カルテット


 カラオケボックスで偶然出会ったバイオリニストの早乙女真紀(松たか子)、別府司(松田龍平)、ヴィオリストの家森諭高(高橋一生)、チェリストの世吹すずめ(満島ひかり)。全員プロではないものの、音楽を諦められない者たちで、カルテットを組むことになる。

 別府の持つ軽井沢の別荘を提供するということになり、4人で共同生活をすることになるが…。

 実はこの偶然が偶然ではなかったり、共同生活では小さなことで言い合いになったり、恋愛模様ありで…。

 近所のノクターンという店でカルテットの演奏をできることになった4人だが、それぞれに秘密や事情を抱えており…。

 どんな展開になるのかわからず、毎回面白く見ていたけれど、演奏シーンはやっぱりちょっと違和感がぬぐえず…。

 それと、三流でプロにはなれなかったという設定なわけだけれど、共同生活をしながら、全然練習風景が出てこなくて、これはどうなのかなーという感じも…。

 まあ、これは、自分が楽器を弾いているので、余計に思ったことで、ドラマのストーリーにはあんまり関係ないのかな?

 真紀の夫・幹生(工藤官九郎)は失踪していて、息子が殺されたのではないかと疑う姑(もたいまさこ)。しかし、現実は幹生と真紀はお互いの気持ちがすれ違っていて…。

 また、ノクターンの従業員・有朱(吉岡里帆)が何を考えているのかよくわからず、味方なのか敵なのか? とにかく恐ろしい女だったなー。

 演奏シーンをもう少し見たかったような気がするけれど、まあ、しょうがないよね…。



2017年03月26日(日) 3月のライオン


 羽海野チカ原作の漫画のアニメ版。

 幼い頃に家族を事故で亡くし、棋士の養父の家に住むことになった桐山零。中学生でプロの棋士となった彼は、養父の家を出て、一人暮らしを始める。

 高校1年生をやり直していた零は、あかり・ひなた・モモの3姉妹と会い、食事を一緒に食べたりするように…。3姉妹も両親がすでに他界していて…。

 将棋はよくわからないので、試合内容なんかはよくわからないのだけれど、棋士って精神的にも肉体的にも大変そうだよね…。

 そして、孤独な零だけれど、結構性格としては面白い性格だし、どうして友達ができないのかなー? もっと自分から中に入って行けばきっとできるんだろうになぁと思ったりも。(友達だとは思っていない棋士仲間からもライバルだと思われていたり、本人が気づいていないだけで結構周りの人は温かく見てくれているような…)

 高校の先生がいい先生で本当によかったし、棋士仲間の研究会に入ったり、高校でも将棋部のようなものができそうだったしで、少し明るい終わり方で良かった。

 次のシーズンは10月ごろからのよう。原作は12巻までで完結なのかな? どんなふうに話が進んでいくのか楽しみ。

 映画でも2回に分けてやるみたいだけれど、こちらもよい出来なのかな? たぶん見には行かないだろうけれど。



2017年03月22日(水) 下剋上受験


 中卒の父・信一(阿部サダヲ)と中卒の母・香夏子(深田恭子)の一人娘・佳織(山田美紅羽)。信一は職場の不動産会社でも学歴の壁にぶち当たることがあり、自分の娘にはこんな思いはさせたくない、自分の娘には自分が味わえなかった広い世界を見せてやりたいという気持ちから、中学受験をさせることを思いつく。

 香夏子はあまり乗り気ではなかったが、信一の本気さと、佳織のやる気を見て、応援することにする。しかし、佳織の成績はお世辞にもよいとは言えず、塾に通うのは娘には無理だと思った信一は、自分で佳織に勉強を教えることを思いつくのだった。

