感想メモ

2007年04月24日(火) 川の光  松浦寿輝

 読売新聞の夕刊に連載されていた小説。

 お父さんと息子2匹のねずみたちが、川の工事のために上流へ旅をするという話。作者は『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』のような感じにしたいと、連載当初に話していた。

 私は『ウォーターシップダウン〜』も読んだことがあって、割りに好きだったので、この小説もまあ面白く読むことができた。

 でも、連載期間がかなり短かったような・・・。

 子供たちにも受けそうな作品だった。



2007年04月23日(月) 十七歳の硫黄島  秋草鶴次


秋草鶴次 文藝春秋 2006

 硫黄島で通信兵として戦った秋草さんの自伝。

 壮絶・・・の一言。

 星条旗が摺鉢山に掲げられたあとも2度に渡り日章旗が掲揚され、それを見ていた日本兵たちは涙を流したという。

 最後まで自らの命を絶つこともせず、投降することもしなかった筆者は九死に一生を得た。負傷しながら、極限状態で過ごした筆者は本当によくがんばったなぁ・・・と思う。

 他に感想など思い浮かばないくらい、重い現実。決してこれを過去のものという一言で片付けてはならない。



2007年04月21日(土) ロッキー・ザ・ファイナル

 思わず初日に見に行ってしまった。そして、見に行って大正解! すごい感動! 最初から最後まで感動の連続。

 ロッキー(シルベスター・スタローン)はボクシングを引退したあと、「エイドリアンのレストラン」という店を経営し、彼のファンに色々な話をしたりして、それなりに幸せに見える毎日を送っている。エイドリアン(タリア・シャイアー)はガンで死亡、一人息子(マイロ・ヴィンティミリア)は自立しているが、父の栄光のせいで自分は辛い思いをしていると感じ、ロッキーとは疎遠。ロッキーはエイドリアンのことをまだ忘れられない。過去に生きるなと言われたロッキーは、もう一度ボクシングをしたいという自分の気持ちに正直に生きようとして・・・。

 もうまずは愛する妻に先立たれたロッキーという図式だけで、実は泣ける。最近こういう愛するものに先立たれて・・・という図式に弱いので・・・。

 さらに自分がかつて助けた元少女で、今は一児の母マリー(ジェラルディン・ヒューズ)との出会い。ボクシングの試合をすべきか迷うロッキーを励ましてくれるのだけれど、そのセリフも感動。

 またロッキーの息子に対してロッキーが諭すセリフ。これがまた泣ける。息子がどんな風であろうとも、ロッキーは息子を溺愛している。何があっても宝物だ・・・と言い続けるロッキー。

 そして、ロッキーは人に感謝することを忘れない。そういうロッキーの誠実さもまたよかった。

 最後のボクシングの試合は、勝っても負けても引き分けでも、もうそんなものはどうでもいい気持ちにさせられる。それより夢ややりたいことに向かっていく過程が重要であり、最後の最後でやり残したことにトライし、自分の中にくすぶっているものをすべて燃やし尽くし、すべてを出し切ることができれば、もうそれでいいのだ。

 つい自分にたとえて、自分が本当にやりたいことは何なのか? 何かをやり残してないだろうか?と考えてしまい、さらに胸が熱くなってくる。これを見たあとで、何かやりたいことにチャレンジする人も出てきそう。

 とにかく何歳になっても、夢ややりたいことをあきらめることはないのだ、というメッセージは、きっと万人の心を熱くするはず。今までロッキーシリーズを見たことがない人も楽しめること間違いなし!



2007年04月18日(水) アルゼンチンババア  よしもとばなな


よしもとばなな 幻冬舎文庫 2006

STORY:
みつこの父は母を亡くしたショックからアルゼンチンババアと呼ばれる女と一緒に住み始め・・・。

感想:
 とても短い作品だった。あっという間に読めた。よしもとばななは、昔、すごいブレイクしていたが、どうにも読む気が起きず、読んだことがないに等しい。読もうと思ったものも、途中で合わずやめた・・・。でも、この本は読みやすかった。もしかしたら自分の年齢が上がったせいかもしれないが。

