感想メモ

2014年05月31日(土) ウツ妻さん  早川いくを


早川いくを 亜紀書房 2013

STORY:
筆者の妻・トトコが、家を買おうとしたときから、突然おかしくなった。うつ病だった。トトコが病を発症し、もがきながら治っていく日々を綴る。

感想:
 うつ病の話は、興味深いものの、やっぱり壮絶だなーと思う。

 特に筆者の忍耐力はすごいなと思う。

 今まで普通だった相手がどんどん違う人格になって行って、それも悲観論者になってしまっていて、取りつく島もなく、一生懸命前向きな言葉をかけても、それについてことごとく論破してくるような状態ならどうだろうか。

 結局筆者は前金を払った土地をトトコの強迫観念のため諦める。

 トトコがかかった心療内科もちょっとおかしくて、家族が一緒なのはプライバシーがあるからと認めなかったり。

 普通そんなことあるの?

 だって、一緒に過ごしていて一番影響をうける相手なのよ。相手がどんな状態で、どんな風に対応したらいいか、家族にも説明があってしかるべきでは?

 結局のちに病院を変わるのだけれど、心療内科ではなく精神科という名前のせいでトトコは拒絶。なかなか病院を移れない。

 そして、どうしてトトコがよくなったのか…。

 それも説明が難しい気がする。病院を変わったからというよりは、トトコがかつて尊敬し、憧れていた人と再会し、そのことがきっかけとなる。

 つまり、自分が悲観的にすべて否定していた生き方をしている人がかつて尊敬していた人で、そういう生き方もいいんだと気づいたというのか?

 で、思ったのは、やっぱりうつ病は難しい。ずっと治らないままの人もいるし、何かのきっかけで治る人もいるけれど、何がきっかけになるのかは、周りの人にも本人にもよくわからない部分が大きいような気もする。

 とにかく家庭にうつ病の人を抱える人を支えてあげるような機関みたいなのがもう少しあるといいのになと…。じゃないと、二人して共倒れになりそうな気がしてね。



2014年05月11日(日) 神様の休日 〜僕らはまためぐり逢う〜  岡本貴也


岡本貴也 幻冬舎 2014

STORY:
家族の縁に薄く、自暴自棄になっていた男に家族ができた。しかし、その家族を3.11の東日本大震災で亡くしてしまう。男は納棺師として生きることに…。

感想:
 実話をもとにしたフィクションだったみたい。

 震災で最愛の妻と幼い子供2人を亡くした彰紀は、自暴自棄になりながら、納棺師として生きることを選ぶ。

 どこまでが実話なのかわからなかったけれど、もともと結婚を反対されていたため、義母に妻が死んだのもすべてお前のせいと言われ、葬式すら出席させてもらえないようなそんな状況ってどうなのだろう…。

 正直、この話の最初の方の自暴自棄部分とか、好きになれないのではあるが、それでも、最愛の人ができて変わろうとした男性にとっての震災は本当に気の毒でしょうがない。

 納棺師という仕事はすごいなと改めて思わされた。


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