 久しぶりに見たお受験もの。原作がきちんとあって、実話をもとにしている。

 私が最初に無謀だなーと思ったのは、この家が決して裕福ではないのに中学受験をして、その後、私立中学に通う金銭は大丈夫なのか?というところ。途中で信一が勉強に専念するために仕事を辞めてしまったり、電気が止められたり、家賃の滞納から家の鍵を勝手に変えられてしまって家に入ることができなくなってしまったり…。

 こういう金銭状態で中学受験って考えるんだ、すごいなーという感じ…。

 この家族の明るくて楽しいノリはキライじゃなくて、応援したくなるんだけど、でもでも、かなり私的には引っかかる部分が多かったかな。

 例えば、中学受験で人生が決まるかのようなセリフとか。自分たちは中卒で、それでも生活しているわけなんだし、中学受験の後には高校受験も大学受験もある。決して中学受験の段階で人生が決まるわけではないと思う。

 それどころか、中学受験で失敗してしまって、その後の人生が狂う場合もあるので、何でも中学受験して受かれば勝ち組みたいな感じの発想には引っかかった。

 志望校を決める時も一番難しくて有名なところというだけで決めてしまったけれど、子供の性格や校風などが合うかどうか、自宅から通いやすいかなどなど、もっと決める観点は別にあるのでは?と思ったし、1校しか受験しないのも、子供の気持ちを考えたら、どうなのかな…って思ったし。

 そしてね、一番同意できないのは、中学受験のためには学校を休んで構わないというような発想かな。たとえば、佳織は勉強を夜遅くまでしているので、授業中には寝てしまうこともあるけれど、それはどうなのかな?って思うし、3学期になると、学校を休んで勉強させて、一生がかかってるんですって親が言いきってしまう。

 学校も大事だと思うんだよね。そこまでやって、受からなかった時に子供が受けるダメージってすごいよなーとも思ったりね。

 せめて試験数日前から、風邪とかインフルエンザにならないように休むというくらいに留めてほしいよね。

 ま、実際、受験のために3学期は学校に来ないという子供も結構いるらしいけど…。

 とはいえ、勉強の成果が無駄にならなかったこと、最後に佳織本人が受験のことを振り返ったメッセージを送っている内容は悪くなかったこと、後味は悪くなかったこと…などから、楽しめるドラマではあったんだけどね。

 他におじいちゃん役の小林薫とか、信一の幼なじみで社長の徳川(要潤)と娘の麻里亜(篠川桃音)、信一の後輩の楢崎(風間俊介)もいい味出していて、よかった。



2017年03月20日(月) この世界の片隅に

 のんが声優として挑んだこの作品。かなり評判がよくて見たかったのだけれど、近所の映画館では上映がなく…。

 見ることもないかなと思っていたら、上映館が増えて、結局家族3人で見に行くことになった。

 息子は6歳(もうすぐ7歳)。戦争の映画はちょっとわからないかな?と思ったけれど、とりあえずおとなしく見ることはできた。でも、やっぱりちょっとまだ難しかったかな? あんまり面白くはなかったかも。

 広島の江波に住むすずは、よく知らない相手に見初められ、呉に嫁に行く。旦那さんも優しく、足の悪いお義母さん、優しいお義父さんに囲まれて、幸せな毎日を送るはずだったのだが、義理の姉が子供を連れて出戻ってくる。姉がキツイ人で、すずは肩身が狭い。

 戦争は次第に激しくなってきて、配給は減り、すずは何とか工夫を凝らして食材を多くしようとしたり、明るく毎日を送ろうとするのだが、次第に空襲が毎日のように襲うようになり、お義父さんも負傷し、入院…。

 そして、広島に原爆が落とされ、終戦へとなるのだが、すずの毎日は続いていく。

 まあ、ネタバレになってしまうので、あまり詳しくは書けないのだけれど、私は最後のシーンで涙腺が崩壊…。

 子供ネタに弱い最近。みんなが幸せになれるといいんだけどね…。

 息子には戦争の苦労などを体験してほしくない。けれど、最近、戦争へつながるようなテロや人種間のいざこざが絶えない。平和な世の中が続いていってほしいなぁと心から思う。



