感想メモ

2007年03月30日(金) 今週、妻が浮気します (ドラマ)

今週、妻が浮気します
 ネットで人気だった掲示板の投稿を本にし、それをもとにドラマ化した作品。

 最初の方はウソっぽいというか、やりすぎな感じであまり面白くなかったけれど、段々結構いい話かも・・・と思い、最後まで見てしまった。思うに、ギャグならギャグ、シリアスならシリアス・・・もっとどっちかに絞った方がよかったのでは? 基本はギャグ路線なのに、シリアスなシーンはすごいシリアスで・・・。土下座すれば何でも許されたり・・・みたいな安易な展開もちょっとねぇ・・・って感じであった。

 でも、夫婦二人の気持ちのすれ違いの様子や、二人の話し合いのシーンは、すごく納得したり、勉強になったり・・・。

 これをシリアスだけでやられたら、確かに息が詰まるドラマになったのかもしれないけど、やっぱり浮気から離婚に発展するかも・・・というような展開では、シリアスになるのが普通だし・・・。

 私は女だからか、陶子(石田ゆり子)の気持ちはよくわかった。いっぱいいっぱいになると、夫に頼りたくなるけど、仕事仕事の夫では、頼れないし、話を聞いてもらえなければ、誰か話を聞いてもらえる人がほしくなる。それが女というものなのかな。(ただそれで体の関係になるのか?と言えば???だけど) でも、ハジメ(ユースケ・サンタマリア)は「そんなことで浮気するの?」とびっくりする。男は妻を愛しさえすれば何をしても妻や子供が待っていてくれるという幻想に浸っているのかもしれない。

 そして、女は男が一度浮気をしても許すことができても、男は女が浮気をすると許すことができないことが多いというのも・・・。この思考・・・昔からあるけれど、身勝手と言えば身勝手よね・・・。

 Q&Aサイトの存在があってもなくてもあまり関係ないような気も・・・。もう少しそれによってハジメが意見を左右されるとか、書き込むとかいうシーンがあってもよかったのかなぁ・・・。

 いい味を出していたのが、玉子(ともさかりえ)と轟(沢村一樹)。自然でよかった。あとの脇役の人も悪くはないけど、あまりにもドタバタさせすぎて、もう少し抑えたやり方のほうが個人的にはよかった気がした。



2007年03月29日(木) おそうじ風水  李家幽竹


李家幽竹 2006 フォー・ユー/日本実業出版社

 風水って割りに面白いと思って、本は結構読んでしまう。でも、特に実践しているわけじゃない。

 最近注目の「掃除」を風水的に書いた本で、パラパラめくるのも面白い。どういう風に掃除するのがいいかとか、処分に困るようなものをどう処分したらよいかとか、結構細かく書かれている。

 ただし、多分同じようにはできないだろう・・・と思う。

 でも、「こうしたら運がよくなる」みたいな感じだから、なるほど、なるほど〜とちょっと思いながら読める。

 掃除嫌いな人にもオススメな感じ。



2007年03月24日(土) イグアナの嫁  細川貂々


細川貂々 2006 幻冬舎

 『ツレがうつになりまして。』を描いた細川貂々のマンガ。イグアナのイグちゃんとの出会いからイグちゃんに嫁のイグアナがやって来るまでを描いている。

 イグアナの生態が結構わかって面白い。でも、自分はきっと育てられないと思った。

 イグアナを飼っていくとともに、生活が変わっていく様子も描かれている。スーパーでバイトしようとするところが何かリアルだった。私もレジとかは無理かな・・・とかも思ったりして・・・。

 それにしても、マイナス思考ってこういうことだよなー・・・っていうのがすごくわかって・・・。きっと一緒にいる人は疲れるんだろうな。でも、これを読んでたら自分もマイナス思考になっていきそうな感じがちょっとした。