 短い文章の羅列ながら、的確な無駄のない表現を使って、作品の世界観がよく表されている。たわいもないことが書いてあるだけなのだが、ついつい先を読んでしまう。

 父がアルゼンチンババアとあだ名される小汚い女と暮らし始めたことを知り戸惑うみつこ。でも、アルゼンチンババアの家に行ってみると、父の気持ちがわかってきてどんどん心が変化していく。そういう変化が短い中に何かよく表されていて、爽やかな読後感が残った。

↓映画化された『アルゼンチンババア ~みつこの夏~』



2007年04月17日(火) 夢を与える  綿矢りさ


綿矢りさ 河出書房新社 2007

STORY:
フランス人の血を引く父と日本人の母のもとに生まれた夕子は、赤ちゃん時代からモデルとして活躍。チーズのCMに抜擢され徐々に人気を得ていき、高校生の頃から大ブレイクして・・・。

感想:
 子役として芸能界で生きていくということが書かれている・・・という意味では面白い作品だった。けれど、結論から言うと、最後の終わらせ方がどうも・・・。確かにこうした話の場合、成功するか失敗するか・・・のようなところに落ち着くのだろうけれど、何となく後味が悪いというか、せめてもう少し先まで書いてほしかったかな・・・というのが正直な感想。

 子役として生きるっていうことが大変だろうというのは想像がつくし、そうした素材自体が面白い部分だったから、そのまま書いていてもそんなにつまらないことはないけれど、そこから先の発展性というのだろうか、そういうものが想像がつく範囲すぎたというのだろうか。

 両親の不仲をそばで見て育ったはずなのに、どうして自分も恋に溺れてこうなってしまうのかなぁ・・・というのが、どうにもこうにも一番引っかかる点だった。まあ、恋は盲目・・・と言ってしまえばそれまでだろうし、そういうものにしがみついてしまう人間がいるのも事実なのだろうけれど・・・。



2007年04月15日(日) キッパリ! (ドラマ)

 本の『キッパリ!』『スッキリ!』を読んだことがあって、どんなドラマになるのかと気になり、つい見てみたらはまってしまった。

 前にもこのあたりの昼ドラを見たことがあったけれど、あまりにもつまらなく、バカにされてるんだろうか・・・と思ったくらいだったので期待していなかったのだけれど、今回のはきちんと脚本も練られていて、なかなか面白かった。

 何より頭をあまり使わず見られて明るい。こんなことあるわけない・・・ということもあるけど、それでもあるかも・・・とも思ったりして。

 子役の子たちの演技がとても上手ですごくよかった。また脇役の人たちのそれぞれの日常も面白く描かれていて、最後はハッピーエンドなのもよかったかな。

 ドラマの終わりに「今日のキッパリ!」というミニコーナーがあって、これも結構好きだった。



2007年04月05日(木) メリーゴーランド  荻原浩


荻原浩 新潮社 2004

STORY:
東京の会社をやめ、田舎の市役所に勤める啓一は、赤字にあえぐアミューズメントパーク・アテネ村のリニューアル事業を任されることになるが・・・。

感想:
 荻原浩の作品。相変わらず続きが気になり、ついつい読ませるような話だった・・・。

 公務員の体質とか、採算の取れない施設がたくさんあるとか、何だか最近の夕張市の財政破綻とかを思い起こさせるような話。結構リアルなのかもしれない。

 アテネ村のリニューアルのために奔走することになった啓一は、役所の体質とか、上からの圧力とか、様々なものに振り回され、右往左往。その様子は、働く人はやっぱり大変なんだな・・・というのを感じさせるもので。

 ただ業績を上げればいい、何かを変えればいい、というわけではなく、結局はそういう圧力が仕事をする上での一番の敵だったりするところが何とも言えない。

 最後まで振り回され続ける啓一は、頼りないと言えば頼りないけど、でも、妻子を抱えていたら結局はこうしかできないのかなーとも思うような展開だった。

 ちょっとありえないような話もあるけれど、それでも、あるかもと思えてしまう展開で、リアルさとそうでなさとが混じって面白かった。どうやったら人を集めることができるかのノウハウみたいなのが少し紹介されていて、それは結構興味深かった。
←文庫版も出ているらしい。



2007年04月02日(月) ホリデイ

 失恋をして何もかもを忘れたくなった女性2人が、お互いに住む家を交換するホーム・エクスチェンジをすることにし、アメリカのロサンゼルスとイギリスのロンドン郊外でクリスマス休暇を過ごすことに・・・。

 ロサンゼルスの家は映画CMを作っているアマンダ(キャメロン・ディアス)のもので、使用人もいたりする大豪邸。今までつつましい生活をしていたアイリス(ケイト・ウィンスレット)はびっくり仰天! 