2017年03月19日(日) 東京すみっこごはん 雷親父とオムライス  成田名璃子


成田名璃子 光文社文庫 2016

STORY:
街の再開発により、すみっこごはんが愛用しているスーパーがなくなり、精肉店も引っ越してしまった。すみっこごはんの場所も計画対象地区になっており、メンバーは疑心暗鬼に。

感想:
 「東京すみっこごはん」の続編。

 前の話をだいぶ忘れていたので、メンバーが少し思い出せなかったが、問題なく読める。

 1話目はあんまり再開発の話が絡んでこないのだが、その後の話は再開発のせいで街が変わっていく様子が描かれる。

 メンバーたちの間に「誰かが不動産会社のスパイとして乗り込んでいるのでは?」という疑いの念が沸き上がっていき、かつては定員をオーバーすることもあったすみっこごはんにもほとんど人が寄り付かない状態になってしまい…。

 最後の話は、誰がスパイなのか、犯人捜しのような様相になっていて、これはこれで面白かったかな。

 特にタイトルにもなっている「雷親父とオムライス」の話は、すごくよかった。

 どうやらドラマ化も予定されていたようだけれど、子役を長時間拘束したとかで、放送が延期になっているみたい。中止になっちゃうのかな? いい話なので、できたら放映してあげてほしいなー。



2017年03月03日(金) 我ら荒野の七重奏(セプテット)  加納朋子


加納朋子 集英社 2016

STORY:
バリバリの編集者として働く陽子の一人息子・陽介は、私立中学の吹奏楽の演奏を聞いて自分もやりたくなる。急遽中学受験をすることにしたが、不合格となり、公立中学の吹奏楽部に入ることになるが…。

感想:
 「七人の敵がいる」の続編となるこの作品。前作も読んだのだけれど、内容を忘れている私。でも、覚えてなくても大丈夫。

 「七人の敵がいる」は、陽介が小学校に入学し、PTA役員をしなくてはならなくなり、様々な問題と戦う…という話だった。

 今回、陽介は中学に入学。もう親の出番はないだろうと思ったら、吹奏楽部に親の会があり、子供たちのために親がめちゃくちゃ奔走していて、それに振り回されるというお話なのである。

 自分の息子もこの春から小学生になるのだが、中学校の部活にも親の協力が必要なのか〜、そして、親の仕事の何と多いこと!!とびっくりしてしまった。

 でも、子供と自分が音楽をやっていて、教室のコンサートになると、やはり親の協力は不可欠で、親はなるべく子供の演奏を聞けるように配慮するとは言っても、オーケストラになってくると、やはり聞けない人も出てくるわけで…。(我が家の場合、私と子供がやっているため、父である夫がお手伝いに駆り出されている)

 何か習ったり、部活に入ったりすれば、活躍する部だったり、演奏会や発表会がある部であれば、親の協力は不可欠なんだなー。

 さて、私が最初に一番共感してしまったところは…陽介の中学受験だったりする。

 もともと公立中学に行く予定だった陽介は、先輩の演奏に憧れてしまい、私立中学の受験をすることにするが、スタートが遅かった。それでもがんばって勉強をするが、志望校に合格することはできず、失意のまま、公立中学に入学。

 さらに、吹奏楽部でのパートは、自分の希望していたトランペットにはなれず、ファゴットというマイナーな楽器にされてしまう…。

 そのため、中学入学後の陽介は少し自信を喪失してしまい、失意の日々を送っている。

 このくだりを読んで、やはり中学入試は失敗すると、子供の心に大きな傷を残すことがあるよなーと思ったのだった。

 自分の子供が受験したいと言って来たらとか、色々考えてしまった。

 でも、最後にはファゴットという楽器の魅力に陽介も落ちていき、将来の進路も決めていく姿が描かれていて、よかった。


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