感想メモ

2013年06月27日(木) Team・HK  あさのあつこ


あさのあつこ 2013 徳間書店

STORY:
子育てが一段落した美菜子は自分の家事力を生かせそうなハウスキーパーの仕事をすることに。初日から現場に行った美菜子を待ち受けていたのは…。

感想:
 家事力を生かせる仕事ということで、ハウスキーパーのチームに入ることになった美菜子。美菜子は30代後半の女性で夫と娘(中学生)、息子(小学生)の4人暮らし。夫からは主婦しかできないくせに…というような冷たい対応をされている…。

 そんな美菜子が採用され、初めて仕事をした家は、人気作家の家で、その作家がちょっと面白い…。

 美菜子の幼い頃の話に触発されて、スランプから立ち直ったり、その後も美菜子の仕事先の事件に首を突っ込んだり…。

 ちょっとミステリー要素も入りながら、コミカルで軽いノリで読める小説。

 シリーズで続編を作ろうと思ったら作れちゃうのかな?

 続きを読みたいかは…ビミョーだけど。



2013年06月25日(火) 第二楽章

 久しぶりに大人のドラマを見た…というような感じ。

 かつてオーケストラでソリストの座を争った親友・茉莉(羽田美智子)と奈津美(板谷由夏)。

 奈津美は妊娠・結婚を機にバイオリンを辞めて家庭に入り、茉莉はシカゴのオーケストラのコンサートマスターとして人気を博している。

 茉莉がシカゴのコンサートマスターをおろされ、日本に帰ってきたことから、また二人の友達づきあいが始まり…。
 
 実は奈津美の夫・一登(谷原章介)を茉莉はひそかに思っていた。茉莉が一登に個人的に連絡を取っていたことから奈津美は夫の不義を疑ったり…。

 奈津美の娘・鈴奈(門脇麦)も茉莉にバイオリンを教えてもらえることになり、段々茉莉になついていくのも奈津美には面白くない。

 二人の友情は誤解や喧嘩などいろいろあるけれど、壊れない。

 最終的に茉莉は元彼の子供を妊娠しており、さらにがんに侵されていることもわかり…。

 アラフォー世代は、結婚して子育てが終了間際の人もいれば、独身を通してキャリアを築き上げているけれど、人生のパートナーには恵まれない人もいて、様々な境遇、立場、価値観の人がいる。

 それを友情を通して考えさせられるドラマであった。

 自分がバイオリンが好きなのもあって、その点でもよかった。

 でも、唯一残念だったのは、しんみりしたくても、自分の子供が大騒ぎしていて、しんみりした世界には浸れなかったことかな…。



2013年06月13日(木) あと少し、もう少し  瀬尾まいこ


瀬尾まいこ 新潮社 2012

STORY:
毎年、駅伝の県大会まで進む市野中学校では、陸上部だけでは駅伝大会のメンバーが足りない。その上、これまで駅伝の指導をしてきた顧問が他中へ異動し、新しい顧問になったのは美術教師で…。

感想:
 駅伝は、箱根駅伝を見るのは好きだ。けれど、走るという話になると、長距離走は好きではなく、子供時代からマラソン大会が大嫌いだった。

 そんな自分からすると、ただのマラソンだと自己責任でいいが、駅伝となると仲間との襷リレーがあって、いつもなら弱音を吐いてもういいやとあきらめるところも、あきらめられない、全力を尽くさねばならないのが駅伝であると思う。

 だからか、駅伝となると、ゴールと同時に(襷をつなぐと同時に)倒れこむ人が多いんだよね。

 この作品は中学生の駅伝を描いた作品。前に読んだ三浦しをんの「風が強く吹いている」も駅伝だったけど、こちらは箱根駅伝を目指す大学生の話。中学生と大学生だとだいぶ雰囲気が違う。

 でも、中学生なりの気持ちとかメンバー全員の気持ち(中学の駅伝なので、6人と少人数なのもあるのかもしれないが)が「風が強く〜」よりもよく理解できるというか、人物もわかりやすかったような気がする…。

 中学時代のなんとなく甘酸っぱい感じがなんとなく思い出されるけれど、現代的な感じもある作品かな。

 レースの展開がどうなるかというのも最後までぐいぐい引っ張る感じで、よかった。



2013年06月03日(月) スタート!  中山七里


中山七里 光文社 2012

STORY:
日本映画の重鎮・大森が病身の体を押して映画を撮ることになった。多分遺作となるであろうその作品を完成させるため、映一もスタッフに加わるが、次々に不穏な事件が起こり…。

感想:
 映画を作ることや映画を見ることに興味のある人なら、面白く読めるのではないかと思う。

 この作品は、犯人が身内にいる、身内の誰が犯人なのかというミステリー要素もあるけれど、どちらかというと、妨害にも負けず、映画を撮るということに人生を賭けている人々の生き方のほうが私は面白かった。

 映画作りにはお金も時間もかかるし、大変な労力をかけてもその映画がヒットするかどうかはふたを開けて見なければわからないところもある。

 そんな映画を作るために骨身を削る人々の生き方…。そんなものに感動してしまった。

 すごい言い方をしてしまえば、ミステリー要素は別になくても面白かったと思う…。


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