 前半は面白かったけれど、後半はツレさんがうつになってしまって・・・って感じのお話なので、『ツレがうつになりまして。』の補足として読むといいかも。

 でも、面白さでは、やっぱり『ツレが〜』の方が面白かったかな・・・。あんまりマイナス思考ばっかりだと、結構疲れるのかなぁ・・・。



2007年03月22日(木) 拝啓、父上様

『拝啓、父上様』
 倉本聰脚本のドラマ。『優しい時間』に続いて見てみることに。

 『前略おふくろ様』というドラマがあったらしいが、私は見たことがない。それと似ているんだろうか? 私の第一印象は『北の国から』のナレーションの純が二宮和也になってる・・・ということだったりした。最初は違和感があったけど、段々慣れた。

 昔ながらの街並みが残る神楽坂も時代の波に翻弄され、長年続く一見さんは入れない店「坂下」も高層マンションの敷地になるのでは・・・という噂があった。

 一平(二宮和也)はそんな坂下で板前修業をする身。坂下はおかみさん(八千草薫)、若おかみ(岸本加世子)とその養子の保(高橋克実)が家族で経営する料亭で、板長は竜次(梅宮辰夫)が務めている。新しい板前見習いで少年院上がりの時夫(横山裕)がやって来て、一平は一番下っ端ではなくなる。

 ある日、りんごを落としたところを助けた謎の少女ナオミ(黒木メイサ)と知り合った一平は一目惚れ。彼女は週に3回はフランス語しか話さないという変わった子。しかし、一平には、自分に思いを寄せる坂下のお嬢さんのエリ(福田沙紀)の存在が。坂下の面々も一平をエリの養子にしたいと思っている様子で、一平は心穏やかではない。

 一平はシングルマザー雪乃(高島礼子)の子供で、父親のことは何一つ知らされておらず、父に向けて手紙を書くという形式のナレーションが入る。父親が誰なのかを思い悩むが、母は決して教えてくれず、一平の想像は広がるばかり・・・。

 何気ない日常でいながら、決して何気なくなく、神楽坂という何か特別な場所で本当にこういう人たちがいるかも・・・と思わせるドラマに仕上がっていた。テレビや雑誌に映ることを生きがいにしている喫茶店のマスターとか、本当に変わった人が出ているのだけれど・・・。

 時代に翻弄されて変化していくのは仕方ないことなのかもしれないけど、その戸惑いとか問題、色々なものを含んでいて、飽きさせず、大人の味に仕上がった落ち着いたドラマだった。まだこのあとも続きがありそうな感じで終わってしまったけれど、よい終わらせ方だったのではないかと思う。



2007年03月21日(水) 逃亡日記  吾妻ひでお


吾妻ひでお 日本文芸社 2007

 あの『失踪日記』の続編かと思って手にしたら全然違った・・・。

 巻頭で筆者が失踪した場所を訪ねるという企画があり、それは結構笑える。

 あとはほぼ筆者に対するインタビューが続く。失踪していた頃の話などは結構面白く読めるのだが、後半は筆者のマンガ人生をたどるというような感じなので、筆者のコアなファンとか、マンガが大好き・・・みたいな人でないとそんなに興味深くはないかもしれない。

 これを読んでいると『失踪日記』の続編はまだまだ読めそうにないなーと実感が湧いてくる感じ。やっぱりまだ精神的にきつそうなイメージを受けた。



2007年03月18日(日) ドリームガールズ

『ドリームガールズ』
 何も内容を知らずに連れられて見に行く。ミュージカルみたいなのだと思っていたら、どっちかというと普通の映画に音楽のシーンがあって、時々歌で感情を表す台詞があるという感じだったかな。

 歌声がすごくいい! サントラも出ていて買っている人も多いと聞くけど、納得。

 夢を追いかけてトリオで歌うドリーム・メッツ。段々有名になる彼女たち。ザ・ドリームズと名前を変え、リードヴォーカルをエフィー(ジェニファー・ハドソン)からディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)に変更。面白くないエフィーは問題行動を起こすようになり、メンバーをはずされてしまい・・・。