 一方のイギリス郊外のコテージは編集者アイリスのもの。犬1匹と暮らすだけのこじんまりとした家で、暖炉や旧式のキッチンなどが・・・。アマンダは初めはおとぎ話の世界に迷い込んだように思うが、すぐに孤独に耐えられなくなり・・・。

 どちらの家が好みかはきっと見る人によって変わるんだろうけど、私はどちらもいいけど、イギリスのコテージがいいなぁ・・・と。こじんまりしたイギリスの田舎・・・。ずっと住むのはどうかと思うけど、数週間過ごすのは楽しいかも・・・。

 2人にはそれぞれに新しい環境でステキな出会いが訪れる。アマンダはアイリスの兄グラハム(ジュード・ロウ)と出会う。

 すでに現役を引退した脚本家のアーサー(イーライ・ウォラック)とアイリスとの出会いは、映画音楽を作るマイルズ(ジャック・ブラック)との出会いよりも感動・・・。

 アイリスの元彼ジャスパー(ルーファス・シーウェル)が最悪・・・。こういう男、本当に最低だわ・・・。

 最後まで安心して見ていられる温かいムードに溢れた映画だった。一緒に見た夫曰く、「このあとどうするんだろう・・・」だそうだけれど、イギリスとアメリカをすぐに行き来できるくらいお金のある二人なんだし、どうとでもなるんじゃないかな・・・と私は思ったりした・・・。大体お金がないと外国でのホーム・エクスチェンジなんて、それもすぐに思い立って・・・なんて、まず無理よね・・・。

 どっちかというと女性向けの映画。男性も楽しめなくはないとは思うけど・・・。



2007年04月01日(日) 芋たこなんきん

 NHKの朝ドラ。田辺聖子さんの半生を基にしたドラマ。

 結構面白くて、毎日楽しみに見ていた。特に健次郎と町子の会話が面白くて、こういう夫婦に憧れるかも・・・なんて思ったりもした。

 町子(藤山直美)は妻に先立たれた健次郎(國村隼)と知り合い、プロポーズされるが、自分は文学賞を受賞し、作家として多忙な毎日を送る日々。町医者の健次郎には前妻との間に生まれた5人の子供が。さらに妹や父母とも同居をしている大家族であった。

 でも、そんな環境を物ともせず、健次郎の言葉に後押しされ、二人は結婚。当時は珍しかっただろう別居婚を選んだ二人だったが、そのうちに町子は健次郎一家とともに暮らすことに。前妻の子供たちには「母」とは呼ばせず「おばさん」と呼ばせる。ちょっと傍から見たら不憫な感じがするのだけれど、健次郎の言葉を聞くと、確かに無理に「お母さん」って呼ばせることはないのかも、こういう関係はあっさりしていていいのかも・・・なんても思った。

 とにかく当時はきっとこういう考えの人は少なかっただろうから、それを貫き通せたのもすごかったのだろうなぁ・・・。仕事をこなし続ける町子の姿勢もすごい! 私ならやめてしまいそうだけど、町子は絶対に仕事もあきらめず、すべてをエンジョイしている。

 唯一残念だったのは、仕方ないことだけれど、複数の時代にまたがっているので、別の俳優さんが同じ人物を演じていたこと。その俳優さんが成長した姿がこれ??とつながらないことが多々あり。中高時代くらいの町子は美人なのに、子供時代と大人は?? つながらないよ、これは・・・。他にもレギュラー陣がほとんど年齢を感じさせず同じような感じで登場・・・。最初から最後までの間に30年以上くらいはあるはずなのになぁ・・・と・・・。まあ、そこまでは仕方ないのかな・・・。


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