2008年06月30日(月) |
そうか、もう君はいないのか 城山三郎 |
城山三郎 新潮社 2008
亡き城山三郎氏が妻のことを書き綴った作品。
ただ、これを執筆中にお亡くなりになられたようで、完成していなかったものを編集者の方などがまとめたようだ。
そのため、最初、ちょっと話がとびとびのような気がして、違和感があった。
最後に城山氏の次女の方の手記があって、これがまた泣けるというか…。
妻を愛していたからこそ、亡くなったあとはボロボロになってしまわれたみたいで、そんな様子は涙を誘った。
岡田惠和脚本のドラマ。
還暦を迎えた立木(堺正章)はかつてはアイドルグループで一世を風靡。その後は音楽プロデューサーとして、バツイチで子供がいるものの、順風満帆な人生を送ってきた。
ある日、ひょんなことから売れない女優・かえで(夏川結衣)と出会い、恋に落ちる。かえでは36歳。かなわぬ恋と知りながら、ひかれていくことを止めることができない。毎日が楽しくなってくる。
かえでには自立できなくて突然消えたり現れたりを繰り返す腐れ縁の男・龍彦(徳井義実)の存在が。立木と龍彦はひょんなことから知り合い、意気投合。3人の微妙な関係が始まる。
何事にも前向きな立木の影響を受けて、八方ふさがりのような状態だったかえでやかえでの周りにいた人々は、段々自分の人生を切り開いていく。立木にも長年勤めた会社を辞めるという選択が…。
岡田惠和の作品は結構好きで、今回の作品も、あり得ない設定などもありながらも、楽しく見られるし、何より気持ちが爽やかで前向きになれる感じで好感が持てた。
それぞれのキャスティングもはまっていたと思う。
ただバレーボールが延長してくれたおかげで、2回ほど途中までしか見られなくて、それが残念だった。
2008年06月21日(土) |
こんなツレでゴメンナサイ。 望月昭 |
望月昭 画・細川貂々 文藝春秋 2008
『ツレがうつになりまして。』のツレさんが書いた自伝のようなもの。細川貂々の絵も入っていた。
今までのは漫画が主だったけれど、こちらはツレさんの文が主。
読みやすく、うつ病の状態がどんなだったか、どんな風に症状が経過していったかがわかりやすく描かれている。
また細川貂々とのなれそめなどもあって、なかなか面白かった。
さらにあきらめていたお子さんを結婚12年目にして授かったそうで…。おめでたいっ!
人生万事塞翁が馬という言葉を思い出した。いいこともあれば悪いこともある。
結婚式での誓いの言葉やその後の教会での集まりの様子が出てくるが、結婚するってこういうことなのかなーと思う。なんかちょっとじーんとしてしまった。
NHK土曜夜の連ドラ。
一人の女性自動車営業マンを通して、時代の流れとともに自動車業界の流れとかも見せつつ、描いたドラマ。すごく面白かった…。
久子(夏川結衣)は普通のOLとして過ごしていたが、女性は結婚して退職するのが当然と思われ、自分の企画を上司が横取りし、手柄を取られたことなどから、転職を決意。幼い頃から好きだった車のセールスをやろうと思うが、当時は女性で車のセールスをする人はいなかった。
セールスのために免許も取り、上司の岡野(蟹江敬三)にも徐々に認められるが、同じ営業所の中では、女性がトップセールスになることをよく思わない者もいて、なかなか人間関係が大変である。
私生活では、高校時代の同級生と卒業後も付き合いがある。柴田(椎名桔平)はもともと久子のことが好きだったが、真理子(石田ひかり)と結婚。真理子は久子との仲を勘ぐり、嫉妬に苦しむ。通産省の官僚になった高村(大沢健)は、久子のことが好きだったが、久子には相手にされない。出版社に勤めた吾郎(山口馬木也)は真理子のことが好きだった。バブルの流れに乗って、時代の寵児となるが…。
この5人の人間模様や仕事の変遷もなかなか面白かった。
また久子の恋の行方も気になった。結局誰とも結婚しない人生を歩んだ久子。最後には外車の会社の社長にまで上り詰めるが…。
切なかったのは、自動車を売るために自殺をした阿部(塩谷瞬)や岡野の死。岡野と久子を一緒にしてあげたかったなぁ…。
やっぱり幼い頃に父(石橋蓮司)と死に別れたことが尾を引いているのか、どちらかというと男性に父性を求めているのかなと思ったり…。お好み屋を経営する母(十朱幸代)もいい味出してた。
自分が生まれた時代などを考えるに、オイルショックとかもあったし、決して子育てなんかがしやすい時代ではなかったのかもなーと思った。どの時代も色々問題があって、すべてが素晴らしいなんてことはないんだろうなと。
すごく面白いドラマだったのだけれど、なぜか同じクールで夏川結衣は『無理な恋愛』の方にも出ていて、そっちもたまたま見ていて、なんだか役柄が違うので、変な感じがした。違う時期にやればよかったのに…と少し思った…。
そうそう、ミヤケ自動車はトヨタ? そして、SUBはBMW? モデルはBMWの林文子さんという方のようだ。でも、あくまでもフィクションだそうだけれど…。林文子さんにちょっと興味を持った。
2008年06月05日(木) |
女性の品格 坂東眞理子 |
坂東眞理子 PHP新書 2006
『親の品格』を読んだ後で、『女性の品格』のほうを読んだ。
うーむ。この本は、バリバリ働く女性に向けて書かれた内容なのかな。
ちょっとあまりにも自分には生かせないような内容ばかりで、ざーっと流し読みになってしまった。
私としては『親の品格』のほうが面白かったかな…。
2008年06月01日(日) |
ナルニア国物語 第2章 カスピアン王子の角笛 (映画) |
2作目を映画館で見てきた。
原作は大学生の頃に読んだものの、すっかり内容を忘れ、面白く見ることができた。
見終わっての感想は、「1作目より面白いんじゃないの?」ってところかな。
映画館で見たせいかもしれないけど、迫力もあったし、展開もよかったのでは?
一度大人になっていたのに、現実世界に戻ったら、子供に逆戻り。そんなジレンマを抱えている4人は、ナルニアに戻って、1作目とは違って、戦いにも積極的に挑む。剣の扱いや弓の扱いもいっぱしのもの。
だから、1作目と違って、どうしてこんななのに??という疑問は湧かない。
カスピアン王子(ベン・バーンズ)は何となく自分の中でのイメージではもっと若いイメージだったし、へたれっぷりがどうなの?とは思うけれど、まあ、いい感じなのでは…。
ピーター(ウィリアム・モーズリー)の正義にあふれる戦いもなかなか。でも、ルーシー(ジョージー・ヘンリー)のどんな怪我でも治す薬を置いていけばよかったのに…と突っ込み入れたくなった。
エドマンド(スキャンダー・ケインズ)も性格が少し穏やかになって…。
スーザン(アナ・ポップルウェル)の初恋のような感じも、見ていて微笑ましい…。
兄弟4人が1作目と違ってまとまっていて、お互いに協力してナルニアを救おうとする姿がよかった。
とりあえず見に行ってよかったかな。3作目も私は見たいような気になったのだけれど、夫は乗り気でない様子。夫には『ロード・オブ・ザ・リング』でもうファンタジーはお腹いっぱいのようで…。
そうそう、やっぱり見るなら1作目を見てから行くのがオススメかも。見てからあまり日が経っていなかったから、とてもつながりがわかりやすかった…。
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