 ディーナ=ビヨンセの歌声ももちろんステキだし、特に「Listen」はよく聞いていて好きな曲だったのだけれど、歌詞の意味がこんなだったのね〜・・・とちょっとびっくり・・・。

 エフィーのパンチのある歌唱力が素晴らしい。そして、私にはエフィーの気持ちもわかる気が・・・。

 なかなか面白い映画であった。



2007年03月11日(日) フラガール


 遅ればせながら、見たいと思っていた『フラガール』をようやく見ることができた。

 何となくもっと元気なお話なのかと思っていたのだが、想像とはちょっと違った。元気でないわけではないけれど、悲惨さがすごく際立っていた。

 舞台は昭和40年、いわきの炭鉱町。かつては黒いダイヤモンドと言われていた石炭も石油エネルギーが台頭してきて廃れていく一方で、炭鉱は閉山の恐れも出ていた。それを打破するため、会社が考えたのが常夏のハワイを体感できるレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」。従業員もフラダンサーもすべて炭鉱の関係者で・・・というこの計画は、長年炭鉱夫として働いてきた人々の間でも賛否両論分かれていた。

 紀美子(蒼井優)は親友の早苗(徳永えり)にお願いされ、一緒にフラダンサーを目指すことに。東京から招かれたダンスの先生(松雪泰子)は破天荒で、町の人々とも衝突する。紀美子は母(富司純子)からダンサーになることを反対され、家を飛び出す。最初は4人しかいなかったダンサー候補たちも、炭鉱の大幅な人員削減により、メンバーが増え、彼女たちはセンターのオープンのために奮闘するのだった・・・。

 何と言っても昭和40年の田舎の炭鉱町のセットが素晴らしい。家の中の様子が、悲惨だけど、こんな時代もあったかも・・・というような感じ。古ぼけたバスの様子もリアル。方言がまたすごくいい感じで、リアリティが溢れている。

 ダンスの先生も辛いバックボーンを抱えているが、ダンサーを目指す女性たちも皆それぞれに事情を抱えていて、引くに引けないところでがんばっている。早苗は父がリストラされてしまったため、夕張炭鉱に引っ越すことになり、結局フラダンサーになる夢をあきらめる。小百合(山崎静代)の父は落盤事故で亡くなってしまう。

 紀美子や小百合に限らず、この炭鉱には父がいなかったり母がいなかったりする家族が当たり前で、両方そろっている家の方が少ないのかもしれない。それは仕事が命を懸けてするものであり厳しいこと、そして、貧しい生活をせざるを得ないことが関係しているのだろう。

 こんな悲惨な状態を脱するために、それぞれが奮闘し、常磐ハワイアンセンターのオープンを迎えるまでを描く。笑えるシーンあり、泣けるシーンあり、感動満載。もっとはしゃげる映画かと思っていたけれど、これはこれで面白い映画だった。

 イメージが変わった豊川悦司演じる紀美子の兄や、常磐ハワイアンセンターのオープンに向けて奮闘する岸辺一徳、早苗の厳しい父役の高橋克実など、いい味を出していた人がたくさんいた。

 もちろん最初は全然踊れなかった女性たちの踊るフラダンスのシーンも見せ場。実際に特訓して習得したそうだけれど、すごく大変だったんだろうなーと感心した。



2007年03月08日(木) 四度目の氷河期  荻原浩


荻原浩 新潮社 2006

STORY:
父親を知らないワタルは、よそ者として疎まれる母と二人暮らし。子供の頃から孤独だったワタルは自分の父はクロマニヨン人だと信じていて・・・。

感想:
 荻原浩を久々に読む。やはり面白い。このあとどうなるんだろう?ってついつい読んでしまう。

 よそ者であり未婚の母の元で生まれたワタルは、子供の頃から差別を受けて育つ。そんな孤独から自分は特別である、自分の父はクロマニヨン人だったと思い込む。

 田舎だから、外見が違ったり、母親の職業や未婚の子ということで、皆から特別な目で見られてしまう。こういうときに田舎の閉塞感って嫌だなーと思う。

 そんなワタルと仲良くなった転校生のサチ。父がいるサチだが、酒に酔うと家族に暴力をふるう最低な父。

 転校生であり、両親が離婚をすることでサチもまたどちらかというと異端児である。

 ワタルが否定され続けた足の速さや芸術のセンスも、見る人が見ればわかってもらえる。でも、色々なことがワタルに立ちふさがっていつも進路を閉ざされてしまう。

 それでも生きていくワタルの姿になんか引き込まれてしまったのか。サチとワタルの生き方にがんばれ!と思って、どうなるのか気になってしまう。

 かなり面白い作品だった。



2007年03月07日(水) 不都合な真実  アル・ゴア


アル・ゴア 枝廣淳子訳 ランダムハウス講談社 2007

 同名のドキュメンタリー映画『不都合な真実』でもおなじみの地球温暖化について取り上げたアル・ゴア元アメリカ副大統領の書いた本。

 映画は見てはいないのだが、もしかしたらかなり内容は同じなのかも。写真がふんだんに使われ、データなどを用い、わかりやすくまとめられている。またゴア氏の家族のことや身近な人のことについても書かれている。

 最後に私たち一人一人が地球温暖化のためにできることがまとめられている。

 この本はすべての部分を読まなくても、興味を持てる部分だけ読んでもいいと思う。私もすべては読まなかった。(特にゴア氏の書いた長い文章部分・・・)

 でも、読んで、やはり何かをしなくてはいけないんだと思った。そういう気持ちがあってもできない・・・というのでは、いけないのだと思った・・・。

 ということで、私が一番やれそうなのは、自分の家のベランダで植物や野菜を育てること。緑を増やすことも大切なのだ。

 便利な生活に慣れてしまっている今、寒さや暑さに耐え、水やガス、電気を節約する・・・というのは、やろうと思ってもそこまではできないかもしれない。でも、取り組めそうなものからでも少しでも取り組んでいけたらなぁ・・・と思っている。

 温暖化や環境問題に関心のある方は手に取って損のない1冊。



2007年03月05日(月) それでもボクはやってない

それでもボクはやってない
 久々の周防監督の最新作『それでもボクはやってない』を見た。

 映画は面白くて、ぐいぐい引き込まれた。出てくる人すべてがとてもしっくりきている感じがした。特にお母さん(もたいまさこ)と友達の達雄(山本耕史)、弁護士の荒川(役所広司)と須藤(瀬戸朝香)がうまかった。

 今までの周防監督の映画って、何となく登場人物の話し方に特徴があって、ちょっと棒読みチックな感じがしたりしたんだけど、この映画はすごく自然な話し方で、すごくリアルな感じで、やっぱり題材がシリアスだからなのかもしれないけど、こういう映画もいいな・・・と思った。

 痴漢冤罪事件について描かれたこの映画は、日本の裁判制度の問題点を浮き彫りにしている。確かにこれを見ると、こんなことが本当に?と思うようなことも多い。

 犯人という扱いを受けて、ひどいことを言われまくる徹平(加瀬亮)は、よく我慢できたなーという感じ。でも、こうした中にいたら、自分が何を言っても聞いてもらえない・・・という思考に陥っていき、私ならあきらめてしまうかもしれない。それどころか、あんな狭いところに閉じ込められるなら、やってなくてもやったと認めてしまうかも・・・。

 人権に配慮した・・・というのはよく言われるけれど、実際の警察での取り調べは脅しっぽかったし、忙しさにかまけて、きちんとした説明もされず、そのまま犯人扱いで怒鳴られるのでは・・・。人権侵害だよなーと思う。

 さらに狭い部屋に閉じ込められて、私語も厳禁と言い渡されるだなんて・・・。自分が犯罪を犯しているならともかく、そうでないのにそんな状況に置かれるのは、本当に納得いかないだろうなーと思う。

 ということで、この映画は見る価値のあるとても考えさせられる映画であった。『Shall We ダンス?』みたいな娯楽映画ではないので、好き嫌いは分かれると思うけれど、決して見て損はしないと思う。


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